米国株式の信用取引、対応証券会社の手数料を比較【2022年8月】

信用取引は株や現金を証券会社から借りて行う、ハイリスク・ハイリターンの投資です。2022年7月から、米国株でも信用取引ができるようになりました。

この記事では主要なネット証券会社について、米国株式の信用取引の手数料をまとめて解説します。証券会社選びの参考資料として役立ててください。

※2022年8月時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 米国株信用取引の手数料の比較
  2. 信用取引の金利・貸株料の比較
  3. 米国株式・信用取引のその他条件の比較
  4. 米国株で信用取引を行うメリット
    4-1.少額で投資ができる
    4-2.下落トレンドでも利益を獲得できる
    4-3.保有中の株式を担保にすることもできる
  5. 米国株で信用取引を行う注意点
    5-1.値幅制限がない
    5-2.追証を支払うリスクがある
    5-3.最悪の場合はロスカットされる
  6. 米国株式の信用取引で心がけるべきポイント
    6-1.損切りを徹底する
    6-2.生活に必要なお金を使わない
  7. まとめ

1.米国株式・信用取引の取引手数料の比較

主要なネット証券で現在サービスを提供しているのは、SBI証券楽天証券です。両社の取引手数料は下記のとおりです。

証券会社名 取引手数料(税込) 注文種別
SBI証券 約定代金の0.33%
(上限16.5米ドル)
新規買
楽天証券 約定代金の0.33%
(最低0米ドル~上限16.5米ドル)
新規買・新規売

SBI証券・楽天証券ともに約定代金の0.33%で、上限は16.5米ドルです。現物取引の場合は両社とも0.495%(税込)・上限22米ドルであり、信用取引のほうが安く設定されています。

注文種別で、楽天証券は新規買・売の両方に対応していますが、SBI証券は新規買のみとなっていることに注意が必要です。よって楽天証券は売りから入ることが可能ですが、SBI証券ではできません。

なお2社以外に、マネックス証券も米国株・信用取引のサービスを準備しています。現在は信用取引口座の開設を受付中で、2022年中にサービス開始予定です。

2.米国株式・信用取引の金利・貸株料の比較

証券会社名 金利(年率) 貸株料(年率)
SBI証券 4.5%
楽天証券 基準金利+3.5%=5.25% 2.0%

信用取引の金利とは、買い注文の約定代金に対して発生する金利のことです。売り注文によって決済されるまでの期間に応じて年率で発生し、決済のときに支払うことになります。

金利は現在のところ両社ともに4.5%に設定されています。

貸株料は新規売の約定代金に対して発生する手数料で、楽天証券では年率2.0%となっています。SBI証券は今のところ信用売注文に対応していないため、貸株料は存在しません。

3.米国株式・信用取引のその他条件の比較

証券会社名 最低委託保証金 委託保証金率
SBI証券 2,500米ドル
(30万円相当、変動の可能性あり)
51%
楽天証券 30万円相当額 50%

委託保証金とは信用取引を行う際に、証券会社に差し入れる担保のことです。SBI証券・楽天証券ともに、最低でも30万円相当の委託保証金を入金する必要があります。

委託保証金率は、新規に取引を行うために必要な委託保証金の約定代金に対する割合のことを意味します。例えば楽天証券で約定代金100万円の信用買いをする場合、約定代金の50%に相当する50万円を委託保証金として差し入れることが必要です。

4.米国株式で信用取引を行うメリット

信用取引を行うことには以下のメリットがあります。

4-1.少額で投資ができる

米国株は1株から買付ができるので、国内株式とよりも少額投資をしやすくなっています。ただしブッキング・ホールディングスやオートゾーンなど、1株で数十万円以上する銘柄もあります。

信用取引を利用すると、たとえば2倍のレバレッジであれば、50万円の銘柄を購入するのに25万円あれば取引可能です。

手持ちの資金が少なくても、株価の高い銘柄を取引できるようになります。

4-2.下落トレンドでも利益を獲得できる

信用取引は売りから入る注文を出すことができます。保証金を証券会社に預け、その担保を利用して株を借り、売りから取引を開始するということです。

相場が下落している時に売りから入り、さらに安くなった時に買うと、差額が利益になります。現物取引では相場が下落していると利益を出すのが難しくなりますが、信用取引ならチャンスが増えるということです。

ただし2022年8月現在、米国株の信用取引で売り注文ができるのは楽天証券のみです。

4-3.保有中の株式を担保にすることもできる

信用取引を行うには、委託保証金を担保として預ける必要がありますが、保有している株式を担保として差し出すことも可能です。現物として保有している米国株の銘柄を担保にすることで、別の銘柄の信用取引ができます。

長年保有していて一向に値上がりせず、塩漬けの状態になっていた株も有効活用することができます。

5.米国株式で信用取引を行う際のリスク

米国株の信用取引をする際には、以下のリスクに注意する必要があります。

5-1.値幅制限がない

国内株式には値幅制限のルールがあり、一定の幅まで価格が変動すると、ストップ安またはストップ高となり、取引が停止されます。値幅制限によって、投資家の損失を減らすことになります。

しかし米国株に値幅制限はなく、損失が大きく拡大するリスクがあります。S&P500に採用されるような大型株でも、1日で20%以上変動することもあります。

国内株式のような感覚で取引をしていると、想定以上のダメージを受ける可能性があるので要注意です。

5-2.追証を支払うリスクがある

信用取引で損失が大きくなると、取引を継続するには追証(追加保証金)の支払いが必要になります。たとえば楽天証券の場合、最低委託保証金率が30%を下回ると追証を差し入れるルールです。

当初の投資資金だけでなく、追加で支払うコストが発生するリスクがあることに注意が必要です。

5-3.最悪の場合はロスカットされる

ロスカットとは強制決済のことです。大きな含み損が発生している取引を強制決済することで損失額を確定します。損失額がそれ以上大きくならないように投資家を保護する仕組みですが、大きな損失が確定することになります。

最低委託保証金率が追証の基準よりさらに下がるとロスカットが執行されます。楽天証券では委託保証金率が10%を下回った場合です。

6.米国株式の信用取引で心がけるべきポイント

信用取引のメリット・デメリットを踏まえたうえで、投資家が心がけるべき点を解説します。

6-1.損切りを徹底する

信用取引のようなレバレッジのかかった取引では、損切りをいかに徹底できるかが重要です。損切りラインを決めておかないと、いつまで経っても負けを認められず引きずり、損失がさらに拡大してしまう恐れがあります。損切りをしないと資金も拘束されてしまい、他の取引ができなくなることもあります。

損失を膨らませないようにするため、事前に決めた損切りラインに達したら、迷わず損切りを実行しましょう。

6-2.生活に必要なお金を使わない

投資の原則の1つは、生活に困らない範囲で行うことです。余剰資金のみで行い、生活に必要なお金までつぎ込んでしまわないようにしましょう。

まとめ

米国株の信用取引が解禁され、SBI証券楽天証券の2社がサービスの提供を開始しました。マネックス証券も2022年中に開始予定であり、近年の米国株の人気の高まりを踏まえると、今後もサービスを開始する証券会社は増える可能性があります。

信用取引は少ない資金でも取引ができる、下落相場でも利益を得られる、保有中の現物株式を担保に利用できるといったメリットがあります。一方で損失が大きくなるリスクがある、追証を支払わなくてはいけないケースがある、最悪の場合はロスカットが執行されるといったデメリットにも注意しないといけません。

米国株の信用取引を始めようか検討している方は、リターン・リスクの両方を慎重に検討して判断してください。

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