株式会社FUNDINNOは9月7日、運営する株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」で「特定投資家制度」を導入すると発表した。特定投資家に移行すると、株式投資型CFにおける「一社あたり年間投資額50万円」の上限がなくなる。
特定投資家は、金融商品に対する十分な知識、経験や、財産、リスク管理能力などを有している「プロの投資家」。同制度は、金融商品取引業者が特定投資家向けに金融商品の販売・勧誘などを行う際には、法に基づく行為規制の一部を適用除外とする制度。移行可能な投資家は、保有資産や年収などで一定の条件を満たす個人投資家と法人投資家。
同社はこれまで、株式投資型CFの規制について検討する金融庁主催の金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」や、日本証券業協会主催の「非上場株式の発行・流通市場の活性化に関する検討懇談会」に参加、株式投資型CFの環境整備に携わってきた。22年1月29日に施行された株式投資型CFに関する法改正により、一定の要件を満たされた個人投資家の皆様・法人投資家には、一社あたり年間投資額50万円の上限がなくなることが決定した。
さらに、今年7月1日、本件に関する「金融商品取引業等に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」が施行・適用され、特定投資家に移行可能な個人の要件などが改正された。これに伴い、ファンディーノで特定投資家制度の導入、および、法人投資家の投資家登録も開始することになった。
特に着目すべき点として、個人投資家に資産1億円、年収1000万円の層が追加されたことが挙げられる。「金融資産1億円以上は132.7万世帯、年収は職業制限があるものの1000万円以上は240.6万人。今回の規制緩和によってリスクマネーの供給量の増加が期待される一方で、企業側の調達額は、依然年間1億円の上限についての規制がある。企業の資金調達のためにも、引き続き協議を進めていく」と同社。
「未上場株式の民主化にむけて『フェアに挑戦できる、未来を創る』というビジョンの実現に取り組んでいく」としている。
景況感が改善しない中、スタートアップの資金調達も停滞が懸念される。株式投資型CFサービスを提供する企業で、特定投資家制度を導入するケースが増える可能性もある。
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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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