大手仮想通貨取引所OKExは8月16日、ファンドの運用成績を測る指標のひとつである「シャープレシオ」を利用し、同取引所で取り扱う仮想通貨の「運用成績」を公表した。
シャープ・レシオはリスクを取って運用した結果、リスクがゼロの安全資産から得られる収益をどの程度上回ったのか、比較できるようにした指標だ。異なる投資対象の運用成績を比較する際、単にリターンを比較するだけでなく、リスクを考慮してリターンの高さを判断できる手法として広く知られている。シャープ・レシオは数字が大きいほど、リスクの割にリターンが大きく、効率良くリターンを上げる運用成績の優れた投資対象であることを示す特徴がある。
OKExではシャープ・レシオの目安として、1.0以上は「許容範囲」、2.0以上は「とても良い」、3.0以上は「素晴らしい」、1.0未満は長期的に見れば最適を意味する「準最適」と紹介している。そうした中、ビットコインは過去4年の間シャープ・レシオが常に2.0を超えており、2019年には3.0を超えているという。経済学者アレ・シビンスキー氏は、仮想通貨は債券や株式に比べてシャープ・レシオが高く、ボラティリティの大きい資産としてだけでなく投資収益率も高い投資対象であるとの見解を示している。
仮想通貨投資というと、ブロックチェーン技術に対する期待や投機対象として資産が投じられる傾向にあるとされてきた。しかし、公表された内容によれば、株式や国債などと投資の収益率を比較しても適した投資対象であることがデータとして提示されている。低迷を続ける仮想通貨が中長期の投資対象のひとつとしてポートフォリオに組み込まれる日も近いかもしれない。
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藤田 正義
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