米ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)は20日取引時間後に2021年10~12月期決算を発表(*1)。1株当たり利益が市場予想を上回るとともに、売上高は予想と一致したものの、会員数の伸び鈍化が嫌気され、決算翌日の21日には株価が20%強大幅下落した(*2)。なお、24日・25日も続落し、21日の終値から更に30ドル以上下げて366.42ドルとなっている。
第4四半期の会員純増数は9月末比828万となり、会社予想および前年第4四半期の850万人を下回った。会員数の見通しが悪化していることも売りを誘った。ネットフリックスは2022年第1四半期に250万人の会員純増を見込んでいるが、アナリスト予想の693万人増を大幅に下回るほか、2021年第1四半期の398万人も下回り、会員数の伸び鈍化が鮮明となりつつある。
軟調な会員数の伸びが示されるなか、同社は「ブリジャートン家」シーズン2やオリジナルSF映画「アダム・プロジェクト」など有力作の配信時期が1~3月期の後半に集中すると述べた(*1)。
しかしながら、第4四半期も「エミリー、パリへ行く」や「ドント・ルック・アップ」、「レッド・ノーティス」といった人気ドラマの続編や映画を複数リリースしたが、会員数の伸びは会社予想および前年第4四半期を下回っている。会社側は会員数の伸び鈍化の理由の一つとして、競合他社との競争が激化していることを挙げた。
ネットフリックスはインターネットや有料テレビを通じて8~9億人を取り込みたい意向を持つ 。しかし、第4四半期時点の会員数は約2億2,200万人にとどまっており、リード・ヘイスティングス共同最高経営責任者(CEO)は「足元の低成長に心底落胆している」と述べている(*1)。
1月には北米とカナダで値上げを表明(*3)。独自コンテンツを作成するための投資の原資をねん出する必要があるからだ。ゲームの新作開発にも注力することで、顧客の嗜好を把握しようと努めている。会員数の伸びが株価に直結するなか、今後もその動向に注目したい。
【参照記事】*1 ネットフリックス「2021 Quarterly Earnings」
【参照記事】*2 Yahoo!ファイナンス「ネットフリックス」
【参照記事】*3 Reuters「Netflix raises monthly subscription prices in U.S., Canada」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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