米石油大手シェブロン(ティッカーシンボル:CVX)が1月28日に発表した2021年10~12月期決算は、50億5,500万ドル(約5,800億円、1ドル=115円換算)の黒字(前年同期は6億6,500万ドルの赤字)だった(*1)。原油・ガス価格の上昇が追い風となった。ただし、調整後1株当たり利益は市場予想を下回った(*2)。株価に関しては、27日に史上最高値をつけていたものの、1株当たり利益が市場予想を下回ったことが嫌気され、28日には3%強下落した(*4)。2月9日時点の株価は決算公表時から10%ほど値上がりしている(*3)。
売上高は481億2,900万ドルと、市場予想の456億9,000万ドルを上回った(*2)。石油・天然ガスの生産は前年同期と比べて約5%減の日量約370万バレル相当だった。
原油価格は新型コロナウイルスのパンデミック時に大きく落ち込んだものの、その後は大きく上昇している状況だ。ブレント原油は一時、2014年10月以来となる90ドル/バレルを突破したほか、WTI原油は7年ぶりの高値水準となる88ドル/バレルに達している(*2)。
このことが、シェブロンの石油・ガスの販売価格上昇につながっている。米国産石油・天然ガス液の平均販売価格は63ドルと、前年同期の33ドルから2倍ほどに上昇した。米国産天然ガスは4.78ドルと、前年同期の1.49ドルから3倍強上昇している。
21年12月期通期では、最終損益が156億8,900万ドルの黒字(前年は55億6,100ドルの赤字)だった。フリーキャッシュフロー(純現金収支)は211億ドルと、過去最高に達し、営業キャッシュフローは前年比2倍以上となる292億ドルに増加した。一方、負債は前年比129億ドル減少している。マイク・ワース最高経営責任者(CEO)は「資本効率が改善したことにより、株主還元を強化できるようになった」と述べた(*4)。
26日には四半期配当を前期と比べて約6%増の1株当たり1.42ドルに引き上げることを発表した(*1)。配当引き上げは35年連続になるという。
【参照記事】*1 シェブロン「Chevron Announces Fourth Quarter 2021 Results」
【参照記事】*2 cnbc「Chevron shares retreat from a record after fourth-quarter profit falls short of expectations」
【参照記事】*3 Yahoo!ファイナンス「シェブロン」
【参照記事】*4 シェブロン「4Q 2021 Chevron Earnings Conference Call」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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