先週末のマーケットは株式市場が急落しNYダウは1,000ドル超安、NASDAQも500ドル弱の下落と4%近く急落しており、足元株価が回復すると思われた楽観的な市場に冷や水を浴びせる形となった。
パウエル議長の会見は8分程度の短いものであったが、一番インパクトあったものは「インフレが抑制されるまで徹底して対応を行う」というもので、このコメントで市場は9月の0.75%の利上げの可能性を意識せざる得なくなったという点だろう。それ以外は、至ってこれまでとほぼ同様の内容となっており、タカ派とはいえないコメントだったとも言えるだろう。
また、この日PCEデフレーターで金利上昇によって、個人消費が弱まっていることが確認されたことも株価の下落に寄与した格好に。
株式市場のチャートを見てみても大きく崩れてしまっていることから、来週はとりあえず短期トレードはショートで回転するしかないと考えている。
ジャクソンホールを迎えるまでFRB高官は来年序盤での利上げは否定するようなコメントや、FF金利は4%以上はインフレ抑制のために必要というのはタカ派的な発言が相次いでいたこともあり、市場に一旦見方を調整させるようなコメントが多く出ており、来週も引き続き中銀高官の発言が日々出てくることから、どのようなコメントが出てくるのか確認しておきたい。
ジャクソンホールでも唯一課題のポイントが異なったのが日本であり、やはり日銀は緩和路線を継続させるしかないということを黒田総裁がコメントしていた。日銀はこのまま緩和路線を継続しても、来年の物価上昇は1.5%まで落ち着くという見通しを示しているが、果たして日銀が予想しているような動きになるのかは疑問符が残る点でもあるだろう。
仮想通貨市場は米国市場の下落に連れ安となり、ビットコインは20,000ドルを割れる水準へ。
全く週末も反発する兆しもなく、チャートでは18,000ドルコースの見通しが強くなったようなチャートの形となっている。オプション市場でもビットコインは下方向のオプションが物色されており、マーケットは下落目線を強めている様子。レバレッジレシオも高くなっており、ファンディングレートがマイナス圏で推移し始めていることから短期的にデリバティブでショートを積んでいる投資家が増えているようだ。
イーサリアムも1,500ドル割れの水準まで下落しており、マージの期待上げから、調整局面が続いている状況。
イーサリアムもマージ完了までは取引はしにくい状況であり、マージが完了したとしても期待しているようなスケーラビリティが解決するというわけでもないことから、個人的にはイーサリアム単体の材料で動くというよりは、株式市場、そしてビットコインの動き等が絡んでトレンドが決まると考えている。
ポジションは追加は行っておらず、今週は株式市場のショートをメインにトレードしていく予定。
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中島 翔
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