ソーシャルレンディング投資家が早期償還の多い会社を選ぶべき理由と注意点

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「安全に投資ができないか」ソーシャルレンディング投資をご検討の方であれば、一度はそういったことを考えたことがあるのではないでしょうか?そこで、安全な投資対象選びの方法の一つとして、今回は早期償還の多い会社選びについて考えてみましょう。

目次

  1. ソーシャルレンディングにおける早期償還とは
    1-1.早期償還が起こる理由
    1-1.早期償還を行う事業者とは
  2. ソーシャルレンディングの早期償還は投資家にとって嬉しい?
    2-1.利益自体は想定よりも下回ってしまう
    2-2.早めに投資案件を乗り換えられるチャンス
    2-3.継続的な運用には分散投資が必要
  3. 問題を起こした会社でも早期償還はあった?
    3-1.ラッキーバンクの早期償還状況
    3-2.ソーシャルレンディングで問題となるのは「返済遅延」
  4. 早期償還実績が豊富で返済遅延のないサービスは?
  5. まとめ

ソーシャルレンディングにおける早期償還とは

早期償還とは、予定されていたソーシャルレンディング案件の運用期間よりも早く、元本の返済が投資家に行われることを指します。例えば、12ヶ月間の運用が予定されていたのに6ヶ月で終了した場合、6ヶ月分の分配金と元本の全額が6ヶ月を経過した時点で投資家に返済されます。

早期償還が起こる理由

早期償還とは、債務者の事業が予定通りに進んだ結果、借り入れの必要がなくなったため、債務者が早めに全額返済することを意味します。

ソーシャルレンディングでは年利10%以上の案件も多く、借り入れ期間が長いほど債務者側の負担が増えます。当初の事業計画が予定通り、もしくは、予定以上に順調である場合、債務者は早期の返済によって金利負担を減らすのがセオリーです。

特に早期償還が多く見られるのは不動産関係の案件です。たとえば、不動産関係の事業者は物件を高値で転売することを目的に、融資金で不動産を購入してリフォームを実施することがあります。この場合、債務者である不動産事業者は売却期間をある程度見込んだ上で、融資期間を長めに設定します。

購入物件のリフォームと売却が順調に進めば、短期で返済できることも多くあります。物件が売れてしまえば、資金を借りたままにしておく必要がないため、早期に返済して金利負担を減らす判断を行うのです。

早期償還を行う事業者とは

実際にクラウドファンディングで早期償還が起きるケースを考えてみましょう。ここでは、不動産業界の案件で例を挙げてみます。

まず、不動産の購入後にリフォームや改築などを行うのは、あらかじめ売却先が存在する、もしくは具体的な販路があるためであり、実際にその事業者が継続的に物件を販売できていることの証明にもなりえます。

早期償還が多い会社は、魅力のある不動産を見定めて提供できる販売力、物件を効果的にリフォームして売却できるデザイン能力などがあると言うことができるため、実際に早期に売却を完了できたということは、そういった能力に長けている不動産会社だと考えられるのです。

ソーシャルレンディングの早期償還は投資家にとって嬉しい?

投資家にとって早期償還とは、望ましいものなのでしょうか。一つずつ検証していきましょう。

利益自体は想定よりも下回ってしまう

単純に早期償還が投資家に与える影響を考えますと、まず、分配される利益自体は減ってしまいます。

例えば、年利12%の案件の運用期間が12ヶ月だとします。100万円を投資していた場合、毎月1万円の分配金が支払われます。1年間運用していれば、投資家には累計12万円の利益が入ります。

しかし、6ヶ月の段階で早期償還が発生してしまうと、累計6万円の分配金が支払われた後に元本が全額返済され、そこで運用が終了します。投資家側は12万円の収入を見込んでいたのに、半分の期間で早期償還が行われたことで、収入が想定よりも下回ってしまうデメリットがあるのです。

早めに投資案件を乗り換えられるチャンス

ソーシャルレンディング投資では、投資のタイミングが成否を分けます。必ずしも自分が望む好条件の案件に投資できるとは限らないのです。

「資金を余らせておくのがもったいなかったので投資したが、この時は運用期間24ヶ月と長丁場の投資案件しかなかった。それでいて利回りも低いし、担保も不安だった」と、いうケースもあるでしょう。

では、そのような案件で、早期償還が実施された場合を考えてみましょう。

まず、想定よりも早く返金されますので、貸し倒れなどのリスクがなくなり、投資金の全額が保証されます。もし、より良い案件がそのタイミングで募集されていたら、投資案件の乗り換えもできます。

特にソーシャルレンディング会社では問題が頻発していますから、長期の運用案件を忌避する方も多いでしょう。早期償還が起きれば、自分の手元に早く投資金が戻ってくるのはメリットであると言えます。

継続的な運用には分散投資が必要

投資案件が早期償還ばかりになってしまうと、当初の見込み収入が得られず、投資の効率が悪くなる場合もあります。そこで、早期償還が起きることを前提として、すぐに次の投資に移れるように次の案件を確保しておくことが重要です。

また、「ソーシャルレンディングの投資金が早めに返ってきたが、今、投資したくなるほど良いソーシャルレンディング案件がない」といった事態にも備え、他の投資手法に切り替える体制を整えておくことで、効率良く投資を継続することができます。

例えば、不動産投資型クラウドファンディングや不動産投資信託(REIT)のような、インカムゲインが得られる投資に切り替えるのもありですし、株やFXなどへの投資を検討してみるのも良いでしょう。

投資家として一つの投資手法に固執するのではなく、常にアンテナを高くして投資機会を探り、様々な投資に分散できるようにしておくことも大切です。

問題を起こした会社でも早期償還はあった?

事業者が早期償還を行うケースについては、先に述べた通りです。では、過去に問題を起こしたソーシャルレンディング会社では、早期償還は無かったのでしょうか。

ラッキーバンクの早期償還状況

不動産を担保に設定していたソーシャルレンディング会社といえば、大量の案件で事実上の貸し倒れが起き、投資家の元本を大きく毀損するに至ったラッキーバンクが一例として挙げられます。

ラッキーバンクでも時折、早期償還が発生していました。では、「早期償還の実績がある」というだけでは問題のある会社を見極められないとすると、他にどういったポイントに気をつけるべきでしょうか?

ソーシャルレンディングで問題となるのは「返済遅延」

ラッキーバンクの件で分かるのは、ソーシャルレンディング投資をする中で問題となるのは、「返済遅延」ということです。

2018年12月時点のラッキーバンクでは、投資先の9割を一社が占めており、その企業の債務不履行による大規模な返済遅延が発生し、投資家の元本の約7割が毀損することとなってしまいました。

要するに、早期償還の実績と同時に、返済遅延が頻繁に発生している事業者ではないかどうかもチェックをしたほうがよいということになります。もし返済遅延が頻繁にあるのなら、投資に対しては慎重になるべきであると言えます。

早期償還実績が豊富で返済遅延のないサービスは?

早期償還の実績が豊富で、返済遅延も発生していないソーシャルレンディングサービスとして、『オーナーズブック』があります。オーナーズブックは、東証プライム上場企業100%子会社のロードスターインベストメンツ株式会社によって運営されている不動産特化のソーシャルレンディングサービスです。

親会社であるロードスターキャピタルの主な運営事業は不動産関連の開発や運用事業であり、代表取締役も不動産鑑定士の資格を有するなど、不動産業界のプロと言える人材が多く集まっています。

オーナーズブックで取り扱われる不動産案件のほとんどには、不動産担保が付いています。この点はラッキーバンクなど他のソーシャルレンディング事業者にも見られる特徴ですが、オーナーズブックは資産価値や流動性の高い都内の不動産を中心に取り扱っており、貸付金額を担保価値の8割以内に抑え、予定利回りも4%~6%にターゲットするなど、安定運用志向であることが考えられます。

このように、運営会社が上場企業であり、情報開示のレベルが他社と比べて高いことに加えて、不動産価値を見極めることができるプロ人材を多数抱えていること、都内の不動産というリスクが比較的少ないアセットを扱っていることなどから、多くのソーシャルレンディング投資家から支持を得ているサービスの一つと言えるでしょう。

まとめ

早期償還は、投資家にとって利益が想定よりも減ってしまうデメリットがあります。しかし、早期償還の発生自体は、融資先の会社にきちんとした取引実績があることを示す証拠であると言えます。

また、不動産案件の場合、魅力的な物件であればあるほど早く売却が行われる可能性が高くなるので、良い物件を扱う会社ほど早期償還が発生しやすくなっています。

早期償還が頻繁に発生するソーシャルレンディング会社では、魅力的な物件を扱う力がある不動産会社を融資先として選定できていると言えるのです。

早期償還が起きた時の効率的な分配金運用の仕方としては、他のソーシャルレンディング会社の案件に投資する、もしくは、他の投資手法を選択肢に入れる、などがあります。

そのためには、ソーシャルレンディング以外の投資手法にも目を向け、知識を蓄え、常に様々な状況への準備をしておかなければいけません。常に多様な投資手法に着目することで、投資資金を遊ばせることなく、効率的な運用を可能にできるでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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