マルタを拠点に中国人をメインターゲットとする仮想通貨取引所OKExの運営責任者アンディー・チャン氏(チャン氏)は、中国の人民元から仮想通貨を購入する動きがあると発言した。8月18日、米経済紙ロイターが報じている。
人民元が急落した8月5日にはビットコインが7%上昇、仮想通貨市場全体の時価総額は9%の増加を記録した。この背景には中国の投資家が人民元を売り、仮想通貨を買っているとの憶測が広がっていた。同紙が報じるところによれば、中国人投資家は米中の貿易摩擦の影響から中国経済を不安視しており、インターネット関連企業の多くは人員削減を進めていると指摘する。
中国では海外への人民元持ち出しについて罰則付きの規制を敷かれており、国内で資産をヘッジする手段がない。そのため、仮想通貨が国外へ資産を移動する手段として目を向けられている。仮想通貨取引は取引口座と個人情報が紐づいていない場合も多く、取引すべての流れを把握することはできない。こうした仮想通貨の特性もあってか、中国は国内における仮想通貨取引を禁止しており、取引情報を管理してはいない。
こうした厳しい国内規制がある一方、若年層を中心に仮想通貨取引が頻繁に行われているという。ロイターによると、取引のほとんどは店頭市場や中国で普及しているチャットアプリ「ウィーチャット」などで行われているようだ。中国では仮想通貨取引所を利用した仮想通貨取引は禁止されているものの、個人間での取引までは規制の対象となっていないためだ。
香港の仮想通貨ファンド、ケネティックの資産運用担当のジェアン・チュー氏は、地元の店頭市場では米中貿易摩擦の影響が広がった3か月間に中国の取引量が2倍以上に増えているとした。
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藤田 正義
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