2022年7月のIPOスケジュールは?各銘柄の上場市場や価格、取扱証券会社も

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世界的な金融緩和を背景とした株高が後押しする中、株式市場に新規上場するIPO案件が増えています。2021年の新規上場は125社と、14年ぶりの100社を超える高水準なので、2022年も目の離せない状況が続いています。

そこで、この記事では2022年7月に新規上場する企業のIPOスケジュールをご紹介します。新規上場各社の上場する市場や想定価格、IPO株の取引に適した証券会社なども併せてご紹介するので、IPO取引に関心のある方は参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2022年7月6日時点の情報に基づき執筆しているため、最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. IPOとは
  2. 2022年のIPO取引の状況
  3. 2022年7月に新規上場する企業4社
    3-1.INTLOOP
    3-2.HOUSEI
    3-3.unerry
    3-4.エアークローゼット
  4. IPO株を取得する方法
  5. IPOを申し込む方法・流れ
  6. まとめ

1 IPOとは

IPO(Initial Public Offering)とは、株式の新規公開を指します。株式を上場していない企業が東京証券取引所などに上場することで、投資家は市場を介して企業の株式を取引できるようになります。

なお、企業が上場する際は、厳しい上場審査が課されるだけでなく、株主向けのIR活動や内部管理体制の整備や強化にも労力やコストを割く必要があり、新規上場企業にとっては金銭面や労力面で大きな負担がかかります。

しかし、上場した企業は、株式を新たに発行することなどで市場を通じた資金調達が可能になるほか、厳しい上場審査をクリアしていることから社会的な信用力の上昇にもつながり、知名度も向上することで人材確保なども有利に進められるのが主なメリットです。

2 2022年のIPO取引の状況

新規の上場企業は、成長を続けることで株価の値上がりや配当金の増額なども期待できるため、IPO取引は活発に行われています。特に、上場前に購入したIPO株の上場後につける初値が購入金額を上回ることが多く、例えば、2021年と2022年の騰落率や勝率は以下の通りです。

上場日 2022年(5月末まで) 2021年
上場企業数※ 25社 122社
値上がり銘柄数 19社 101社
値下がり銘柄数(変わらず) 6社 18社(3社)
騰落率 -13%~222% -23%~374%
勝率 76% 約83%

※2021年はTOKYO PRO Marketの3社を除いた集計。

2021年の新規上場企業122社のうち約83%にあたる101社が、初値で購入金額を上回り、騰落率は-23%~374%となっています。例えば、2021年2月25日に上場したアピリッツ(4174)は、公開価格1,180円に対して初値で5,600円の価格を付けました。

2022年は5月末時点で新規上場25社のうち19社が初値で公開価格を上回っています。2021年後半からは主要株価指数が下落基調にある中、勝率は76%と健闘しており、騰落率は-13%~222%となっています。

IPO株は上場前の公開価格で購入し、上場後の初値で売却すると高い確率で利益を得られます。中には購入価格の数倍にもなる銘柄があるため、さらに大きな利益を狙える可能性もあることから、注目度の高いIPO抽選には申し込み希望者が殺到しやすいのも特徴です。

3 2022年7月に新規上場する企業4社

2022年7月に新規上場する企業4社について上場市場や想定価格、抽選参加に適した証券会社等をご紹介します。

3-1 INTLOOP

新規上場企業名 INTLOOP株式会社
上場市場(証券コード) 東証グロース(9556)
上場日 2022年7月8日
ブックビルディング期間 2022年6月22日~6月28日
想定発行価格 3,500円(6月29日発行価格決定)
単元株数 100株
取扱証券会社 主幹事:東海東京証券
幹事:SBI証券、楽天証券、マネックス証券香川証券岩井コスモ証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券東洋証券あかつき証券
参加しやすい証券会社 楽天証券、マネックス証券

INTLOOPは、製造業向けのコンサルティングサービスを提供する事業を中心とするほか、フリーランス人材の活用事業やエンジニア事業、教育事業などの様々な事業を手掛ける企業です。

過去5年間で売上高は約3.4倍、経常利益は18.8倍と急成長を遂げており、上場時の新株発行などで得た資金を人材採用やシステム開発、広告宣伝などに活用することでさらなる事業拡大を計画しています。

東証グロース市場への新規上場案件となっており、IPOによる株式の発行価格は2022年6月29日に3,500円となっていました。

なお、上場日の初値は3150円と公開価格を10%下回る結果となりました。

3-2 HOUSEI

新規上場企業名 HOUSEI株式会社
上場市場(証券コード) 東証グロース(5035)
上場予定日 2022年7月28日
ブックビルディング期間 2022年7月11日~7月15日
想定発行価格 420円
単元株数 100株
取扱証券会社 主幹事:みずほ証券
幹事:SBI証券、楽天証券、あかつき証券いちよし証券松井証券、マネックス証券
参加しやすい証券会社 楽天証券、マネックス証券、SBI証券、松井証券

HOUSEIは、受託システム開発事業だけでなく、各種クラウドサービスなどを提供している企業です。流通小売業向け商品データベース、新聞社および出版社向けのシステム開発を目的として1996年に設立され、売上高と経常利益を順調に伸ばす中での上場となっています。

東証グロース市場への新規上場案件で想定価格は420円となっており、機関投資家などの需要動向を勘案した価格である仮条件は2022年7月7日に決定します。その後、ブックビルディングでの個人投資家の需要状況などを勘案した上で、2022年7月19日に発行価格が決定します。

この案件に初心者でも申し込みやすい証券会社は、抽選で100%配分される楽天証券とマネックス証券です。また、個人投資家への配分のうち60%が平等抽選、30%がSBIチャレンジポイントによる抽選のSBI証券も個人投資家に向いています。

このほか、松井証券も配分予定数量のうち70%以上が完全平等抽選となっており、1人1口の抽選権利で平等に抽選されるため、初めての方にも当選チャンスのある証券会社となっています。

3-3 unerry

新規上場企業名 株式会社unerry
上場市場(証券コード) 東証グロース(5034)
上場予定日 2022年7月28日
ブックビルディング期間 2022年7月12日~7月19日
想定発行価格 1,170円
単元株数 100株
取扱証券会社 主幹事:SMBC日興証券
幹事:SBI証券、みずほ証券、いちよし証券、楽天証券、岩井コスモ証券、松井証券、極東証券、マネックス証券、丸三証券
参加しやすい証券会社 SMBC日興証券、楽天証券、マネックス証券、SBI証券、松井証券

unerryは、人流データによるビッグデータプラットフォームの運営事業や、小売事業者、メーカー、自治体へデータ分析や広告サービスを提供している企業です。

東証グロース市場への新規上場案件で、想定発行価格は1,170円となっており、2022年7月11日に仮条件の決定、同年7月20日に最終的な発行価格が決定する予定です。

主幹事を務めるSMBC日興証券は、新株発行による公募株式140,000株とオーバーアロットメントを含む売出株式397,700株のうち、多くの株数を取り扱う見込みです。抽選による配分は15%となっていますが、そのうち10%は1人1口の完全平等抽選となっているため、投資家に配分できる株数が多い分、当選のチャンスも高くなります。

また、抽選により配分が多い楽天証券やマネックス証券、SBI証券、松井証券も申し込みやすい証券会社となっています。

3-4 エアークローゼット

新規上場企業名 株式会社エアークローゼット
上場市場(証券コード) 東証グロース(9557)
上場予定日 2022年7月29日
ブックビルディング期間 2022年7月12日~7月19日
想定発行価格 870円
単元株数 100株
取扱証券会社 主幹事:みずほ証券
幹事:大和証券、SBI証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、いちよし証券、岩井コスモ証券、岡三証券、東海東京証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券
参加しやすい証券会社 楽天証券、マネックス証券、SBI証券、松井証券

エアークローゼットは、主にインターネットを活用したサービス事業を展開する企業で、月額制ファッションレンタルサービスの「airCloset」などを運営しています。

東証グロース市場への新規上場案件で想定発行価格は870円となっており、仮条件の決定は2022年7月11日、発行価格はブックビルディングの需要状況を勘案して2022年7月20日に決定します。

この案件に参加しやすい証券会社は、抽選による配分割合の多い楽天証券やマネックス証券、SBI証券、松井証券の4社となります。

なお、ニッソウ(1444)も2022年7月25日に東証グロース市場へ新規上場予定となっていますが、名証のネクスト市場に上場している銘柄が名証の上場を維持したまま東証に上場する案件のため、上記のIPO案件には含めていません。

4 IPO株を取得する方法

上場前のIPO株は基本的に証券会社で売り出されるため、IPO株を取り扱う主幹事や幹事などを務める証券会社から申し込むことで購入可能です。しかし、投資家へのIPO株の配分方法は各社で異なるため、事前にこれを確認してから申し込むことが重要になります。

配分方法については多くの証券会社が店頭配分と抽選配分を行っており、野村證券や大和証券などの店舗型証券会社は、担当者の裁量でIPO株を配分する店頭配分の割合が高くなります。

店頭配分は、証券会社にとって優良顧客である取引金額の大きな投資家などに優先して割り当てられる傾向があり、一般の個人投資家はIPO株を買えるチャンスの少ない配分方法となっています。

一方、ネット証券では、抽選でIPO株を割り当てる抽選配分の割合が比較的高く、中でも投資家への割り当てを100%抽選で配分する証券会社は、IPO株を購入できるチャンスが増えるため、初めての方にも狙い目の方法となっています。

5 IPOを申し込む流れ

IPOでは、新規上場の承認後、仮条件が2週間ほどで決定されるため、この間に目論見書などを確認しながら、IPOに申し込むかどうかを判断する流れとなります。IPOを申し込む場合、証券総合取引口座が必要なので、申し込みを想定するケースでは口座開設に要する日数なども考慮して早めに口座開設の手続きを済ませておきます。

また、抽選による配分を受けるためには、証券各社で実施されるブックビルディングへの参加が必要です。ブックビルディングとは、定められた期間中に「投資家がいくらで何株買いたいか」の需要申告を調査する仕組みで、ブックビルディングに参加することがIPOへ申し込む最初のステップとなります。

ブックビルディングの参加後、IPO株を実際に購入する公開価格が決定され、抽選による配分を行う証券会社ではブックビルディングの参加者を対象とした抽選が行われます。

IPO抽選に当選した場合、購入申込をすると証券総合取引口座から引き落とされ、上場日までに株式を引き渡してもらえます。

なお、抽選前に購入申込が必要となる証券会社もあるため注意が必要です。購入資金についてもブックビルディングへの参加時に買付余力が必要になる証券会社もあれば、当選後の購入申込まで買付資金の入金を要さない場合もあります。

このように、抽選参加へのプロセスと購入資金の入金については証券各社で取り扱いが異なるため、流れとルールをそれぞれ確認した上で申し込むことが重要です。

このほか、IPOの申し込みは上場承認日から上場日までの短い期間にブックビルディングへの参加や購入申込、買付資金の入金などを済ませる必要があります。高倍率のIPO抽選に当選したにもかかわらず、購入申込などの手続きを怠るとIPO株を買えず、中にはその後の一定期間IPOへの申し込みが不可となるペナルティを設けている証券会社もあるため、留意しておきましょう。

まとめ

2022年7月は東証グロース市場へ新たに4社が上場します。

証券会社から購入できるIPO株は、上場後の初値で売却すれば高い勝率を得られる一方、1度の抽選参加では当選しにくいのも特徴です。そのため、多くの証券会社の抽選に参加することもポイントになってくるので、各企業のIPOスケジュールをしっかり把握した上で、検討してみてください。

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