株のボックス相場(レンジ相場)のトレード戦略は?参考指標や銘柄選定も

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デイトレードなど高頻度でトレーディングする方であれば体感値もあると思いますが、相場のほとんどは明確な方向性がないボックス相場(レンジ相場)と言われます。個別の銘柄毎に多少の違いはあるものの、概ねその認識の元にトレードをすることが可能です。

そこで今回は株のボックス相場における勝ち方と、エントリーや決済の参考にできる指標や、銘柄選定の方法について解説します。

目次

  1. 株のボックス相場を理解する
    1-1.ボックス相場とは?
    1-2.ボックス相場にあったトレード手法とは?
    1-3.ボックス相場に合う指標とは?
  2. ボックス相場におけるトレード戦略の組み方
    2-1.ボックスのサイズを測る
    2-2.エントリーと決済ポイントを決める
    2-3.投入する資金量を決める
  3. ボックス相場の参考指標や銘柄選定
    3-1.ボックス相場で使える参考指標
    3-2.RSIのボックス相場での使い方
    3-3.銘柄選定の方法
  4. まとめ

1.株のボックス相場を理解する

まずは、ボックス相場とはどのような相場なのかという点から解説します。

1-1.ボックス相場とは?

ボックス相場は、レンジ相場とも言われますが、高値と安値の一定の範囲で株価が変動するある程度期間の長い相場のことを言います。

相場を分析する際にどの時間足を利用するかによっても見え方は変わってきますが、一般的には長い時間軸になればなるほど、多くの銘柄がボックス相場になっていることがわかると思います。

1-2.ボックス相場にあったトレード手法とは?

一般的にボックス相場で勝つためのトレード手法としては、逆張りの手法が使われます。

具体的には、ボックスの上のライン、つまり、レンジの上限に近づいた時には、売りでエントリー、下限に近づいた時には、買いでエントリーすることをいいます。

また、ボックスが比較的大きいものであれば、順張りのエントリーも可能です。この場合は、下限に近づいてから反発し始めたところで買いでエントリーし、上限から反発し始めた所を売りでエントリーすることとなります。

また、どちらも利益確定に関してもボックスの上限と下限を目安とし、損切りに関してはその上限、下限を超えたところに設置するのが基本的なトレード方法となります。

1-3.ボックス相場に合う指標とは?

では、ボックス相場にはどのようなインジケーターが合っているのでしょうか?

テクニカル分析に使用されるインジケーターは大きく分けてトレンド系とオシレーター系に分けることができます。

トレンド系とは、現在の相場がアップトレンドにあるのかダウントレンドにあるのかということを客観的に知るためのインジケーターです。オシレーター系とは買われすぎ売られすぎを示すインジケーターで相場の行き過ぎを捉えます。

基本的にどのような相場も、行き過ぎはいずれ是正されるという考え方ができるため、ボックス相場では、オシレーター系インジケーターのサインを元に逆張りをします。

2.ボックス相場におけるトレード戦略の組み方

次にボックス相場におけるトレード戦略の組み方を順を踏んで解説します。

2-1.ボックスのサイズを測る

ボックス相場においてトレード戦略を組む際には初めに、ボックスのサイズを測ることが重要です。

あるチャートからボックスを抽出するには、レジスタンスラインとサポートラインを引くことができれば比較的簡単に見つけることが可能です。

レジスタンスラインとサポートラインの距離がボックスの大きさとなりますが、利益と損失の大きさと捉えることもできます。

2-2.エントリーと決済ポイントを決める

次にエントリーと決済ポイントを決めます。

逆張りの場合であれば、基本的にボックスの上限と底辺に近づき、かつオシレーター系のインジケーターのサインが出たポイントがエントリーポイントとなります。

ボックスの上限に近づいている時には、相場は買いが多い状態です。その際にオシレーター系のインジケーターが買われすぎを示し、売りのサインが出たポイントがエントリーポイントとなります。

決済に関しては、最大限に利益を狙いたい時は、売りでエントリーしているならボックスの底辺近くまで狙い、買いでエントリーしてる場合は上限近くまで狙います。その際の欠点としては、決済までに時間がかかる傾向があり、その分リスクは増加することになります。

リスクをヘッジするためには、オシレーターが少し反転を始めたところですぐに決済するなどの手法を取りますが、その際の欠点として利益が少なくなる傾向があります。

損切りポイントに関しては、エントリーポイントからある程度逆行したポイントや、ボックス内に形成されているレジスタンスラインやサポートラインなどを目安とすると良いのですが、ボックスの上限や下限は絶対的な損切りポイントとなります。

2-3.投入する資金量を決める

投入する資金量は、エントリーポイントから損切りポイントまでの変動幅で決まりますが、信用取引を利用している場合はレバレッジを考慮して考えます。

ひとつのポジションで失う金額を算出し、その金額が投資資金全体の2%となるようにするなど資金管理ルールに基づいて計算をすることで、購入する資金を決めることができます。

3.ボックス相場の参考指標や銘柄選定も

最後にボックス相場のトレードで使えるインジケーターや銘柄選定の方法について解説します。

3-1.ボックス相場で使える参考指標

先述したようにボックス相場に使える参考指標とできるインジケーターは、オシレーター系のインジケーターとなりますが、オシレーターのインジケーターには以下のようなものがあります。

  • ストキャスティックス
  • CCI
  • RSI
  • サイコロジカルライン

上記のオシレーターの中でも初心者の方にも使いやすいインジケーターは「RSI」です。そこで次にRSIを用いたボックス相場のトレード手法について解説します。

3-2.RSIのボックス相場での使い方

RSIは、非常にシンプルなオシレーター系のインジケーターで、株取引のみならずFXトレードなどにおいても多くのトレーダーに使用されるインジケーターです。

RSIの使い方を最もシンプルに解説すると、インジケーターの指標が70%から80%なら買われすぎ、20%から30%の際には売られすぎと判断し、 そこから逆張りでエントリーをします。

RSIの特徴として、強いトレンド相場には上か下かに張り付く現象が起こるため、 そのような現象が起きている場合にはなかなか反転が起きないので、一旦撤退し、反転を確認した後に再度エントリーする方法を取るのが良いでしょう。

3-3.銘柄選定の方法

約4,000社にのぼる日本に上場している株式の中から、RSIのサインが出ている銘柄を見つけるには非常に時間がかかってしまいます。そこで有効活用したい機能が証券会社の取引ツールに装備されている「スクリーニング機能」です。

スクリーニング機能とは、条件を設定し、該当する銘柄を抽出してくれる機能です。特に評判の良い機能を持った証券会社の取引ツールとしては、楽天証券の「マーケットスピードII」や、SBI証券の取引ツールのスクリーニング機能です。

例えば、楽天証券のマーケットスピードIIという取引ツールに搭載されている「スーパースクリーナー」という機能では、RSIの設定した条件でサインが出ている銘柄を抽出してくれます。

それらの銘柄をピックアップした後に、チャートにレジスタンスラインとサポートラインを描くことでボックスの大きさを測定し、決済ポイントまでの距離などを見定めてトレードをすると良いでしょう。

「スーパースクリーナー」にはRSI以外にも「財務」「コンセンサス情報」「銘柄属性」「テクニカル」のカテゴリで、80種類以上の項目設定が可能で、複数のサインに合致した銘柄を抽出することもでき、株式トレーダーに利用しやすいツールとなっています。

まとめ

今回は株のボックス相場での勝ち方について解説しました。初心者の方でもチャレンジできるシンプルなトレードが可能な相場環境でもあります。

時間足の違いから来るサイズの違うボックスに対応できるようになるには経験を積む必要がありますが、まずは一定の時間軸を利用するところから始めてみると良いでしょう。

相場の世界では1年のうち7割がレンジ相場で、3割がトレンド相場と言われるほどレンジ相場の期間は長く、ここを収益化するトレードができれば、運用手法も多様化できるでしょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12