先物取引は、レバレッジをかけることで資金効率を高めることができる取引方法です。特にマネックス証券の先物取引は、投資対象が株価指数でわかりやすいほか、注文方法が豊富で高機能な取引ツールも提供されているので、初心者から上級者まで使いやすくなっています。
そこでこの本記事では、マネックス証券の先物取引について、その特徴や評判、始め方について詳しく解説します。先物取引に関心のある方、マネックス証券の口座開設を検討している方は、ご参考ください。
目次
- マネックス証券の先物取引とは
1-1.証拠金取引なのでレバレッジをかけられる
1-2.「売り」から取引できる
1-3.オプション取引と違って権利の売買ではない
1-4.信用取引と違って株や資金を借りない - マネックス証券の先物取引のメリット
2-1.投資対象が株価指数でわかりやすい
2-2.手数料体系がシンプル
2-3.豊富な注文方法と高機能な取引ツール
2-4.ほぼ24時間取引可能
2-5.オンラインセミナーやレポートが無料 - マネックス証券の先物取引のデメリット
3-1.元本保証はされていない
3-2.追証が発生する
3-3.限月がある - マネックス証券の先物取引の評判
- マネックス証券の先物取引を始める手順
- まとめ
1 マネックス証券の先物取引とは
先物取引では、対象となる商品の売買について、事前にその価格や数量、期日などを約束します。事前に取り決めておくことによって、市場の状況が変わった場合でも、値動きの幅を自分の想定内に抑えることができるため、もともとは農産物や金属などの価格変動リスクを抑えるために行われてきました。
証券会社で行われている先物取引では、基本的には期日(現物の発送ややりとりが発生するタイミング)までに反対売買を済ませて利益または損失を確定できるようになっています。
また、先物取引では、値動きが大きい資産が投資対象となるため、農産物やエネルギー関連、金属といったものだけではなく、株式や債券などの金融商品も投資対象となっています。
1-1 証拠金取引なのでレバレッジをかけられる
先物取引は、期日の前に反対売買によって収益または損失を確定させることができる差金決済取引ですが、取引で必要な金額の現金を全額用意する必要はありません。必要となる差額の授受をできる資金があれば取引可能なので、証券会社では取引を保証するために取引金額の一部を証拠金として預かっています。
証拠金取引では、レバレッジをかけることによって証拠金より大きな金額の商品を購入することができます。少額資金で何倍もの金額の取引ができるため、資金効率が上がる一方、損失発生時には損失も大きくなるのが特徴です。
1-2 「売り」から取引できる
マネックス証券の先物取引では、反対売買が期日までに行われるため、必ずしも「買い」から入る必要はありません。相場が下落するとき予想したときは「売り」からスタートすることで、予想通りに下がった時点で買い戻せば売買益を得ることができます。
1-3 オプション取引と違って権利の売買ではない
先物取引と並んでデリバティブ商品と言われる「オプション取引」は、「一定期日における売買の権利」を購入する取引です。この権利の購入費用をプレミアムと呼び、思ったような値動きにならず、損失が生じる場合にはこの権利を放棄することができます。
オプション取引では、損失時にはプレミアムが戻ってこない代わりに損失を抑えることができますが、利益が出ている場合はプレミアム分だけ収益は目減りします。
一方、マネックス証券で取り扱う日経平均225やJPX日経インデックス400先物などの株価指数取引証券では、期日までに反対売買が行われない場合、SQ(エスキュー)値と呼ばれる値で強制決済が行われます。
1-4 信用取引と違って株や資金を借りない
先物取引と同様に証拠金取引でレバレッジをかけることができる「信用取引」があります。信用取引では、証券会社から株や資金を借りて取引を行うため、先物取引と同様に売りから開始できるなど共通点も多くありますが、取引手数料と別に貸株料などの費用が別途発生するのが特徴です。
2 マネックス証券の先物取引のメリット
マネックス証券は、ネット証券の中でも情報のわかりやすさや手数料の安さが特徴の証券会社です。マネックス証券では、株や債券、FXなどだけではなく、先物取引も扱っています。マネックス証券の先物取引のメリットを、他社と比べながら見てみましょう。
2-1 投資対象が株価指数でわかりやすい
ネット証券の中には、農産物やエネルギー、金属など、先物取引で多くの商品を扱っている会社もあります。同じ先物取引でも商品によってノウハウが大きく違ってくるため、初心者にはハードルも高くなります。
一方、マネックス証券で取り扱う先物銘柄は、下記の通り、国内の株価指数のみとなっています。
- 日経225ミニ(大阪取引所上場)
- 日経225先物(大阪取引所上場)
- JPX日経インデックス400先物(大阪取引所上場)
日本の代表的な企業の株価から算出される指数先物なので、多くの人にとってなじみがあります。新聞やニュースで情報も随時入ってくる上、個別の企業について調べる必要もないため、初心者にとってもわかりやすいのが特徴です。また、特定の企業の業績や不祥事などから大きな値動きが生じにくいことも株価指数のメリットです。
2-2 手数料体系がシンプル
マネックス証券の先物取引は売買のどちらから取引をスタートしても同じ手数料なので計算しやすいのが特徴です。また、他の主要ネット証券の手数料と比較しても以下の通り、最安水準です。
項目 | 日経225先物 | 日経225ミニ先物 |
---|---|---|
松井証券 | 220円 | 38.5円 |
楽天証券 | 275円 | 38.5円 |
SBI証券 | 275円 | 41.8円 |
マネックス証券 | 275円 | 38.5円 |
(2021年4月15日時点。全て税込表記です)
2-3 豊富な注文方法と高機能な取引ツール
マネックス証券の先物取引の注文方法は、ネット証券会社の中でも特に多いのも特徴です。通常注文(指値、成行、マーケット・トゥ・リミット(最良指値注文、MLO))、逆指値、ツイン指値、リバース注文といった豊富な注文方法が用意されています。
また、投資家向けのツールが充実しておりほとんどが無料で利用できます。スマホやタブレットでも利用可能で、使いやすい画面レイアウトや画面遷移は、情報の分析や注文を効率化してくれます。
2-4 ほぼ24時間取引可能
通常の株式取引では、株式市場が開いている時間(東京証券取引所の場合9:00〜15:00)までしか取引を行えませんが、先物取引はほぼ24時間取引可能なので、日中取引を行えない方でも取引機会を失わないのが特徴です。
マネックス証券の先物取引の取引時間は以下となっています。
日中 | オープニングオークション | 8:00~8:45(注文のみ) |
レギュラーセッション | 8:45~15:10 | |
クロージングオークション | 15:10~15:15(注文のみ) | |
夜間 | オープニングオークション | 16:15~16:30(注文のみ) |
レギュラーセッション | 16:30~翌5:25 | |
クロージングオークション | 翌5:25~5:30(注文のみ) |
2-5 オンラインセミナーやレポートが無料
マネックス証券では、オンラインセミナーやレポートが無料で提供されています。オンラインセミナーでは著名な投資家やアナリストが登壇し、さまざまなジャンルや相場の展望についての情報を提供してくれます。レポートはJ.P.モルガンのアナリストレポートなども無料で閲覧可能です(※優遇条件を満たす必要があるなどの条件があります)。
3 マネックス証券の先物取引のデメリット
マネックス証券の先物取引で、デメリットになる面についても確認しておきましょう。
3-1 損失が多額の場合もある
先物取引は少ない資金で大きな金額を動かせるのがメリットですが、対象とする株価指数の変動によっては損失が予想以上に膨らむこともあります。証拠金の一部または全てを失う可能性があるほか、証拠金以上の損失となれば、証券会社が指定する期限までにその不足分を補う必要もあります。
3-2 追証が発生する
先物取引は証拠金取引なので、証券会社が定める最低維持証拠金を下回った場合、追証(おいしょう)が発生します。期日内に追加の証拠金を入金できなかった場合、強制的に手持ち資産の決済が行われて損失が確定することもあるため注意が必要です。
3-3 限月がある
先物取引はほぼ24時間取引できるのがメリットですが、取引期限が設けられています。これは限月(げんげつ)と言われ、これをもとに取引対象を選ぶことになるため、株式で言えば銘柄に当たります。
例えば、日経225先物の限月は、3月・6月・9月・12月で、日経225ミニの限月は毎月です。これらの先物取引が満了する月の取引最終日(各限月の第2金曜日の前営業日)までに反対売買をしなかった場合、SQ値で自動的に決済されることになります。
4 マネックス証券の先物取引の評判
マネックス証券の先物取引は初心者にもわかりやすくなるよう工夫して設計されており、利用者からは次のような意見や感想が寄せられています。
- 「注文方法が豊富」
- 「投資対象がわかりやすい指数で、手数料も安い」
- 「指数銘柄が国内のみ」
- 「J.P.モルガンのアナリストレポートが無料なのが嬉しい」
- 「ポイント還元などがない」
※いずれも個人の感想です。サービスに関してご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください。
マネックス証券の先物取引は、商品のわかりやすさや、マネックス証券が提供する投資情報の質が高く評価されています。初心者にとってもなじみやすい商品やサービスが充実しているほか、他の投資商品のラインナップも豊富なため、先物以外もワンストップで利用できて使いやすいと評判です。
一方、上級者にとっては、取引できる商品が少ない、SBI証券や楽天証券といった最大手と比較すると商品ラインナップやポイント還元などで見劣りするといった意見もあります。
5 マネックス証券の先物取引を始める手順
マネックス証券の先物取引口座を作るためには、まず事前に証券総合口座の作成が必要です。証券総合口座は、マネックス証券のWebサイトから「口座開設」のページを開きます。
申し込みページで、各種の規約や個人情報保護方針を確認した上で同意し、メールアドレスを入力します。入力したメールアドレスに、本登録用のURLが送られてきます。送られてきたURLで個人情報や本人確認書類を提出することで、最短で即日の口座開設が可能です。
本人確認書類は、原則として顔写真付きのものが必要で、合わせてマイナンバーも提出する必要があります。顔写真付きの本人確認書類の提出が困難な場合は、顔写真なしの本人確認書類(2種類)の提出で代用可能です。
利用できる本人確認書類は次の通りです。
- 個人番号カード
- 運転免許証
- パスポート
- 在留カード
- 住民基本台帳カード
- 住民票の写し
- 各種健康保険証
- その他の本人確認書類
総合口座ができたら、マネックス証券の先物・オプション取引のページから先物・オプション取引口座の申し込みページに進みます。申し込み手続きでは、規定の確認、個人の登録情報の確認、各種の書類確認を行った上で申し込みを行います。
先物・オプション取引はリスクのある取引であるため、マネックス証券側で審査が行われてからの口座開設が行われます。
まとめ
レバレッジ効果を期待できる先物取引では、大きなリターンが狙える反面、損失時にはリスクも大きくなることを理解しておくことが大切です。その点、マネックス証券の先物取引は、国内指数を対象とした商品なので、わかりやすく馴染みがあることから初心者でも始めやすいのが特徴です。
また、マネックス証券は先物取引だけでなく、他の金融商品の取り扱いも多いため、様々な投資にチャレンジしたい人にも向いています。先物取引に関心のある方は、メリット・デメリットをよく把握してから口座開設を検討するようにしましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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