仮想通貨のインデックスファンド事業を行うBitwise Asset Managementは1月10日、ビットコインETF「Bitwise Bitcoin ETF Trust」を米国証券取引委員会(SEC)に申請した。
ビットコインETFは、ビットコイン価格やビットコインに関する価格指標などを元に構成される上場投資信託だ。ビットコインETFの証券取引所上場は、仮想通貨価格に大きな影響を与えるとして、仮想通貨投資家の注目するファンダメンタルズ要因になっている。
Bitwise Bitcoin ETF Trustは、規制機関に監視・監督されたカストディアンがビットコインの現物を保管する仕組みで、複数の仮想通貨取引所の価格に基づいた仮想通貨の価格指標を利用する。Bitwise Bitcoin ETF Trustは、25000株を1単位として金融機関のみに販売される。金融機関はその後適正な価格をつけ、一般に提供することも可能だとしている。
2018年には複数のビットコインETFが申請されたが、SECに却下されている。SECの委員長ジェイ・クレイトン氏は以前、申請されてきたビットコインETFに対して詐欺や市場操作、投資家保護の観点から承認の水準に達しておらず、カストディサービス整備の必要性について言及していた。Bitwiseのグローバルリサーチ責任者であるMatt Hougan氏は、SECによる審査に対する準備を入念に行ってきたと発言しており、強気な姿勢を見せている。
現在審議中のビットコインETFには、シカゴ・オプション取引所(Cboe)が申請しているVanEckのビットコインETFがある。最有力視されているVanEckのビットコインETFは、これまでSECに審査を3回見送られており、2月27日に最終的な判断が下される予定だ。仮想通貨の大手マイニンググループBitmainのマイニング事業縮小や仮想通貨を利用したソーシャルネットワークサービスを展開するSteemitの従業員の70%カットなど、仮想通貨市場の低迷からコストカットを余儀なくされる企業が出始めており、仮想通貨市場に暗雲が立ち込めている。ビットコインETFは、仮想通貨市場回復の起爆剤となりうるのか。HEDGE GUIDE編集部は、今後の行く末を追っていく。
【参照URL】UNITED STATES SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION
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藤田 正義
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