ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ(ティッカーシンボル:BRK B)が、米石油大手オキシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株式を51億ドル(約5,900億ドル)保有していることが明らかになった(*1)。
米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、バークシャーは3月2日から4日までの間に、オキシデンタル株を1株47.07ドルから56.45ドルで約6,100万株を取得した。これまで保有していた2,900万株(取得価格などは不明)とあわせて合計9,120万株、時価総額で51億ドルを保有することになった。保有比率は9%ほどにとどまるが、オキシデンタル株8,390万株を1株59.62ドルで取得できる権利(ワラント(#1))も保有しており、これが行使された場合には17%以上になるという。
バークシャーは2019年にオキシデンタルによる米石油会社アナダルコ買収を支援すべく、配当利回り8%の永久優先株とワラントを取得するかわりに100億ドル(約1兆1,500億円)を出資した(*2)。その際、バフェット氏はCNBCに対し「原油価格が長期にわたり上昇すると確信している」と述べていた(*3)。
20年には新型コロナのパンデミックにより原油市場が崩壊。オキシデンタルは現金保有を維持するため、第1四半期と第2四半期の配当の代わりに普通株を割り当てる事態に陥っていた(その後は現金配当を再開)。オキシデンタルの株価は同年3月下旬に10ドルを割り込む水準まで下落。
しかしながら、足元の原油相場に鑑みると、バフェット氏の読みが当たった格好だ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ニューヨーク原油先物は一時約13年8か月ぶりの高値をつけた。さらなる業績改善が見込まれるオキシデンタル株は4日に18%上昇、2月28日から3月4日までの週間ベースでは45%急騰し、55ドル近辺で推移している(*4)。
(#1)ワラント…一定の価格で発行会社の株式を購入できる権利。
【参照記事】*1 米証券取引委員会「SEC FORM 4」
【参照記事】*2 バークシャー・ハサウェイ「printmgr file pp.101」
【参照記事】*3 CNBC「Buffett says Occidental Petroleum investment is a bet on oil prices」
【参照記事】*4 Yahoo!ファイナンス「オキシデンシャル・ペトロリウム」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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