米証券取引委員会(SEC)は12月10日、ワイオミング州より提出されていた暗号資産(トークン)の登録申請を差し止めしたことを明らかにした。このトークンは、ワイオミング州のDAO法案により法人化した組織の発行するものだという。
ワイオミング州では、2月にDAOを法人として認める法案が提出されていた。4月に法案が可決されると、7月には「American CryptoFed DAO」が登記を完了している。今回登録申請が出されたのはこのAmerican CryptoFed DAOによるものだ。
申請対象となったトークンは、ステーブルコイン「ducat」とガバナンストークン「locke」だ。この2つのトークンが証券に該当するかどうかをSECがチェックする。ステーブルコインducatを運営するために、American CryptoFed DAOが存在し、組織の運営をガバナンストークンlockeの所有者が行うという関係性だろう。
7月時点でAmerican CryptoFed DAOのCEOを務めるMarian Orr氏は、「やがて全てのガバナンストークン保有者が、経営陣の影響を受けずに組織を運営していくことになるだろう。CEOとしての私の役割は消滅するはずだ。」とコメントしていた。
SECによると、申請書類にはいくつかの不備が見受けられたという。具体的には、財務諸表やトークンの詳細などを含む、経営や財務状況に関する情報が不足していたようだ。差し止めは一時的なものであり、結果的に棄却される可能性はあるものの、現在は登録が保留されていることを意味する。
SECは申請書類の不備に関して、発行されるトークンが証券に該当しないとの主張を受け取ったものの、「実質的に不十分で誤解を招く表現が含まれている」と指摘した。トークンが証券に該当するかどうかは、常に業界の最大の関心事項となっているため、より厳格な書類の提出を求めたようだ。
なお、今回の申請はSEC理事のクリプトママことHester Peirce氏の提唱するセーフハーバールールに沿って作成されたものになるという。同氏のセーフハーバールールは現時点で正式なガイダンスではないため、今回は認められなかったようだ。
【参照記事】Registration of Two Digital Tokens Halted
株式会社techtec リサーチチーム
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