株のテクニカル分析ツールが充実している証券会社は?評判と使い方も

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株取引では、「相場は強気か弱気か」「銘柄は買い時か売り時か」など相場の流れを掴み、売買タイミングを見極めることが大切です。そこで多くの個人投資家は、勝率を高める手段として証券会社の提供する「テクニカル分析」を活用しており、市場の動きを予測する環境を整えています。

そこでこの記事では、株のテクニカル分析ツールについて詳しく説明します。テクニカル分析ツールが充実している証券会社や評判、使い方について興味のある方は、参考にしてみてください。

※本記事は2021年9月17日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 株のテクニカル分析とは
  2. 株のテクニカル分析ツールが充実している証券会社3選
    2-1.SBI証券「HYPER SBI」
    2-2.楽天証券「マーケット・スピードⅡ」
    2-3.松井証券「ネットストック・ハイスピード」
  3. 株のテクニカル分析ツールが充実している証券会社の評判
  4. まとめ

1 株のテクニカル分析とは

株のテクニカル分析とは、株価チャートで市場の動きを予想するための分析方法です。将来の価格の方向性を予測するのに役立つほか、売買タイミングや売買ルールを設定することも可能で、例えば「前回高値の水平ラインを突破すれば買い」「移動平均線を割り込んだら売り」など、売買を実行するための根拠として活用されています。

テクニカル分析は、主に3つの種類に分けることができます。1つ目は「モメンタム指標」「オシレーター指標」のインジケーター系テクニカル指標です。モメンタム指標で有名なインジケーターは、「移動平均線」「一目均衡表」「ボリンジャーバンド」などが挙げられます。一方、オシレーター指標で有名なインジケーターは、「RSI」「MACD」「ストキャスティックス」などが挙げられます。

2つ目は、「分折線」「フィボナッチ」などの補助ツールによるテクニカル指標です。分折線は、トレンドの強さを確認する際、節目価格のブレイクアウト(節目価格を突き抜けて変動すること)を確認する際によく使われます。フィボナッチは、相場の調整局面の値戻りを確認するツールとして使用されます。

3つ目は、インジケーター、分折線等の補助ツール以外のテクニカル指標です。例えば、ローソク足やチャートパターンが挙げられます。

多くのテクニカルトレーダーは、市場から売買ヒントを得るために上記の様々な指標を組み合わせています。例えば、チャート上にはモメンタム指標、チャート下部にはオシレーター指標、状況に応じて、分折線やフィボナッチなどの補助ツールを表示させるなど、テクニカル分析の方法は数限りなくあるのが特徴です。

2 株のテクニカル分析ツールが充実している証券会社3選

各証券会社では個人投資家向けのテクニカル分析ツールを提供しており、プロの投資家も使う多くのテクニカル分析手法が利用可能になっています。また、スマホ向けのテクニカル分析ツールを提供している証券会社もあり、外出先でもテクニカルチャートを確認することができるので、時間や場所にとらわれないのも強みです。

なお、テクニカル分析ツールを選ぶ上でポイントになるのは、「使いやすさ」「機能性」「自由度」です。この3点が備わっており、投資家から高い評価を受けているテクニカル分析ツールは、SBI証券の「HYPER SBI」、楽天証券の「マーケットスピードⅡ」、松井証券の「ネットストック・ハイスピード」です。

以下では、上記3社のテクニカル分析ツールを詳しく解説していきます。

項目 SBI証券 楽天証券 松井証券
ツール名 HYPER SBI マーケットスピードⅡ ネットストック・ハイスピード
テクニカル指標 74種類 57種類 32種類
チャート種類 12種類 9種類 12種類
描画ツール 17種類 5種類 26種類
複数同時表示 10種類 10種類 全テクニカル指標
比較 銘柄、指数、為替の3つ 銘柄・指数を最大4銘柄比較 個別銘柄のみ5つまで
チャート発注 ×
板発注
利用料 月額550円 無料 無料

2-1 SBI証券「HYPER SBI」

HYPER SBIは、SBI証券が提供する高性能トレードツールです。「個別チャート」「NEWチャート」「相対チャート」の3種類のチャート設定が可能で、NEWチャートでは74種類のテクニカル指標を表示できるのが特徴です。

個別チャートはデフォルトのチャート設定です。銘柄のチャートを表示するには、銘柄検索に銘柄コードを入力します。インジケーターや分折線をチャート上に表示させるには、右側にある分析ツール・指標一覧から描画します。

また、「設定」ボタンを押すと、テクニカル指標の変数や色、線種等の変更ができます。設定したチャート画面を保存する場合は、「保存」ボタンから保存することができます。

NEWチャートは、個別チャートよりテクニカル指標が多く、チャートの表示設定も自由に行うことができるので、オリジナルなチャート画面を作成するのに便利です。Nメインメニューバーの「メニュー」ボタンから「チャート」を選択し、「NEWチャート」を選択すればNEWチャートの画面が表示されます。

また、NEWチャートではチャートの表示設定を変更することも可能です。チャートの表示設定を変更するには、チャートを右クリックし、「Canvas設定」「Frame設定」のいずれかを選択すれば、好みのチャート設定に変更できます。右側にある分析ツール・指標一覧からテクニカル指標を表示させてダブルクリックすると、期間・色・サイズ等なども変更可能です。

一方、相対チャートでは複数銘柄の比較チャートを見ることができるので、値上がり率や同期間でのパフォーマンスを比較することができます。相対チャートは、メインメニューバーの「メニュー」ボタンから、「チャート」を選択して、「相対チャート」を選択すれば相対チャートの画面が表示されます。

相対チャートでは、3つの銘柄を表示できるため、銘柄検索に3つの銘柄の銘柄コードを入力すれば、相対チャートが表示できます。

なお、HYPER SBIは条件を満たせば無料で購入可能な場合もありますが、基本有料(月額税込550円)なので留意しておきましょう。

2-2 楽天証券「マーケットスピードⅡ」

楽天証券が提供する「マーケットスピードⅡ」では、57種類のテクニカル指標が活用できて、一つの画面に最大10点表示することができます。

また、チャート画面が2分割、4分割にできるので複数のチャートを表示することができ、チャートの移動や拡大、縮小も簡単に行うことができます。さらに、チャート上に注文中の株の取得単価や指値を表示することも可能なので、実用性の高いテクニカル分析ツールとなっています。

マーケットスピードⅡでチャートを表示させるには、左側のメインメニューバーから「チャート」を選択し、銘柄セレクターから銘柄コードを入力することで表示できます。また、チャートは個別銘柄のみならず、株価指数、先物、為替市場の動向も確認できます。

チャート画面の鉛筆アイコンをクリックすると、描画ツールが表示されます。そこから分折線やフィボナッチをチャート上に表示することができます。また、チャート画面のメニューから株式分割や株式併合による株価の変動を考慮した修正株価か、原株価を選択できます。先物の場合、ナイトセッションを表示するのか、日中立会のみを表示するのかも選択可能です。

インジケーターの表示は、チャート画面のメニューの「トレンド系」「オシレーター系」ボタンから選択し、表示することができます。上記の通り、インジケーターを最大10個表示できますが、原則、トレンド系指標から5つ、オシレーター系指標から5つとなっています。

また、マーケットスピードⅡでは、1つのチャートだけでなく、2分割または4分割のチャートが表示できます。複数チャートの表示方法は、チャート画面のメニューの右側にあるチャート分割ボタンから行えるほか、チャート画面を右クリックして「表示」を選択すると、注文中の指値や保有銘柄の平均取得単価を表示できます。

なお、マーケットスピードⅡはWindowsパソコン専用のツールとなっており、Mac版には非対応なので留意しておきましょう。

2-3 松井証券「ネットストック・ハイスピード」

松井証券の「ネットストック・ハイスピード」は、豊富なテクニカル指標を使えるほか、自由なカスタマイズや、チャート画面を最大9分割することができるので、複数銘柄を同時に監視することができます。また、チャート検索ツールである「チャートフォリオ」を活用すると、25通りのチャートパターンから銘柄を検索することができます。

ネットストック・ハイスピードのチャート画面は「株式チャート」「指数チャート」「指数先物/オプションチャート」の3種類あります。それぞれのチャートを表示させるには、メインメニューから、「チャート」を選択し、「チャート分析」をクリックすれば各チャートを選ぶことができます。

個別銘柄のチャートを表示させる場合には、株式チャートを選択します。個別銘柄のチャート表示は、銘柄検索から銘柄コードを入力すれば、個別銘柄のチャートが表示されます。また、テクニカル指標は、インジケーター、分折線、フィボナッチを表示させることができます。

インジケーターの表示は、チャート画面の左側にあるテクニカル指標のメニューからダブルクリックで選択することができ、分折線やフィボナッチなどのツール指標は、チャート画面の右側にあるツール指標のメニューから選択可能です。また、チャート画面を右クリックして「チャートの環境設定」を選択すればチャート画面のカスタマイズが可能です。

このほか、ネットストック・ハイスピードでは、複数銘柄を表示させることができる「マルチチャートボード」があります。マルチチャートボードでは、保有または注文中の銘柄や登録した銘柄を最大9分割して表示することができます。表示方法は、メインメニューから「チャート」を選択し、「チャート分析」から「マルチチャートボード」を選択することで、登録銘柄等のチャートが複数表示できます。

松井証券のテクニカル分析ツールは、ネットストック・ハイスピードのほか、25通りのチャートパターンから銘柄を検索できるツールである「チャートフォリオ」も活用できます。チャートフォリオは、お客様サイトから、「情報検索」をクリックし、「チャートフォリオ」を選択して「起動」をクリックします。チャートフォリオで絞り込んだ銘柄は注文画面とリンクしており、同じ画面から注文を出せるので便利です。

3 株のテクニカル分析ツールが充実している証券会社の評判

上記で紹介したSBI証券のHYPER SBI、楽天証券のマーケットスピードⅡ、松井証券のネットストック・ハイスピードを使用しているユーザーからは、以下のような口コミや感想が寄せられています。

  • HYPER SBIは、指標の追加、チャートの切り替えが簡単かつスムーズに操作できる
  • マーケットスピードⅡは、インジケーターの数が多く、テクニカル分析に困らない
  • チャートフォリオで、好きなチャートパターンの銘柄を自動で見つけられるのは便利
  • HYPER SBIは、利用条件を満たさなければ無料で使えない
  • マーケットスピードⅡは、他の証券会社と比べてレイアウトの自由度が低い
  • ネットストック・ハイスピードは、スマホアプリが無いため、スマホ取引をするなら別アプリをインストールしなければいけない

※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集された上で、最終的にご判断ください。

ツールの「使いやすさ」「機能性」「自由度」の面で、総合的にバランスの取れているHYPER SBIは、多くのテクニカルトレーダーから高く評価されている一方、基本有料な点がデメリットとして挙げられています。

また、楽天証券のマーケットスピードⅡは多くのテクニカル指標に対応しており、操作性も高いものの、レイアウトの自由度がやや低いとの声もあります。

このほか、ネットストック・ハイスピードは対応しているテクニカル指標を好きに組み合わせて表示できるのほか、画面レイアウトが自由に設定できる一方、場合によっては処理が重くなることもあるという口コミもあるので、証券会社選びの参考にしましょう。

まとめ

テクニカル分析は、株価や為替の動向を把握するのに役立つ重要な手段の一つです。企業活動や財務諸表をもとにするファンダメンタルズ分析と合わせて活用すると、さらに多方面から分析できるので、トレードの勝率を高めることが可能になります。

なお、各証券会社が提供しているテクニカル分析ツールは、特徴や強みがそれぞれ異なります。証券会社を選ぶ際は、ご自身の分析スタイルに合ったテクニカル分析ツールを検討することが大切です。

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