米グーグルの親会社アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)が2月1日に発表した2021年10~12月期決算は、売上高、1株利益ともに市場予想を上回った (*1、2)。主力のインターネット広告事業が好調で最高益を更新した。2月9日時点では若干値下がりしているものの堅調に推移している。
売上高は前年同期比32%増の753億2,500万ドル(約8兆6,000億円、1ドル=115円換算)、純利益は同36%増の206億4,200万ドルだった。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は「人工知能(AI)へ多額の投資を行っていることで、ユーザーや企業に優れたエクスペリエンスをもたらし、広告事業が力強く成長した」と述べた(*2)。
ネット広告の売上高は同33%増の612億3,900万ドル。このうち動画共有サイト「ユーチューブ」の広告収入は同25%増の86億3,300万ドルだった。短編動画投稿サービス「ショーツ」を開始しており、ピチャイCEOによると、1日当たりの再生回数が150億回を超えたという(*3)。中国発の動画共有アプリ「ティックトック」に対抗する姿勢を見せている。
クラウド事業の売上高は同45%増の55億4,100万ドルだった。営業損失は8億9,000万ドルと、前年同期の12億4,300ドルから縮小した。ピチャイCEOはクラウドサービスの案件数が前年同期比で65%増加したと述べた(*3)。
そのほか、供給制約のなかでも、スマートフォン「ピクセル6」の販売が好調で、スマホの四半期売上高が過去最高に達した。パートナーなどに支払われるトラフィック獲得コスト(TAC)は市場予想を上回る134億2,700万ドルだった。
株式分割もあわせて発表した。7月1日時点の株主が保有する1株を20株にする。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はCNBCに対し、(株式を分割し購入単価を引き下げることで)より多くの投資家が同社株にアクセスできるようになると述べた(*4)。
株価に関しては2021年に65%上昇。上昇率は他のすべてのビッグテック(#1)を上回ったほか、S&P500の3倍以上となる(*5)。米国株の株価はアルファベットがけん引している場面もあり、米国株ETFなどの投資を行う場合には注目したい点となる。アルファベットが目指している方向がどのようなものか、投資家にとっては重要な注目ポイントだ。
(#1)ビッグテック…巨大IT企業。一般的にアルファベット(グーグル)、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、アップル、マイクロソフトを指す。
【参照記事】*1 アルファベット「Alphabet Announces Fourth Quarter and Fiscal Year 2021 Results」
【参照記事】*2 cnbc「Alphabet reports big fourth-quarter beat; stock pops」
【参照記事】*3 アルファベット「Alphabet 2021 Q4 Earnings Call」
【参照記事】*4 cnbc「Alphabet CFO Porat on 20-for-1 stock split」
【参照記事】*5 cnbc「Alphabet reports big fourth-quarter beat; stock pops」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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