2021年2月のIPOスケジュールは?上場市場や想定価格、取扱証券会社も

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株価が順調に推移している中、IPO(新規上場株)取引に注目する投資家も多くなっています。IPOは購入時の株価よりも市場に公開された日の価格が高くなることが多く、またその値上がり幅も期待できるのが特徴です。

一方、購入する際には基本的に抽選が必要になるなど、購入できる機会は少ないという側面もあります。そのためIPO株の取得では、上場までの流れやスケジュールをしっかりと把握し、計画的に準備することがポイントになります。

この記事では、2021年2月のIPOスケジュールや上場する企業の概要、IPOを申し込む手順について詳しく解説します。IPO投資に関心のある方、2021年の最初の上場企業について知りたい方は参考にしてみてください。

目次

  1. 2021年2月に新規上場する企業7社
    1-1.Coly(コリー)
    1-2.室町ケミカル
    1-3.アピリッツ
    1-4.WACUL(ワカル)
    1-5.アクシージア
    1-6.アールプランナー
    1-7.QD(キューディー)レーザ
  2. IPOを申し込む手順
    2-1.幹事または販売委託先証券会社の証券口座を開設する
    2-2.IPOの抽選に申し込む
    2-3.購入手続き
    2-4.上場を待つ
  3. まとめ

1 2021年2月に新規上場する企業7社

2021年2月に新規上場が予定されている企業は、「Coly(コリー)」「室町ケミカル」「アピリッツ」「WACUL(ワカル)」「アクシージア」「アールプランナー」「QD(キューディー)レーザ」の7社です。

以下、各社の事業内容やIPOスケジュール、上場する市場、想定価格や取扱証券会社などについて詳しく紹介します(※全て2021年1月26日時点の情報です)。

1-1 Coly(コリー)

事業内容 モバイルオンラインゲームの企画・開発・運営事業等
上場する市場 マザーズ(4175)
仮条件提示 2月4日
ブックビルディング期間 2月8日~2月15日
購入申込期間 2月17日~2月22日
上場日 2月26日
単元株数 100株
想定価格 3,930円
取扱証券会社 みずほ証券(主)、野村證券、SBI証券、楽天証券、丸三証券、マネックス証券

株式会社Colyはモバイルオンラインゲームの企画・開発・運営やマーチャンダイジングを主な事業内容とする企業で、2014年に創業しています。女性向けのモバイルオンラインゲームを中心にヒット作を輩出しており、ゲームやキャラクターに関連する商品の企画・販売なども行っています。作成したゲームは翻訳されて海外でもプレイされており、グローバルな視野でのゲーム開発やマーケティングが行われているのが特徴です。

Colyの業績データ

項目 2016年1月 2017年1月 2018年1月 2019年1月 2020年1月
売上高(百万円) 136 462 1,351 2,447 3,359
経常利益(百万円) 7 121 280 383 274
当期純利益(百万円) 5 83 197 251 194
純資産額(百万円) 14 97 294 545 739
1株あたり純資産額(円) 138,048 969,029 2,941,584 121 164
1株あたり純利益(円) 268,741 830,982 1,972,555 56 43
自己資本比率(%) 80.2 46.6 58.2 60.2 67.6
自己資本利益率(%) 59.8 150.1 100.9 59.7 30.3

1-2 室町ケミカル

事業内容 医薬品の製造・販売、健康食品の企画・製造・販売、イオン交換樹脂の販売・加工
上場する市場 JASDAQスタンダード(4885)
仮条件提示 2月4日
ブックビルディング期間 2月8日~2月15日
購入申込期間 2月17日~2月22日
上場日 2月26日
単元株数 100株
想定価格 770円
取扱証券会社 野村證券(主)、SBI証券、大和証券、楽天証券、岡三オンライン

室町ケミカル株式会社の創業は大正6年1月という老舗企業で、もともと医薬品の開発を行う企業でした。現在では医薬品だけでなく健康食品や樹脂、給排水処理装置、機能性材料など化学分野のノウハウを活かした様々な製品の製造・販売を行っています。

IPOで得た資金は主に設備投資や借入金の返済に充てられる予定になっています。すでに技術と実績のある企業なので、上場による知名度向上が事業にプラスの影響を与えることが期待されます。

室町ケミカルの業績データ

項目 2016年5月 2017年5月 2018年5月 2019年5月 2020年5月
売上高(百万円) 4,039 4,447 4,537 5,420 5,280
経常利益(百万円) 168 105 -20 91 272
当期純利益(百万円) 167 -22 -88 29 32
純資産額(百万円) 170 173 71 182
1株あたり純資産額(円) 424 434 179 91
1株あたり純利益(円) 417 -56 -220 14 16
自己資本比率(%) 4.4 3.9 1.5 3.9
自己資本利益率(%) 98.4 16.9

1-3 アピリッツ

事業内容 Webサービスシステムの受託開発・運用・保守およびオンラインゲーム企画・開発・運営、人材派遣事業の運営
上場する市場 JASDAQスタンダード(4174)
仮条件提示 2月3日
ブックビルディング期間 2月5日~2月12日
購入申込期間 2月16日~2月19日
上場日 2月25日
単元株数 100株
想定価格 1,180円
取扱証券会社 みずほ証券(主)、SBI証券、大和証券、マネックス証券、極東証券いちよし証券東洋証券エース証券

株式会社アピリッツは2000年に創業した企業で、Webサービスの開発・運営を主な事業としています。AWS導入やセキュリティ診断サービス、アプリ開発などWebを中心としたサービスのコンサルティングや開発を得意とするのが特徴です。

デジタルネイティブ世代が社員の多くを占め、人材面の成長力にも期待できます。IPO資金はエンジニアの採用費・人件費、および広告宣伝費に充てられる予定です。

アピリッツの業績データ

項目 2016年1月 2017年1月 2018年1月 2019年1月 2020年1月
売上高(百万円) 2,158 2,219 2,438 2,902 3,580
経常利益(百万円) 326 222 190 115 143
当期純利益(百万円) 183 19 128 58 67
純資産額(百万円) 1,137 1,156 1,283 1,342 1,408
1株あたり純資産額(円) 106,124 107,907 119,815 1,253 1,315
1株あたり純利益(円) 17,113 1,782 11,909 54 62
自己資本比率(%) 69.9 66.3 71.9 73.7 73.4
自己資本利益率(%) 17.5 1.7 10.5 4.4 4.8

1-4 WACUL(ワカル)

事業内容 デジタルマーケティング用プラットフォームの提供、顧客企業のDX推進等
上場する市場 マザーズ(4173)
仮条件提示 1月29日
ブックビルディング期間 2月2日~2月8日
購入申込期間 2月10日~2月16日
上場日 2月19日
単元株数 100株
想定価格 900円
取扱証券会社 みずほ証券(主)、SMBC日興証券、SBI証券、大和証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、いちよし証券

WACULは2010年創業の企業で、デジタルマーケティング用のプラットフォームの開発・提供やコンサルティングなどを行っています。

AIを活用した分析プラットフォームでは、Webサイトのアクセス情報や広告運用データの分析から改善提案までを自動的に行うことが可能です。IPO資金は機能開発、人材、マーケティングなどの分野に投資される予定です。

WACULの業績データ

項目 2016年2月 2017年2月 2018年2月 2019年2月 2020年2月
売上高(百万円) 76 108 255 371 486
経常利益(百万円) -172 -253 -215 -67 -142
当期純利益(百万円) -172 -258 -216 -70 -142
純資産額(百万円) 151 243 27 426 286
1株あたり純資産額(円) 88,335 117,844 12,933 63 42
1株あたり純利益(円) -111,249 -139,898 -104,911 -11 -21
自己資本比率(%) 78.5 81.1 27.8 79.5 56.3
自己資本利益率(%)

1-5 アクシージア

事業内容 化粧品の企画・製造・販売・卸
上場する市場 マザーズ(4936)
仮条件提示 2月1日
ブックビルディング期間 2月2日~2月8日
購入申込期間 2月10日~2月16日
上場日 2月18日
単元株数 100株
想定価格 1,360円
取扱証券会社 大和証券(主)、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券、楽天証券、丸三証券、岡三証券、岡三オンライン、auカブコム証券

株式会社アクシージアは2011年創業の企業で、「アジアの美を発信する」ことをコンセプトに化粧品やサプリメントの企画・製造・販売を行っています。美容経済新聞社選定の「2016 ベストオブベンチャー賞」受賞を皮切りに企業活動や製品の様々な受賞歴でも知られている企業です。

中国や香港の海外拠点を持ち、アジアに広く販路を持っているのも大きな特徴です。IPO資金は研究開発投資や設備投資に充てられる予定です。

アクシージアの業績データ

項目 2016年7月 2017年7月 2018年7月 2019年7月 2020年7月
売上高(百万円) 270 534 2,196 3,449 4,290
経常利益(百万円) 11 119 884 1,383 1,030
当期純利益(百万円) 11 112 602 904 717
純資産額(百万円) -92 20 651 1,552 2,264
1株あたり純資産額(円) -461,435 99,325 856,551 68 99
1株あたり純利益(円) 54,190 560,760 2,027,548 40 31
自己資本比率(%) 6.1 55.3 64.1 78.3
自己資本利益率(%) 179.5 82.1 37.6

1-6 アールプランナー

事業内容 戸建て住宅事業、その他不動産事業
上場する市場 マザーズ(2983)
仮条件提示 1月21日
ブックビルディング期間 1月25日~1月29日
購入申込期間 2月2日~2月5日
上場日 2月10日
単元株数 100株
想定価格 2,090円
取扱証券会社 野村證券(主)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、SBI証券、auカブコム証券、DMM株

株式会社アールプランナーは2003年に創業し、愛知県を中心に注文住宅や分譲住宅の開発や売買・仲介、リフォーム、エクステリアなど戸建て住宅に関する事業をワンストップで行っている企業です。

また、住宅建設で培ったノウハウを武器に商業施設のプロデュースも行っています。IPO資金は不動産の仕入れおよび建築費用に充てられる予定です。上場によって知名度アップや資金調達力の向上による成長が期待できます。

アールプランナーの業績データ

項目 2016年1月 2017年1月 2018年1月 2019年1月 2020年1月
売上高(百万円) 6,057 8,972 12,002 16,635 19,183
経常利益(百万円) 208 476 466 679 594
当期純利益(百万円) 179 268 337 424 434
純資産額(百万円) 285 552 889 1,512 1,946
1株あたり純資産額(円) 14,228 27,609 44,443 1,512 1946
1株あたり純利益(円) 8,967 13,381 16,834 424 434
自己資本比率(%) 6.5 8.2 10.1 11.5 12.9
自己資本利益率(%) 92.0 64.0 46.7 32.6 25.1

1-7 QD(キューディー)レーザ

事業内容 半導体レーザ、網膜走査型レーザアイウェアおよびそれらの応用製品の開発・製造・販売
上場する市場 マザーズ(6613)
仮条件提示 1月20日
ブックビルディング期間 1月21日~1月27日
購入申込期間 1月29日~2月3日
上場日 2月5日
単元株数 100株
想定価格 275円
取扱証券会社 SMBC日興証券(主)、SBI証券(主)、岩井コスモ証券水戸証券、極東証券、DMM株

株式会社QDレーザは2006年創業の企業で、様々な分野でレーザ技術を利用したソリューションを提供しています。もともと富士通研究所のスピンオフベンチャーであり、世界初の技術を含む高度なノウハウを持っているのが強みです。

IPO資金は事業拡大のための製造費用などに充てられる予定で、上場によって経営基盤が強化されるとともに、知名度アップや生産力向上も期待できます。

QDレーザの業績データ

項目 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高(百万円) 614 580 664 961 757
経常利益(百万円) -358 -808 -1,075 -996 -1,226
当期純利益(百万円) -357 -811 -1,129 -1,041 -1,240
純資産額(百万円) 486 1,175 246 2,131 1,730
1株あたり純資産額(円) -51,256 -64,682 -83,373 -4,915 69
1株あたり純利益(円) -5,902 -13,427 -18,691 -851 -72
自己資本比率(%) 43.0 63.3 20.5 71.1 59.3
自己資本利益率(%)

2 IPOを申し込む手順

IPO株を購入するためには、IPOに申し込む手順を把握しておくことが大切です。IPOは投資できる時期が限られており、通常の株式購入とは手順が異なる部分が多いため、失敗を避けるためにもルールを理解しておきましょう。

2-1 幹事または販売委託先証券会社の証券口座を開設する

株取引を行うためには証券会社の証券口座が必要です。このとき、IPOの取り扱いがある証券会社を選ぶ必要がありますが、IPO案件ごとに取り扱っている証券会社が異なる点に注意しましょう。

主幹事案件の多い証券会社で口座を開設することもできますが、普段証券会社との取引があまり多くない場合、委託販売先となるネット証券などで開設する人もいます。また、より多くの当選機会を得るため、複数の証券会社で口座を開設している人も少なくありません。

2-2 IPOの抽選に申し込む

IPOでは、発行予定の株式数に対して多くの投資家が株式購入を希望します。そのため、株式の購入者を定めるための抽選が証券会社ごとに行われます。抽選はほとんどの証券会社で同じスケジュールで行われますが、証券会社ごとに抽選ルールが異なります。そのため、自分に有利な条件や応募の権利を求めて複数の証券会社で申し込むことがポイントです。

2-3 購入手続き

抽選に当選した場合、購入手続きに移行します。購入資金はIPOの抽選申し込み時点で入金が必要な場合と、購入手続き時に必要な場合に分かれるので事前に確認しておきます。そして、購入予定の株式数に応じたお金を支払うと、IPO株の購入が完了します。この時点でキャンセルできるかどうか、キャンセル料金が発生するか否かは証券会社によって異なります。

2-4 上場を待つ

IPO株の購入が済んだら、あとは上場を待ちます。IPOの公募価格、購入価格よりも初値が高くつくことが多いため、狙っていたラインまで上昇したら売却することも可能ですが、より大きな成長が見込める場合、保有しておくという方法もあります。

まとめ

IPO投資は新規に上場する企業の株に投資する株式投資の方法です。高いリターンが期待できるため、初心者からプロまで多くの投資家に注目されています。IPOでは購入申し込みのタイミングがあらかじめ決まっているため、スケジュールをしっかり把握して投資判断や申し込みをすることがポイントです。

なお、IPO取引に必要な証券口座の開設には数日程度の期間が必要になるので、購入を検討する際は早めに準備しておくことも大切です。

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