日経平均CFD取引のメリット・デメリットは?便利な証券会社も

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日経平均株価は経済状況や政治情勢によって大きな値動きを見せることがあります。このような日経平均株価の値動きを利益拡大のチャンスに変えられる金融商品がCFD取引であり、下げ相場でも利益を狙えるほか、保有銘柄が値下がりした時のリスクヘッジにも活用できるのが特徴です。

この記事では、日経平均CFD取引を検討している方のために、日経平均CFD取引のメリット・デメリット、日経平均CFD取引のできる証券会社について詳しくご紹介するので、参考にしてみてください。

目次

  1. 日経平均CFD取引とは
  2. 日経平均CFD取引のメリット
    2-1.少額から始められる
    2-2.24時間取引可能
    2-3.下げ相場でも利益を狙える
    2-4.決済期日がない
    2-5.倒産リスクがない
  3. 日経平均CFD取引のデメリット
    3-1.元本以上の損失が出る可能性
    3-2.確定申告が原則必要
  4. 日経平均CFD取引ができる証券会社
    4-1.GMOクリック証券
    4-2.IG証券
    4-3.楽天証券
  5. 日経平均CFD取引を始める手順
    5-1.CFD口座の開設
    5-2.CFD取引の開始
  6. まとめ

1 日経平均CFD取引とは

日経平均CFD取引とは、日経平均株価を指標とする差金決済取引です。日経平均株価は、東京証券取引所に上場している銘柄のうち、日本経済新聞社が選定した225銘柄から構成される株価指数であり、225銘柄は東証1部に上場している企業群の中から業種ごとにバランス良く選ばれているので、日経平均株価は株式市場全体の市況を判断することに役立ちます。

日経平均CFD取引は、国内の株式市場全体が値上がりするのか、あるいは値下がりするのかを予想する取引であり、Contract For Differrence(差金決済取引)を意味します。

差金決済とは、実際の株式等の受け渡しを行わず、差額となる金額で決済が完了する取引方法です。あらかじめ証券会社に証拠金を担保として差し入れ、利益が出れば証拠金に加算され、損失が出れば証拠金から差し引かれる仕組みとなっています。

2 日経平均CFD取引のメリット

日経平均CFD取引は複雑な投資方法にも見えますが、初めての方でも挑戦しやすい取引です。日経平均CFD取引のメリットを詳しく確認してみましょう。

2-1 少額から始められる

日経平均CFDは、証拠金として差し入れた金額以上の取引が可能です。例えば、証券会社に10万円の証拠金を差し入れた場合、10倍のレバレッジを掛けることで、日経平均CFD取引における建玉を最大100万円まで保有することが可能です。高レバレッジをかけるほど、必要資金は少額になるので、取引効率を高めることができます。

2-2 24時間取引可能

日経平均CFDの取引時間は、取り扱う証券会社によって若干異なるものの、概ね平日の8時30分〜翌6時00分(夏時間:8時30分〜翌5時00分)までの約24時間です。日本の現物株市場の取引時間が9時00分〜15時00分なので、取引機会が多いのもメリットです。

取引時間内であれば、いつでも日経平均CFDを取引することができるため、日中忙しい場合でも帰宅してから取引を行うチャンスがあります。

2-3 下げ相場でも利益を狙える

日経平均CFD取引では、「買い」だけでなく「売り」から建玉を保有することができるため、相場の上昇や下落にかかわらず、利益を狙えます。例えば、日経平均株価が下がると予想した時に、売りポジションを保有しておき、実際に下がった時点で決済すれば、売却した金額と買い戻した金額の差額分が利益となります。

また、下げ相場時に株式や投資信託といった他の保有銘柄が含み損を抱えている場合、あらかじめ仕込んでおいた日経平均CFD銘柄の売りポジションを解消することで、ポートフォリオ全体の損失の程度を和らげたり、逆に利益を拡大したりすることも可能です。

2-4 決済期日がない

日経平均CFDには、決済期日がありません。決済期日とは、保有中の建玉を反対売買により決済しなければならない日付のことを指します。通常、信用取引では新規約定日から6ヶ月以内、先物取引では各限月によって保有建玉が返済される期日が決まっています。投資家の意思とは関係なく決済されるため、建玉の保有を続けることが難しくなります。

一方、日経平均CFDには、保有建玉を決済期日に応じて手放す必要がないため、限月を気にすることなく、長期的な戦略で取引を行えるのもメリットです。

2-5 倒産リスクがない

日経平均CFDは日経平均株価を原資産として取引を行う商品なので、倒産リスクがほぼありません。日経平均株価は日本を代表する225銘柄から構成されている株価指数となっており、仮に1つの銘柄が倒産あるいは上場廃止に追い込まれたとしても、日経平均CFDの株価がゼロになる可能性は低いと言えるでしょう。

3 日経平均CFD取引のデメリット

日経平均CFDには大きく分けて2つのデメリットがあります。以下、詳しく確認してみましょう。

3-1 元本以上の損失が出る可能性

日経平均CFDの取引では、証拠金以上のレバレッジをかけた取引を行えるため、元本以上の損失が出る可能性もあります。日経平均が予想と反対の動きをした時は、レバレッジぶんの損失を被るリスクがあります。

通常、日経平均CFD取引にはロスカットのルールが定められおり、証拠金維持率100%を下回ると追加証拠金が求められます(※証券会社によって異なります)。追加証拠金は、追証とも呼ばれ、CFD取引口座に追加の現金を入金するルールであり、指定された期日までに証拠金を補填できない場合、強制的に建玉が決済され、損失が確定します。

レバレッジは大きくかけるほど必要証拠金は小さくなり、損失時の金額は大きくなります。そのため、高レバレッジの状態で相場が予想と逆の動きをすると、証拠金維持率100%を下回りやすいため、ロスカット対象となる可能性も高くなります。

相場が急変動する局面では、より不利な価格で強制的に決済されることもあるため、高レバレッジをかけるCFD取引には注意も必要です。

3-2 確定申告が原則必要

日経平均CFD取引は、確定申告が不要な特定口座制度の対象ではありません。そのため、取引によって発生した利益は雑所得として一律20.315%の申告分離課税の対象となります。例えば、他に給与所得のみがある場合は日経平均CFD取引の利益が年間20万円以上、給与所得もない場合は日経平均CFD取引の利益が年間38万円以上で確定申告が必要です。

このように、株式投資における特定口座(源泉徴収あり)と取り扱いが異なるため、注意が必要です。

4 日経平均CFD取引ができる証券会社

日経平均CFD取引ができる証券会社は数多くあります。中でもコスト負担を抑えた取引が可能な証券会社は以下の通りです。

4-1 GMOクリック証券

銘柄名 日経225
取引単位 CFD価格×10倍
取引時間 8:30~翌7:00(夏時間8:30~翌6:00)
取引手数料 無料
レバレッジ 10倍
スプレッド 2円~9円

GMOクリック証券はGMOインターネットグループの子会社として設立されたインターネット証券です。日経平均CFDの取引手数料は無料で、「買値」と「売値」のスプレッドは2円〜9円までの変動制となっています。取引時間は8時30分〜翌7時00分(夏時間8時30分〜翌6時00分)です。

また、GMOクリック証券ではデモ口座でCFD取引を体験してから実際の取引に移行することも可能です。CFD取引に関するコンテンツも充実しているので、初めての方でも日経平均CFDを始めやすい環境となっています。

4-2 IG証券

銘柄名 日経平均CFD
取引単位 500円
取引時間 8:00~翌7:00(夏時間7:00~翌6:00)
取引手数料 無料
レバレッジ 10倍
スプレッド 7円・15円・30円

IG証券は、1974年に設立されたイギリスに拠点を置くオンライン証券です。ロンドン証券取引所にも上場しており、FXやCFDのリーディングカンパニーと言えます。

日経平均CFDの取引手数料は無料であり、「買値」と「売値」のスプレッドは、取引時間に合わせて、7円、15円、30円のいずれかの価格差になります。取引時間は8時00分〜翌7時00分(夏時間7時00分~翌6:00)までです。

IG証券では、ノックアウトオプションと呼ばれる損失ラインをあらかじめ決めておく設定ができます。そのため、初心者の方でもリスク管理を徹底した取引が可能です。

4-3 楽天証券

銘柄名 日経225
取引単位 株価指数×10
取引時間 8:30~翌6:55(夏時間7:30~翌5:55)
取引手数料 無料
レバレッジ 10倍
スプレッド 5円~10円

楽天証券は国内大手のインターネット証券です。CFD取引の取り扱いは2021年1月下旬から始まっています。日経平均CFDの取引手数料は無料で、「買値」と「売値」のスプレッドは、最小5円〜10円までの変動制となっています。取引時間は8時30分~翌6時55分(夏時間7時30分~翌5時55分)までです。

また、楽天証券では、「MetaTrader4(MT4)」と呼ばれる取引ツールを日経平均CFD取引に使用しています。「MetaTrader4」は、テクニカル指標や複数のチャートを同時に表示できる高機能取引ツールなので、上級者の方に使いやすくなっています。

5 日経平均CFD取引を始める手順

日経平均CFD取引は、株式取引や先物取引とは仕組みが異なるので、特徴やリスクについてしっかりと把握することが大切です。CFDを取り扱う証券各社では、取引の特徴や注意点について解説する専用ページを用意している場合もあるので、CFD取引の仕組みについて理解を深めておきましょう。

また、証券会社によってはデモ口座が開設できるため、初めての場合、CFD取引を体験することでメリット・デメリットのイメージが付きやすくなります。

5-1 CFD口座の開設

証券取引口座を持っていない場合、はじめに証券口座を新規に開設する必要があります。申込フォームから必要事項を入力し、本人確認書類を提出します。

証券取引口座の開設が終わったら、次にCFD口座を開設にします。すでに証券取引口座をお持ちの方についても同様です。マイページの口座開設状況からCFD取引口座の開設手続きを進め、CFD口座の開設が済めば、口座に入金できるようになります。

5-2 CFD取引の開始

口座開設が完了すれば日経平均CFD取引を始めることができます。口座に入金する際は、レバレッジや注文方法を決めておくことが大切です。その上で、値上がりを期待する場合は「買い」、値下がりを期待する場合は「売り」の注文を出し、決済期日が到来するまでに反対売買を行います。

まとめ

日経平均CFD取引は、レバレッジを効かせて少額から大きなリターンを狙ったり、下げ相場でも利益を狙えたりするので、他の保有銘柄が値下がりした時のリスクヘッジにも活用できます。また、ほぼ24時間取引可能なので、取引機会が多いことも大きな特徴です。

一方、デメリットには、元本以上の損失が出る可能性があることや、確定申告を必要とすることが挙げられます。日経平均CFD取引の活用を検討する際は、メリット・デメリットについてしっかりと把握しておくことが大切です。

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