SBI証券の手数料は安い?他の証券会社5社と売買手数料を比較

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これからネット証券で株式投資を始めたいと考える方の中には、SBI証券で口座開設を検討している方も多いのではないでしょうか。

今回は、SBI証券の手数料は安いといえるのか、主要な証券会社・ネット証券会社5社と比較・解説します(2022年3月時点、各証券会社サイトより筆者独自調査)。

目次

  1. SBI証券の手数料プランは?
    1-1.スタンダードプラン
    1-2.アクティブプラン
  2. SBI証券と他証券会社の売買手数料を比較
    2-1.SBI証券とSMBC日興証券の手数料を比較
    2-2.SBI証券と松井証券の手数料を比較
    2-3.SBI証券とauカブコム証券の手数料を比較
    2-4.SBI証券と楽天証券の手数料を比較
    2-5.SBI証券とマネックス証券の手数料を比較
  3. まとめ

1.SBI証券の手数料プランは?

SBI証券の株式投資には、売買手数料がかります。また、2種類の手数料プランがあり、それぞれ手数料のかかる仕組みや特徴が異なります。

SBI証券で用意しているプランは特別な仕組みということではなく、今回紹介する他ネット証券を含め比較的一般的な内容です。

それでは、まずSBI証券の手数料プランを確認しておきましょう。

1-1.スタンダードプラン

SBI証券の株式投資に適用されるスタンダードプランは、1回の注文に手数料がかかります。1回の注文とは、1回の買い注文もしくは1回の売り注文のことです。

たとえばAという株式を1万円の指値で買い注文を入れ約定(注文後、取引が成立すること)した場合、注文金額に対して手数料がかかります。また、購入後、Aという株式に売り注文を入れ約定した場合も、同様に手数料が発生します。

SBI証券のスタンダードプランは、以下の通り注文・約定金額に応じて手数料も変化します。

【注文金額と手数料(1回あたり)】

  • 5万円まで:55円
  • 10万円まで:99円
  • 20万円まで:115円
  • 50万円まで:275円
  • 100万円まで:535円
  • 150万円まで:640円
  • 3,000万円まで:1,013円
  • 3,000万円以上:1,070円

また、1ヶ月の合計手数料(税込)に対して、Tポイントにて1.1%の還元を行ってくれます。

1-2.アクティブプラン

SBI証券のアクティブプランは、1日の約定代金に対して手数料がかかるプランです。

1日の約定代金に対する手数料とは、たとえば1日の取引時間中に10回注文および約定を繰り返した場合、10回分の約定代金合計額にかかるコストに対する手数料のことです。アクティブプランの手数料は約定代金に応じて変わります。

【1日の約定金額と手数料】

  • 1日の約定代金が100万円まで:0円
  • 1日の約定代金が200万円まで:1,278円
  • 1日の約定代金が200万円を超え、以降100万円増加ごと:440円加算

短期取引などで取引回数が多い場合など、状況によってはコストを抑えることもできるプランです。

各手数料プランを踏まえた上で、次から他の証券会社・ネット証券会社の手数料と比較していきます。

2.SBI証券と他証券会社の売買手数料を比較

ここではSBI証券と主要なネット証券5社の売買手数料を比較します。SBI証券と同様のプランを採用していたり、1プランのみ用意していたりとさまざまです。

2-1.SBI証券とSMBC日興証券の手数料を比較

SBI証券とSMBC日興証券は、約定代金に対する手数料とプランの内容ともに違いがあります。

SMBC日興証券の場合は、1回の注文金額に手数料がかかる「ダイレクトコース」と、担当者からサポートを受けつつ注文を行った際に手数料がかかる「総合コース」に分かれています。

ダイレクトコースは、SBI証券のスタンダードプランと同じ仕組みですが、以下の通り手数料の違いに注目です。

【SMBC日興証券:ダイレクトコース(手数料の項目は一部省略)】

  • 10万円まで:137円
  • 20万円まで:198円
  • 50万円まで:440円
  • 100万円まで:880円
  • 200万円まで:1,650円
  • 3,000万円まで:1万6,500円
  • 3,000万円以上:2万7,500円

上記1回の注文金額に手数料がかかるコースで比較した場合、少額投資・大口投資どちらのケースでもSBI証券の方が安い結果となりました。

総合コースはSMBC日興証券の担当者からサポートを受けつつ売買注文を行うことができるコースで、SBI証券にはありません。店頭証券会社の特徴的なサービス体系といえます。

【SMBC日興証券:総合コース(手数料の項目は一部省略)】

  • 100万円まで:最低1,925円
  • 500万円まで:6,160円
  • 5,000万円まで:6万7,760円

SBI証券の2プランと比較すると高額ですが、ただし、総合コースは取引に関するサポートサービスがあるため、単純にコストのみで比較できない部分もあります。「証券会社からサポートを受けたい」・「相談しやすい環境で取引したい」といった方は、SMBC日興証券の総合コースを検討してみる価値はあるでしょう。

また、ダイレクトコースでは月間の国内現物株式の委託手数料200円(税込)につき、NTTドコモのdポイントが1~5pt貰えるサービスもあります。このようなポイント還元システムを導入している証券会社は限られますが、このポイント還元率を手数料から差し引いた実質手数料率で検討したり、普段使うポイントが貰えるかどうかで検討したりする余地もあるといえます。

2-2.SBI証券と松井証券の手数料を比較

松井証券では株式投資の現物取引の手数料コースに関して、1日の約定代金に対してかかる「定額料金」を提供しています。

そのためSBI証券のスタンダードコースに該当するプランは、松井証券にはありません。つまり比較対象はアクティブプランになります。

【松井証券:定額料金】

  • 1日の約定代金が50万円まで:0円
  • 1日の約定代金が100万円まで:1,100円
  • 1日の約定代金が200万円まで:2,200円
  • 1日の約定代金が1億円まで100万円増えるごとに:1,100円追加
  • 1日の約定代金が1億円超え:11万円

松井証券の定額料金コースとSBI証券のアクティブプランとを比較した場合、どの約定代金でもSBI証券の方が安い傾向です。

50万円までの取引では、SBI証券0円・松井証券0円と同じ設定ですが、100万円までの場合はSBI証券838円・松井証券1,100円と262円もの差となっています。

1日の約定代金に対してかかる手数料で比較している方は、SBI証券を検討してみるのもいいでしょう。ただ、松井証券には、立会外クロス取引と呼ばれる有利な価格で注文してくれる(相場の状況によって変わる)サービスもあるため、条件付き注文という点でメリットもあります。立会外クロス取引に関心がある方は、松井証券を検討してみてはいかがでしょうか。

2-3.SBI証券とauカブコム証券の手数料を比較

auカブコム証券では、1回の注文金額に手数料がかかるコースを採用しています。手数料は100万円以下の取引であれば、SBI証券と同じ程度の手数料となっています。

総合的に比較した場合、SBI証券の方がより安い手数料で取引できるといえます。

【auカブコム証券:注文金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】

  • 10万円以下:99円
  • 20万円以下:115円
  • 50万円以下:275円
  • 100万円を超える:約定金額×0.099%(税込)+99円【上限:4,059円】

手数料面で特筆すべきポイントは少ないものの、auカブコム証券独自の自動売買機能(特許取得済みの注文方法あり)など強みもあります。

本業があり忙しい方や、最近株式投資を始めたものの投資判断で悩んでいる方は、auカブコム証券も検討してみるメリットはあるでしょう。

2-4.SBI証券と楽天証券の手数料を比較

楽天証券はSBI証券と同じく、1回の注文金額に対する「超割コース」と、1日の約定金額に手数料がかかる「いちにち定額コース」の2プランを提供しています。

「超割コース」については、SBI証券のスタンダードプランと同額・同じ設定です。すなわち、比較対象はSBI証券のアクティブプランと、楽天証券のいちにち定額コースに絞られます。

以下に1日の約定代金にかかる手数料「いちにち定額コース」を紹介します。

【いちにち定額コース:1日の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】

  • 1日の約定代金が100万円まで:0円
  • 1日の約定代金が200万円まで:2,200円
  • 1日の約定代金が300万円まで:3,300円
  • 1日の約定代金が300万円を超え、100万円ごとに:1,100円加算

上記のコースで比較した場合、大口ではSBI証券の方が安い結果となりました。

また、100万円ごとに加算される手数料は、SBI証券440円・楽天証券1,100円と660円もの差が生じています。

1日の約定代金にかかる手数料プランを選択する場合は、SBI証券を検討してみるのもいいでしょう。ただし、楽天証券では取引手数料の1%を楽天ポイントで還元してもらえるほか、その他様々なポイントバックサービスが用意されているため、普段よく使うポイントかどうかという観点から検討してみる選択肢もあります。

2-5.SBI証券とマネックス証券の手数料を比較

マネックス証券も、楽天証券やSBI証券と同じく、1回の注文金額・1日の約定代金に手数料がかかる2コースを提供しています。1回ごとの手数料は同水準、1日ごとの手数料プランはSBI証券の方が安い手数料となっています。

ただ、マネックス証券にも独自のロボアドバイザー(おすすめの銘柄を自動選定)や分析ツールなど、手数料以外にも強みがあります。また、日計り取引(同日に同じ銘柄を購入・売却すること)に対して片道分の手数料が独自ポイントで還元されたり、月間手数料が30万円以上の場合に半額分がポイント還元されたりというプログラムも用意されています。

【取引毎手数料コース:注文金額と手数料(現物取引、手数料の項目は一部省略)】

  • 1注文の約定金額:手数料
  • ~5万円以下:55円
  • ~10万円以下:99円
  • 10万円~20万円以下:115円
  • 20万円~50万円以下:275円
  • 50万円~100万円以下:535円
  • 100万円~150万円以下:640円
  • 150万円~3000万円以下:1,013円
  • 3000万円超:1,070円

【一日定額手数料コース:1日の約定金額と手数料(手数料の項目は一部省略)】

  • 1日の約定代金が100万円以下の場合:550円
  • 1日の約定代金が100万円超、300万円ごとに:2,750円
  • 月間利用ボックス数※ 21回目からは2,475円
  • 121回目からは1,815円

※1日の売買代金のうち、約定金額300万円ごとの売買を「ボックス」という単位で呼びます。約定金額100万円以下の場合は、ボックスにカウントされません。

まとめ

SBI証券の手数料は、他ネット証券と比較しておおむね安いことが分かりました。スタンダードプラン・アクティブプラン、どちらも低コストといえますし、取引金額に応じた手数料加算も抑えられています。

そのため、株式投資において売買手数料を重視した比較を行っている方は、SBI証券を選ぶメリットはあるといえます。

ただし、株式投資を始める上では手数料以外も比較したうえで検討を行うことが必要です。各ネット証券には、取引ツールや使いやすさ、注文の種類や分析ツールの有無などに違いがあり、それぞれメリット・デメリットもあります。

手数料の比較はもちろん、使いやすさや取引ツールもぜひ比較検討してみて下さい。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。