2021年11月15日~19日の株式・為替・債券の動向は?ウィークリーマーケットレポート

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記事目次

  1. 債券市場の動向・振り返り
  2. 株式市場の動向・振り返り
  3. 為替市場の動向・振り返り

※本レポート中に記載された見解は、執筆時点での妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
※本レポートは情報提供を目的としており、有価証券の売買の申し込みやその他勧誘を目的とするものではありません。投資の決定に関しては、ご自身でもよくお調べの上、ご判断いただきますようお願いいたします。

債券市場の動向・振り返り

米国

インフレ懸念が高まっていますが、マーケットではFRBの2022年利上げ見通し予想が早まっています。経済指標が堅調な数字を見せる場合、金利は引き続き底堅く推移すると考えられるでしょう。

金利カーブはフラットニング(※)しており、引き続長期金利の上昇幅は限定的となっています。

※フラットニング…長期金利と短期金利の金利差が縮み、イールド・カーブの傾きが緩やかになること

一方で、利上げ見通しが早まってきていることから短期ゾーンは底堅い展開となっています。2022年9月あたりに前倒しとなった場合はまだ上昇余地があると考えられます。
債券

欧州

欧州債券市場は全体的に金利低下の動きとなりました。

新柄コロナウイルス感染症拡大からロックダウンを行う国が再度出てきていることを受け、債券が選好され金利低下の動きとなりました。

2021年11月8日の週にはドイツ国債は30年債利回りが8月以来のマイナス圏に突入したタイミングもあり、コロナ感染拡大が収まるまでは欧州の債券市場は金利低下方向が継続しそうな雰囲気が見られます。

株式市場の動向・振り返り

米国

2021年11月15日~19日週の米国株式市場は、NYダウが反落しましたがNASDAQが最高値を更新する動きとなりました。一方で、ラッセル2000は下落しており半導体大型銘柄を中心に物色されるなか小型株関連は弱い動きとなりました。

【参照記事】ロイター「米国株式市場=S&Pとナスダックが最高値、小売・ハイテク好決算受け」

米国では米国債金利の上昇によって上値の重い展開が継続していましたが、米小売売上高が予想以上の数字となったことを受けて、株高・金利高・米ドル上昇という動きになっており、引き続きNASDAQの強い地合いが続いている状況です。
株式
株式

欧州

欧州株式市場は続落しました。欧州で感染拡大が止まらない中、11月19日にはオーストリアでロックダウンを行うことが報道され、ドイツも追随するとの内容が株式市場が反応する動きになっています。

【参照記事】ロイター「オーストリア、完全なロックダウンを再導入 ワクチン義務化」

日本

日本の株式市場は29,000円台前半から後半でのレンジでの推移となりました。岸田内閣が前週、来年に金融所得課税を検討するといった話題の影響で、30,000円を目指す展開に逆風が吹き始めています。

【参照記事】時事通信社「金融課税、重要課題に明記へ 格差是正、来年以降議論 政府・与党」

来週以降の株価

11月下旬から年末までのアノマリーで考えると、株式市場は堅調な展開が予想される一方、足元の欧州での感染拡大や日本の増税方向への動きからポジションを積み増しにくくい状況です。

またアメリカでもテーパリングが始まると考えた場合は、なかなか上方向に攻めにくくなっていることは確かでしょう。

テーパリングが株安に影響すると言われているものの、過去のデータではテーパリングが短期的に影響を与えたとしてもトレンドを転換させるようなきっかけにはなっていないことは認識しておいて損はありません。

11月22日以降のイベントは、FOMC議事録や経済指標ではPCEデフレーターが公表される予定となっています。日経平均株価は引き続き上方向で見ていますが、上値の重さには注意しながらの動向となるでしょう。

為替市場の動向・振り返り

米ドル

米ドルは米国債金利の上昇を受け利上げ見通しが早まっていることから、底堅い展開が継続しました。

英ポンド

また、イギリスポンドが強い展開となりました。

イギリスポンドが強い背景として、2021年12月にBOEが利上げを行うのではないかという思惑が出ており、利上げを行うとなった場合、ユーロが弱い状況の中、イギリスポンが強いとなるとトレンドが出やすいためEUR/GBPの通貨ペアは取引が行いやすくなる印象です。

ユーロ

一方でユーロが大幅下落しており、特に19日のオーストリアのロックダウンのニュースを受けて、下げ幅が拡大する動きとなりました。

また、ユーロドルも引き続き米ドルが強い地合いが続いているため、11月22日の週もユーロドルの上値は重くなりやすいため、戻り売りを淡々と行うことがベターと考えます。

新興国通貨は、前週利下げを行ったトルコリラが大幅続落しており、対ドルで年初来から45%以上の下落となっています。新興国通貨全体もトルコリラに連れて下落しており、南アフリカランドが特に下落する動きとなりました。

為替
為替

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12