マイクロファイナンスとは?他のソーシャルレンディングとの違いを解説

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日本のソーシャルレンディング会社によって海外で運営される案件が、2019年および2020年頃から徐々に増えてきています。

海外のソーシャルレンディング案件は、国内の案件ほど事情を詳しく知ることができないリスクがあります。一方で、日本の貸金業法が適用されないため、高い利回りが期待できるメリットもあります。

そんな海外の案件の中で最近目立っているのが、マイクロファイナンス機関への融資案件です。

このマイクロファイナンス機関への融資案件とはどういったものなのか、その他、メリットやデメリットなどの特徴についてお伝えしていきます。

目次

  1. 1.マイクロファイナンス機関とは
    1-1.途上国における小口事業者への融資を専門とした金融機関
    1-2.国が認めた正当な金融機関
  2. 2.マイクロファイナンス案件の特徴
    2-1.担保や保証は設定されていない
    2-2.小口事業者へ分散して融資される
    2-3.社会的インパクト投資として、途上国の経済基盤の発展に寄与できる
    2-4.途上国向け融資のため、利回りが比較的高い
  3. 3.マイクロファイナンス案件に融資できるソーシャルレンディング会社
    3-1.投資先はカンボジア・ジョージアなど、社会的インパクト投資に特化した「ネクストシフトファンド」
    3-2.利回り4.0~13.0%、1万円からマイクロファイナンス投資ができる「クラウドクレジット」
  4. まとめ

1.マイクロファイナンス機関とは

初めに、マイクロファイナンス機関とはどういった金融機関であるかを説明します。

主な特徴は下記の2つです。

  • 途上国における小口事業者への融資を専門とした金融機関
  • 国が認めた正当な金融機関

それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.途上国における小口事業者への融資を専門とした金融機関

マイクロファイナンス機関とは、いわゆる途上国における個人事業主や小口事業者への融資を専門とした金融機関です。

個人事業主や小口事業者は資産がないため、事業用資金の融資を受けることが難しく、資金不足によって産業の発展が阻害されている側面があります。

そういった融資を受けにくい個人や事業者に対し、融資を行うのがマイクロファイナンス機関です。

これまで資金が調達できずに事業を拡大できなかった事業者へ資金を融資することで、途上国の経済発展の支援を目的としている点が大きな特徴です。

1-2.国が認めた正当な金融機関

マイクロファイナンス機関は民間的な機関ではなく、国際機関やNGOからの支援を得てを受けた金融機関で、運用スキームにおいてもその国の法律に基づいた運用が行われています。

民間の一般的な金融機関と比較しても倒産リスクが低く、不法行為が行われる可能性も非常に低いです。融資先としての信用性は非常に高いと言えます。

2.マイクロファイナンス案件の特徴

マイクロファイナンス案件の特徴としてどういった点が挙げられるのか、メリットとデメリットを確認していきましょう。

2-1.担保や保証は設定されていない

マイクロファイナンス案件は、融資の際に担保や保証が設定されていません。先に挙げたように、資産を持たない小口事業主中心の融資であるためです。

そのため、不動産を担保にした不動産型クラウドファンディングなどと比較すると、貸し倒れが起きたときには満足に資金を回収できる見込みは低くなってしまうデメリットがあります。

このような背景から、マイクロファイナンス機関ではリスクカバー対策として、期日までに全額完済を迫るのではなく、毎日の売り上げから徐々にお金を返済してもらう仕組みをとっています。

2-2.小口事業者へ分散融資される

ソーシャルレンディングのマイクロファイナンス案件の融資先は、最終的に分散されています。

例えば、1,000万円のマイクロファイナンス案件では、1事業者に対して1,000万円を融資するのではなく、最初に1,000万円をマイクロファイナンス機関に融資します。その後、調達した1,000万円を複数の小口事業者や個人事業主にそれぞれ分散して融資しています。

そのため、マイクロファイナンス機関の融資案件は、実際には多数の小規模事業者への分散投資となっています。ソーシャルレンディング案件の組成においてマイクロファイナンス機関は、ある程度の確率で貸し倒れが発生することを見込んで案件の条件を設定しています。

貸し倒れが起きた場合に備え、融資先を分散し、利益が出る確率を上げる施策をとっていると言えるでしょう。

2-3.社会的インパクト投資として、途上国の経済基盤の発展に寄与できる

マイクロファイナンス案件のメリットの1つに、途上国の経済基盤の発展に寄与できる点が挙げられます。

貧しい国に対して資金を融資することで、農業や小売業、小規模産業などの分野の成長が促進されます。このような投資案件のことを「社会的インパクト投資」と呼びます。

社会に貢献したい方にとっては投資で利益を得るだけではなく、他にも社会貢献という2つのメリットが得られる点もマイクロファイナンス投資の大きな特徴と言えるでしょう。

2-4.途上国向け融資のため、利回りが比較的高い

現在の日本におけるソーシャルレンディング案件の利回りは4%~5%程度のものが多く見られますが、マイクロファイナンス機関向けの融資案件では期待利回りが5%~7%以上の案件が多く比較的高い水準となっています。それは、融資を行う国の政策金利が5%や10%など高い金利水準のためです。

国内のソーシャルレンディングと比較して利回りは高くなりますが、利回りが高く担保や保証を設定しないマイクロファイナンス投資では貸倒れリスクが高くなります。

高い利回りだけで判断するのではなく、案件ごとの成長性や信頼性を慎重に検討することが大切です。

3.マイクロファイナンス案件に融資できるソーシャルレンディング会社

では、実際にマイクロファイナンス案件に融資できるソーシャルレンディング事業社を2つご紹介します。

3-1.投資先はカンボジア・ジョージアなど、社会的インパクト投資に特化した「ネクストシフトファンド」

ネクストシフトファンドのLPネクストシフトファンドは、カンボジア、ジョージア、モンゴル3カ国のマイクロファイナンス案件の融資を行っています。マイクロファイナンス機関の案件に特化したソーシャルレンディングサイトと言えるでしょう。

ネクストシフトファンドの期待利回りは5%~7%と、日本国内のソーシャルレンディング案件と比較しても高い利回りが期待できます。

また、2年間のソーシャルレンディングの運営において、ネクストシフトファンドは貸し倒れや元本の損失を発生させたことがありません(2020年3月時点)。

最低投資額は2万円からと、クラウドクレジットと比較して高くなりますが、マイクロファイナンス案件に投資してみたい方にとって検討しやすいソーシャルレンディングサイトと言えるでしょう。

3-2. 利回り4.0~13.0%、1万円からマイクロファイナンス投資ができる「クラウドクレジット」

クラウドクレジットクラウドクレジットは海外の案件を専門に取り扱うソーシャルレンディング会社です。同社では、様々な国のマイクロファイナンス案件を取り扱っています。

マイクロファイナンス案件の主な国としてはカンボジアやペルーが挙げられます。利回りは低いものでは2.5%ですが、高い期待利回りの案件には7%以上のものもあります。

クラウドクレジットでは5%に近い割合で貸し倒れや元本の損失が発生していますが、マイクロファイナンス案件ではこれまでに多額の元本損失が発生していません。

一案件ごとの投資額も1万円の少額から設定できるため、まずは少額資金による投資で様子をみたい方にも適しています。

まとめ

マイクロファイナンス案件は担保や保証が設定されておらず、不動産投資型クラウドファンディングなどと比較してリスクが高い案件に映ります。

しかし、実際は投資先を分散した分散投資となり、マイクロファイナンス期間の方でリスク対策がと取られていることが分かります。また、社会的インパクト投資として途上国の経済の発展に寄与できるメリットがあります。

投資しながら社会に貢献したい方は、マイクロファイナンス案件への投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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