米スターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)が2月1日発表した2021年10~12月期決算は、売上高が市場予想を上回ったものの、1株当たり利益が予想を下回った(*1)。 コスト高が利益を圧迫しており、2022年の業績見通しを引き下げた。2月10日時点の株価は、決算後と比較すると5%程度下落している(*2)。
純利益は前年同期比31%増の8億1,500万ドル(約935億円、1ドル=115円換算)だった。1株当たり利益は0.72ドルと、市場予想の0.8ドルを下回った(*3)。想定を上回るインフレ高進やオミクロン株対策費用、労働市場のひっ迫に伴う費用がかさんでいる。ケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)はインフレとサプライチェーン問題は2022年も続く見込みであると述べた(*3)。
売上高は同19%増の80億5,000万ドル、既存店売上高は全世界で13%増だった。米国は労働市場がひっ迫しているものの、既存店売上高が18%伸びた。ロイヤルティプログラム「Starbucks® Rewards」の会員数は21%増の2,640万人に増加。一般的にホリデーシーズンにはギフトカードを用いてカフェの利用が進むなか、10~12月期には30億ドル以上のチャージがあったという(*3)。
海外市場の既存店売上高は3%減少した。特に米国に次ぐ市場規模を誇る中国市場が14%減となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国政府が行動制限などを強化したことが響いた。同国では1月上旬までオミクロン株が確認されておらず、現在急速に感染が広がっている状況だ。また、北京オリンピックを開催することから、中国市場の回復はさらに遅れる可能性がある。
オミクロン関連の費用が増加するなか、スターバックスは22年の調整後1株当たり利益が8~10%の伸びになると見込み、少なくとも10%としていた従来の見通しを修正した。また、インフレや従業員の研修費用、コロナ関連支出などがかさむ影響を受け、粗利益率が約2%になる見通しだ。2024年までに長期目標の18~19%に回復すると予測。従来2023年までの達成を目指していたものを1年先送りした(*3)。
飲食店はオミクロン株の直接的な影響を受けていることに加え、サプライチェーンの問題との関わりも深い。株価や業界動向に注目することで現状を把握するヒントにもなるため、米国株への投資を検討するにあたり重要な判断材料の一つと言えるだろう。
【参照記事】*1 スターバックス「Starbucks Reports Q1 Fiscal 2022 Results」
【参照記事】*2 ヤフーファイナンス「スターバックス」
【参照記事】*3 CNBC「Starbucks earnings miss as higher costs weigh on profits, coffee chain cuts earnings outlook」
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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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