米国株とはアメリカの証券取引所で取引されている株式のことです。2021年11月時点では、米国株の主要指数が史上最高値圏で推移していることから、海外投資の中でも米国株に関心を持つ方もいるのではないでしょうか。
一方、米国株取引には値幅制限(ストップ高・ストップ安)がなかったり、取引時間も深夜になったりするなど、日本の株取引と異なる点も多いため注意も必要です。
この記事では、米国株の買い方や注意点について詳しく解説します。米国株取引に関心のある方、米国株を購入可能な証券会社を知りたい方は参考にしてみてください。
※この記事は2021年11月11日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 米国株の特徴
- 米国株の買い方
2-1.証券総合口座を開設する
2-2.外国株式取引用の口座を開設する
2-3.米国株購入用の資金を用意する
2-4.購入したい銘柄を注文する - 米国株を買う際の注意点
3-1.為替の影響を受ける
3-2.ストップ高・ストップ安がない
3-3.取引時間は日本時間の深夜帯
3-4.1株から取引可能 - 米国株を買える証券会社
4-1.SBI証券
4-2.マネックス証券
4-3.楽天証券
4-4.DMM 株 - まとめ
1 米国株の特徴
米国株とは、アメリカの証券取引所に上場され、取引されている株式のことを指します。米国株取引では、GAFAM(Google、Apple、Facebook(現Meta Platforms)、Amazon、Microsoft)などの世界的大企業に直接投資できるのが特徴で、国内株と比較して大きな株価上昇を期待できる点も米国株の強みです。
例えば、IT大手のアップルやアルファベット(Google親会社)、ハンバーガーチェーンのマクドナルド、工業分野ではコンピュータなどのマイクロソフトや、航空機製造のボーイングなどは世界的にも有名な米国株の代表例です。
さらに、SNSサービスを手がけるメタ・プラットフォームズ(旧社名:フェイスブック)、クレジットカードの国際ブランドで馴染みのあるビザ、メディア・エンタメ事業で知られるウォルト・ディズニーなど、アメリカの証券取引所には名だたるグローバル企業が上場しています。
また、米国株は株主還元に力を入れている企業も多いことから、配当金による利回りを期待できる点も特徴となっています。
2 米国株の買い方
それでは米国株を購入する手順や方法について確認してみましょう。
2-1 証券総合口座を開設する
日本国内の証券会社で米国株投資を行う場合、最初に証券総合口座を開設する必要があります。証券総合口座とは各証券会社に資金を預けて投資を行うための口座のことで、日本株に投資する際にも必要です。
すでに証券総合口座をお持ちで、その証券会社が米国株を取扱っていれば、新たに証券総合口座を開設する必要はありません。
なお、オンラインで口座開設を完了させることも可能です。米国株を取り扱っている証券会社の中からお好みの証券会社を選び、最短即日から総合口座の開設手続きを済ませられます。
2-2 外国株式取引用の口座を開設する
証券総合口座の開設が完了したら、外国株式取引用の口座を開設します。国内の証券会社の場合、「日本株取引口座」と「外国株取引口座」は別々に管理されていることが多いため、証券総合口座の開設後、外国株式取引用の口座を開設する流れとなります。
なお、外国株取引用口座の開設手続きは、基本的に証券総合口座にログインし、外国株式取引用口座の開設を選択するだけで済みます。
2-3 米国株購入用の資金を用意する
外国株式取引用口座の開設が完了した後は、米国株購入のための資金を用意します。この時、米国株取引時の決済方法について、米ドルと円のどちらを基本とするかを選択しなければなりません。
米国株は、米ドル(アメリカドル)で日々取引されています。そのため、日本から米国株を購入しようとする際、日本円を米ドルに両替する必要があります。
なお、口座に米ドルを用意した上で取引を行うことを外貨決済と言い、事前に米ドルを用意することなく日本円で取引を行うことを円貨決済と言います。外貨決済の場合、事前の両替が必要となる一方、円貨決済の場合、日本円でそのまま取引することができ、両替の手続きは証券会社が自動的に行ってくれます。
個人の手間だけで考えれば、日本円のままで取引できる円貨決済のほうが手軽です。しかし、円貨決済では一定の手数料を支払う必要があるため、外貨決済より割高になる可能性もあります。
そのため、「まずは気軽に米国株を買ってみたい」「米国株をどの程度売買するか分からない」など、米国株取引が初めての方は円貨決済が適しています。
一方、外貨決済は両替の必要があるものの、コスト面では円貨決済よりも有利なケースがあるので、米国株を中長期的で継続して売買したい方、米国株を頻繁に売買したい方は外貨決済のほうが向いている場合もあります。
2-4 購入したい銘柄を注文する
口座と資金が準備できたら購入の注文を行います。基本的な注文方法は日本株売買時と同じで、証券口座の外国株取引の画面から購入したい銘柄を表示させます。
なお、米国銘柄を選ぶ際に役立つのが「ティッカーシンボル」です。ティッカーシンボルとは米国株の銘柄を識別するためのコードのことで、日本の株式銘柄に割り当てられる証券コードに似ています。
ティッカーシンボルは4文字程度のアルファベットで構成されるのが通常で、IT大手のアマゾンであれば「AMZN」、電気自動車のテスラであれば「TSLA」などのティッカーシンボルがそれぞれ割り当てられています。
目当ての米国銘柄を探せたら発注を行います。指値や成行などの注文方法は、日本株の取引と同じ感覚で設定できます。
3 米国株を買う際の注意点
次に、米国株を買う際の注意点について確認していきましょう。
3-1 為替の影響を受ける
米国株を購入する際、また米国株を保有している間は為替相場の影響を受けることに注意する必要があります。
例えば、1ドル115円の際に1株1ドルの米国株を100株購入した場合、115円×100株=11,500円が株式購入にかかる費用となります。その後、株価は変わらず、為替相場が1ドル110円の円高に振れた場合、円での株式評価額は110円×100株=11,000円となり、500円の損失となります。
一方、仮に1ドル120円まで円安が進んだ場合、日本円での株式評価額は120円×100株=12,000円となり、500円の利益を得られます。
このように、米国株を保有すると為替相場(ドル円相場)の影響を強く受けることになるため、実際に米国株を購入しようとする際には、日頃から為替相場の動向に気を配ることも大切です。
3-2 ストップ高・ストップ安がない
日本の証券取引所では各銘柄の価格に応じて制限値幅が定められています。制限値幅とは1日に変動する株価を一定範囲に制限する仕組みで、通常、株価が大きいほど制限値幅も大きくなります。
制限値幅を超えて株価が上昇しようとした場合はストップ高、制限値幅を超えて株価が下落しようとした場合はストップ安となり、その価格で取引が停止します。この値幅制限の仕組みは市場の混乱を避け、投資家を保護する目的で設けられています。
一方、アメリカの証券取引所では制限値幅やストップ高・ストップ安などの仕組みがありません。そのため、日本株に比べて株価の変動が大きくなりやすく、特に下落する際は想定を超える事態に注意が必要です。
3-3 取引時間は日本時間の深夜帯
アメリカの証券取引所の取引時間は、通常、9時半〜16時までとなります。日本のような昼休み時間帯の取引停止がないこともあり、1日当たりの取引時間は日本より長く設定されています。
ただし、日本から米国株を取引しようとする際、時差に気をつける必要があります。東西に広大なアメリカ本土には、東部時間・中部時間・山岳部時間・太平洋時間の4つのタイムゾーンがあり、証券取引所のあるニューヨークは東部時間が適用されます。そして、アメリカ東部時間と日本との間には、14時間前後の時差が生じます。
米国内における取引時間である「9時半〜16時」は、日本時間の「23時半〜翌朝6時」に当たるので、米国株取引は基本的に日本時間の深夜から朝にかけて行われます。
また、サマータイムにも注意が必要です。サマータイムは、日中の時間を有効活用するために、時計の針を1時間進めるもので、欧米などで採用されています。サマータイムでは、アメリカ東部時間と日本との時差が13時間に変わるため、サマータイム期間中の米国株式取引時間は、日本時間の22時半〜翌朝5時となります。
3-4 1株から取引可能
日本の株式取引は100株単位が原則ですが、アメリカでは1株単位で取引されています。そのため、各銘柄の購入に最低限必要な資金は、日本株を購入する時に比べると少なく済みます。一方、10株や100株のようにまとめて注文することも可能です。
世界的に有名な銘柄でも1株から購入可能なため数千円あれば購入できるほか、取引量を柔軟に調整できる点が米国株の強みです。
4 米国株を買える証券会社
米国株を購入できる国内の証券会社は複数ありますが、日本株を取引できる証券会社に比べると多くありません。ここでは、米国株を豊富に取り扱っているほか、初心者の方にも向いている証券会社をご紹介します。
4-1 SBI証券
口座開設数が国内首位級のオンライン証券であるSBI証券は、米国株を含む外国株の取扱も国内トップクラスです。米国株式の取扱数は約4,000銘柄にのぼり、ETF(上場投資信託)などを含めると総取扱数は約4,500銘柄となります。
また、米国株以外にも1,000銘柄以上の中国株、韓国や東南アジア等の新興国株式も取り扱っているのも特徴です。
4-2 マネックス証券
マネックス証券は米国株や中国株も多数取り扱うなど、外国株関連サービスを得意とする証券会社です。
米国株は4,000銘柄以上、中国株は2,000銘柄以上を取引可能で、SBI証券と並んで国内首位級です。また、「銘柄スカウター米国株」など銘柄情報の分析に役立つツールも豊富に提供されています。
4-3 楽天証券
オンライン証券ではSBI証券に並んで国内口座開設数が多い楽天証券でも、米国株を取り扱っています。米国株の取扱銘柄数は約4,000本と、SBI証券・マネックス証券にはやや劣るものの、米国ETFは約350銘柄を取引できるのが特徴です。
他にもアジア各国の個別銘柄を取引できる楽天証券は、楽天グループの他サービスや楽天ポイントをよく利用する方に向いています。
4-4 DMM 株
DMM株は、Webサービス大手のDMMグループが運営する証券サービスです。特にスマホでのトレードに力を入れており、日本株のほか米国株も取り扱っています。
DMM株の米国株取扱数は、他社と比べると少ないものの、約1,000銘柄をトレードできます。また、保有する米国株を担保に信用取引を行える点もDMM株の特徴です。
取引が始めやすいDMM株は、株式取引そのものが初めてという方や、スマホで手軽にトレードしてみたい方にも向いています。
まとめ
米国株取引は、日本株と比較して大きな利益や利回りを期待できる上、各業界を代表するグローバル企業に直接投資できます。また、1株から取引可能なので少額資金で始められるほか、分散投資を行いやすいのも特徴です。
一方、米国株は急激な価格変動や為替変動に注意が必要です。米国株を取引する際は、口座開設先の証券会社や銘柄をしっかり選んで検討することが大切です。
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