クラウドバンクの最新決算を分析!ソーシャルレンディング事業は黒字?赤字?

現在、日本のソーシャルレンディング会社の中でも、3番目の累計募集金額を誇る「クラウドバンク」。そのクラウドバンクが8月に平成29年度の決算を発表しました。

今回はクラウドバンクの決算の内容を見ながら、同社の現在の状況について考えてみます。

目次

  1. クラウドバンクは初めての黒字化
    1-1.損益決算書の内容は?
    1-2.クラウドバンクにはソーシャルレンディング以外の収入源がある
  2. クラウドバンク株式会社の決算情報も黒字
  3. クラウドバンクの現在の状況とこれから
  4. まとめ

1. クラウドバンクは初めての黒字化

クラウドバンクは日本クラウド証券が運営しているソーシャルレンディングサイトで、同証券は第一種金融商品取扱免許を取得しています。

累計の募集金額は、2018年9月時点で360億円を突破していますが、この数字は1,300億円以上の募集実績があるmaneo、そして累計融資額600億円以上のSBIソーシャルレンディングに次ぐ金額です。

maneoは日本のソーシャルレンディング業界の先駆者であり、SBIソーシャルレンディングはSBIグループという大手金融グループに所属している会社です。

クラウドバンクがこれだけの金額を集めた理由としては、大きな後ろ盾の存在に加え、同社が投資家から支持されていることの証左と言えるでしょう。

クラウドバンクの平成30年3月期の決算発表は、以下のリンクから確認できます。
https://crowdbank.jp/pdf/disclosure_2018.pdf

クラウドバンクの決算数値推移

こちらを見ればお分かりのように、平成28年3月期、平成29年3月期はいずれも赤字決算でした。しかし、平成30年3月期の決算では4億6,000万円の当期純利益を出すことに成功しています。

同社のソーシャルレンディング事業がようやく軌道に乗り、黒字化を達成できたと考えられます。

1-1 損益決算書の内容は?

資料の中には損益計算書も記載されています。その内容を詳しく見てみましょう。

クラウドバンクの決算・損益計算書

クラウドバンクの損益計算書の中で着目すべき数字は、受け入れ手数料でしょう。受入手数料の中にある『その他の受入手数料』という名目の意味をクラウドバンクにヒアリングしたところ、同社が顧問的な役割を行っている会社からの業務委託報酬、つまりコンサルティング業の利益とのことでした。そして、他にも関連会社の施設売却に伴う収入が利益に寄与しているようです。

つまり、この受け入れ手数料はソーシャルレンディング事業とは直接関係がない収入だと考えられます。

クラウドバンクの受入手数料

ソーシャルレンディング事業の状況を見る数字としては、貸借対照表が参考になります。

クラウドバンクの貸借対照表

こちらを見ても、顧客からの預り金が約1.5倍と大幅に増加しています。顧客から預かっているお金とは、つまりソーシャルレンディング事業で集めた資金であり、貸借対照表を見る限りでは、金額が大きく増加しています。クラウドバンクのソーシャルレンディング事業が順調に推移した結果、獲得した利益が業績の改善をもたらしたと言えるのではないでしょうか。

それでは、先の受入手数料を外して考えた場合、どの程度の利益になったのでしょうか。4億6,000万円の黒字のうち、受入手数料の金額は約3億円です。つまり、ソーシャルレンディング事業だけで約1億6,000万円の利益を出したことになります。

1-2 クラウドバンクにはソーシャルレンディング以外の収入源がある

受入手数料の内訳の中には、他社の業務顧問料などが含まれていました。これはクラウドバンクがソーシャルレンディング事業以外にも、大きな収益源を持っていることを意味します。

ソーシャルレンディングで黒字化を達成することは事業継続上の重要な条件の一つですが、仮にソーシャルレンディング事業が停滞していても他の収益事業があれば、会社の倒産リスクは低下します。

その意味で複数の収益源を持つことは、クラウドバンクの投資家としては歓迎するポイントとなっています。

2. クラウドバンク株式会社の決算情報も黒字

クラウドバンクを運営しているのは日本クラウド証券ですが、日本クラウド証券の親会社はクラウドバンク株式会社です。同社でも決算情報を発表していたので、その数字を見てみましょう。

http://crowdbank.co.jp/media/pn201803BS.pdf

平成29年度の決算情報が、上記のリンク先に掲載されています。

クラウドバンク株式会社の決算""

当期純利益として約4,300万円の黒字化を達成しています。同社の主な事業としては、子会社を通じての貸付型クラウドファンディング事業、そしてコンサルティング事業となっています。その他にグリーンシート事業などにも取り組んでいました。(※グリーンシート銘柄制度は平成30年3月31日をもって廃止)

決算は子会社との連結方式ではありませんが、クラウドバンク株式会社単体でも黒字化を達成しています。親会社が黒字という点も、クラウドバンク関連会社における財務の健全性を示すものだと言えるでしょう。

3. クラウドバンクの現在の状況とこれから

クラウドバンクのプレスリリースを見ると、2018年2月に累計報酬総額が250億円を突破。そして、2018年9月の時点で約360億円の累計募集金額となっています。

今年2月からわずか半年ほどで、100億円以上の資金を投資家から集めることに成功しているのです。2018年7月にmaneoに行政処分が下され、maneoグループへの影響が懸念されました。そのような中、これまでに業界2位に甘んじていたSBIソーシャルレンディング、そして3位のクラウドバンクに対し、投資家の応募が殺到しているとも考えられます。

6月末には米ドル建てファンドの募集を始めたクラウドバンク。同社を利用して国外への分散投資も可能になりつつあります。このペースで行けば、2018年だけで200億円の募集を達成し、それに伴い黒字幅も大きくなるでしょう。

まとめ

クラウドバンクの2017年度決算は4億6,000万円以上の大幅な黒字化を達成しました。前年度の2,000万円の赤字を考えると躍進とも言える数字でしょう。仮にソーシャルレンディング事業以外の収入がなかったとしても、ソーシャルレンディング事業単体が順調に推移していることがわかります。

そして、2018年はすでに100億円以上の募集を達成しています。ソーシャルレンディング事業開始から2017年までに集めた投資金額は200億円強。たった1年間で、この金額に匹敵する募集額を達成しそうな勢いです。

事業は順調に拡大、取扱案件の種類も海外案件が増えるなど、現時点でのクラウドバンクの業績は好調だということが公示された決算からわかりました。

これからのソーシャルレンディング投資は信頼のおける会社を選び、さらに分散投資をどのような形で進めていくかが重要です。クラウドバンク以外の決算にもしっかりと目を通して、どの会社で投資を進めるかを検討していきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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