不動産クラウドファンディングを選ぶ時のポイントの1つに、ファンドの運用期間があります。
ファンドによって、それぞれ3ヶ月や6ヶ月、12ヶ月など運用期間が定められており、投資した資金はその期間中運用され、定期的に分配金の支払いが行われます。投資の際に運用期間が短期のものと長期のもののどちらの方が良いのかと悩んでいる人もいるでしょう。
そこで本記事では、不動産クラウドファンディングのファンドの運用期間を選ぶ時のポイントを解説していきます。
目次
- 不動産クラウドファンディングの運用期間はどのように決まるのか
1-1.長期運用の不動産クラウドファンディングの場合
1-2.短期運用の不動産クラウドファンディングの場合 - 長期運用不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット
2-1.長期運用不動産クラウドファンディングのメリット
2-2.長期運用不動産クラウドファンディングのデメリット - 短期運用不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット
3-1.短期運用不動産クラウドファンディングのメリット
3-2.短期運用不動産クラウドファンディングのデメリット - まとめ
1.不動産クラウドファンディングの運用期間はどのように決まるのか
不動産クラウドファンディングの運用期間はどのように決まることが多いのか見ていきましょう。
1-1.長期運用の不動産クラウドファンディングの場合
長期運用型の不動産クラウドファンディングの場合、賃貸物件を購入しその家賃を投資家に分配するファンドが多くなっています。利益はインカムゲイン中心です。
1年や2年など長期にわたるファンドではマンションなどを購入し、一定期間賃貸物件として運用します。そしてファンドの運用期間終了後は他社に不動産を売却して投資家に対して出資金を返還します。利回りは3%から5%程度のものが多くなっています。
1-2.短期運用の不動産クラウドファンディングの場合
短期運用型の不動産クラウドファンディングは、購入後即座に他社に売却を行ったり、リフォームやリノベーションなどを行い物件の価値を上げた後に売却する内容のファンドが中心です。一定期間家賃収入を得て投資家に分配するのではなく、売却益を投資家に対して分配してするキャピタルゲイン目的のものです。
運用期間が1か月など非常に短いものもあり、売却が完了次第ファンドの運用を終了して投資家に対して売却益の一部と出資元本の返済を行います。利回りの傾向はインカムゲイン型よりもやや高めになっており、中には「COZUCHI(コヅチ)」のように年利換算で20%を超える高利回りのファンドもあります。
2.長期運用不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット
2-1.長期運用不動産クラウドファンディングのメリット
長期運用型のファンドのメリットとして資金を効率よく運用できる点があります。
例えば2年間運用するファンドの場合、ファンド募集完了後から、実際の運用開始までの期間が2週間、ファンド運用終了後から投資家への返済までの期間が2週間である場合、2年の運用期間に対する資金が運用されない期間は1ヶ月のみです。
一方で短期ファンドの場合、運用終了のタイミングで都合よく次の案件が見つかるとは限りません。また、不動産クラウドファンディングは人気のファンドほど応募が集中してしまい、抽選に外れてしまったり、先着式の場合には気付いた時には募集終了になっていることがあります。
長期運用型のファンドへ投資した後は、常に運用されている状態になるために手元の資金を効率的に運用しやすくなります。キャッシュと運用資金のバランスを取りやすく、手間がかからないという点は大きなメリットです。
2-2.長期運用不動産クラウドファンディングのデメリット
長期運用ファンドにはデメリットの側面もあります。長期運用ファンドの場合、運用期間中に市況が変化して損失が発生するリスクが高くなることがあります。
例えば、2020年に始まったコロナショックの事例があります。インバウンド政策の効果もあり、2019年頃まで日本の観光業界は活況を呈していましたが、コロナショック後は観光客が激減し、ホテルなどの商業用不動産の売り上げが大幅に低下したことがありました。
このような市況の変化のリスクは、長期運用のファンドになるほど高まります。また、不動産クラウドファンディングは一部のサービスを除いて運用期間中に現金化が出来ないという流動性の低さもデメリットと言え、長期ファンドを選ぶ際は余裕資金で行うよう注意が必要です。
3.短期運用不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット
短期運用不動産クラウドファンディングのメリット・デメリットを見ていきましょう。
3-1.短期運用不動産クラウドファンディングのメリット
短期運用ファンドのメリットは、市況変化リスクを避けやすい点です。3ヶ月や6ヶ月など短期運用ファンドを中心に投資していれば、その期間中に市況変化が起こる可能性は低くなります。
投資するファンドをこまめに変えていくことで市況の変化にも対応させやすくなり、市況が悪ければ一旦投資をやめて、リスクが去ってからまた投資を始めるといった選択も可能になります。
短期運用ファンドのもう一つのメリットは、様々なファンドに分散投資しやすい点です。長期運用ファンドの場合、一度投資してしまうと期間中ずっとそのファンドを持ち続けるしかありません。
一方、短期運用ファンドは例えば100万円を一つのファンドに投資して半年後に2つの種類のファンドに投資する、さらにその半年後にまた別の種類の不動産を扱うファンドに投資するといった投資対象の分散が可能です。こまめに投資対象を変えたり投資先を分散していくことで、損失のリスクを軽減できます。
また、短期運用型はキャピタルゲイン重視型のファンドが多いことから、高利回りを狙いやすいという特徴もあります。積極的に募集ファンドを見つけ、様々な投資案件に投資していきたい方には短期運用型が適していると言えるでしょう。
3-2.短期運用不動産クラウドファンディングのデメリット
短期運用ファンドのデメリットとしては資金効率が悪くなる点が挙げられます。例えば6ヶ月のファンドを中心に投資しているとき、投資家から運用までの期間が2週間、そして運用終了から資金返済までのタイムロスが2週間あったとします。その場合12ヶ月資金を運用するためには12+2=14ヶ月の時間が必要です。
資金を24ヶ月運用するためには28ヶ月もの時間が必要になります。仮に24ヶ月運用の長期ファンドに投資していればロス期間は1ヶ月なので、4倍ロス期間が多くなってしまうのです。
その他、短期ファンドはキャピタルゲイン重視型が多いために、売却の成否が不動産の収益に大きな影響を与えることになります。高いリターンを見込める反面、リスクも相応に高いファンドも多いため、注意が必要です。
まとめ
長期運用不動産ファンドは効率の良い投資が可能であり、手間がかからないメリットがあります。ただし市況変化リスクなどに対応しにくくなるので、資産保全性が高くリスクが低いものやファンド運用中にキャンセル可能なものを選ぶと良いでしょう。
短期運用ファンドは状況に応じた運用が可能なので、投資にある程度時間をかけることができて情報収集が得意な方に向いています。
自分の投資にかけられる時間や、目標のリターンに合わせ、両方のファンドを組み合わせることも検討する意味があります。まずは色々なサービスの口座を開設して情報を集めてみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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