株式投資にかかる手数料の一覧と、手数料が安い証券会社

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株式投資には証券会社に支払う「手数料」が発生します。手数料は証券会社が独自に設定しており、証券会社によって料金が大きく異なります。最近の取引手数料は全体的に以前より安くなっていますが、少しでも手数料負担の少ない証券会社を選ぶことは大切なポイントです。

この記事では、株式投資にかかる手数料について詳しく説明していきます。手数料の種類、手数料の安い証券会社、証券会社を選ぶ際のポイントついて関心のある方は、参考にしてみてください。

※本記事は2021年8月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 株式投資にかかる手数料
    1-1.売買手数料は含み損失
    1-2.「ネット証券」と「店舗型証券」の違い
    1-3.「1約定制」と「1日定額制」
  2. 株式投資の手数料が安い証券会社4選
    2-1.SBI証券
    2-2.楽天証券
    2-3.岡三オンライン
    2-4.松井証券
  3. 証券会社を選ぶ際のポイント
  4. まとめ

1 株式投資にかかる手数料

現物株の売買を行う場合、証券会社に手数料を支払うのが通常です。手数料は利用する証券会社や投じる金額によって異なりますが、最近は米国で始まった「手数料ゼロ化」の流れが日本の証券業界にも広がっています。

例えば、SBI証券では、2023年9月30日より、ゼロ革命の対象者は国内株式売買手数料0円となっています。また、楽天証券でも2023年10月1日より国内株式の手数料が無料(ゼロコースのみ)です。

岡三オンラインの場合、「1日定額制」プランを選択すると1日の売買代金100万円までは手数料無料となっています。また、2021年5月6日より、SBI証券が20~25歳の国内現物株の売買手数料をキャッシュバックすることで手数料の実質無料化を発表して以降、松井証券や岡三オンライン、DMM株もこれに追随しています。

1-1 売買手数料は含み損失

例えば、50,000円分の買付をした場合に55円(税込)の手数料がかかるというケースを考えてみましょう。この時の買付総代金は50,055円になります。この場合、50,000円分の買付を行うと実質-0.1%の含み損失を抱えることと同じであると言えます。

株価は日々変動するので、株価が上昇すれば-0.1%の「含み損失」を解消できますが、買付をした日に株価が下落すれば、売買手数料分のマイナスと価格変動による含み損失が大きな負担となります。

1-2 「ネット証券」と「店舗型証券」の違い

「手数料ゼロ化」の流れに追随しているのは主にネット証券です。一方、対面サービスの可能な「店舗型証券」の場合、ネット証券と比べて手数料が高いのが特徴です。

取引金額 10万円 50万円 100万円
店舗型証券 野村證券 2,860円 7,150円 12,188円
大和証券 2,750円 6,325円 12,650円
ネット証券 SBI証券 0円 0円 0円
楽天証券 0円 0円 0円

(税込)
※SBI証券:ゼロ革命の対象者のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ

ネット証券が手数料を安く設定できるのは、基本的にほとんどの証券業務はオンライン上で完結しており、人件費がかからないためです。

一方、店舗型証券の場合、顧客1人に対して専属の営業員がつきます。そのため、営業員にかかる人件コストにより手数料が高く設定されるものの、資産運用のアドバイスやサポート、投資情報の提供などネット証券にはないサービスを受けることができます。

1-3 「1約定制」と「1日定額制」

証券会社によって異なりますが、取引コースには主に、「1約定ごとの取引金額で手数料が決まるプラン」と、「1日の取引額合計で手数料が決まるプラン」があります(※一部の証券会社では、スプレッドという形で売買手数料が商品価格に盛り込まれているケースもあります)。

多くの証券会社では、2種類のプランから選択することができるため、自分の取引スタイルに合わせたプランを選択することが可能です。各料金プランが自分の投資スタイルに適しているかどうかや、状況によって投資スタイルが変わったときに、料金プランも変更する必要があるかを判断することが大切です。

2 株式投資の手数料が安い証券会社4選

主要ネット証券の1約定制の手数料を比較すると、以下表の通りです。

項目 ~5万円 ~10万円 ~20万円 ~50万円 ~100万円 ~150万円 ~3,000万円 3,000万円~
SBI証券 0円 0円 0円 0円 0円 0円 0円 0円
楽天証券 0円 0円 0円 0円 0円 0円 0円 0円
SBIネオトレード証券 50円 88円 100円 198円 374円 440円 880円 880円
DMM株 55円 88円 106円 198円 374円 440円 880円 880円
GMOクリック証券 96円 96円 107円 265円 479円 580円 917円 977円
auカブコム証券 99円 99円 198円 275円 1,089円 1,584円 4,059円 4,059円
岡三オンライン 108円 108円 220円 385円 660円 1,100円 3,300円 3,300円
マネックス証券 55円 99円 115円 275円 535円 640円 1,013円 1,070円

※すべて税込表記です。
※松井証券は1約定制のプランがないため、記載がありません。

一方、主要ネット証券の1日定額制の手数料は下表の通りです。

項目 ~5万円 ~10万円 ~30万円 ~50万円 ~100万円 ~300万円
SBI証券 0円 0円 0円 0円 0円 0円
楽天証券 0円 0円 0円 0円 0円 0円
SBIネオトレード証券 0円 0円 0円 0円 0円 1,540円
GMOクリック証券 234円 234円 305円 438円 876円 1,691円
岡三オンライン 0円 0円 0円 0円 0円 1,980円
マネックス証券 550円 550円 550円 550円 550円 2,750円
松井証券 0円 0円 0円 0円 1,100円 3,300円

※すべて税込表記です。
※auカブコム証券とDMM株は1日定額制のプランがないため、記載がありません。

2-1 SBI証券

SBI証券は国内ネット証券の大手として知られており、業界最安レベルの売買手数料や、豊富な取扱銘柄とサービスが特徴です。

SBI証券では2023年9月30日より、ゼロ革命の対象者は国内株式売買手数料0円となっています。なお、ゼロ革命の対象となるには、取引報告書や各種交付書面を全て郵送から電子交付に切り替える必要があります。

また、SBI証券では単元未満株取引ができるので、数百円など少額から投資することができます。通常の国内株式では、1単元(=100株)で取引するため、株価1,000円の銘柄なら最低10万円の資金が必要になります。一方、単元未満株取引は株価1,000円の銘柄を1株から買うことができるので、1,000円から投資することができます。

また、SBI証券には夜間取引があり、23時59分まで取引ができます。そのため、日中仕事をしている方でも時間制限を気にすることなく取引に参加することができます。

売買手数料 ・手数料0円(ゼロ革命の対象者のみ)
特徴 ・単元未満株取引ができる
・夜間取引ができる
・株取引でTポイントがもらえる

2−2 楽天証券

楽天証券は、2020年の口座開設数が主要ネット証券で第1位となったほか、楽天経済圏を活用したポイント投資など、独自の特典が充実しています。貯まった楽天ポイントを売買手数料や株購入代金の一部に充てることができるため、現金が無くても始められるのが特徴です。また、楽天証券もSBI証券と同じく、国内株式売買手数料0円(ゼロコースのみ)となっています。

その他、楽天証券には使いやすい「iSPEED」という株取引アプリがあり、株価チャート、経済指標、決算情報、四季報、楽天証券の投資メディア「トウシル」、日経テレコン(日経新聞)など多くの情報機能が備わっているほか、日本株と米国株を同一のアプリで管理できるのも特徴です。

このほか、SBI証券と同様に夜間取引が行えるので、長時間取引も可能です。

売買手数料 手数料0円(ゼロコースのみ)
特徴 ・ポイント制度が充実
・夜間取引ができる
・iSPEEDで外国株と一括管理

2-3 岡三オンライン

岡三オンラインはSBI証券、楽天証券と並んで業界最安水準の手数料を実現している証券会社です。さらに、岡三オンラインのリサーチ部門の情報が無料で公開されているなど、他社にはないサービスを展開しています。

岡三オンラインで1日定額制の「定額プラン」を選ぶと、1日の売買代金合計が100万円以下の場合、売買手数料無料で取引することができます。また、2021年5月6日より25歳以下の国内現物株の売買手数料をキャッシュバックすることで手数料実質無料となっています。

また、1約定制である「ワンショット」でも最低108円(税込)からの手数料になっており、業界最安水準の手数料体系です。

このほか、岡三オンラインの分析・取引ツールは使いやすく、単元未満株取引もできるので、上級者から少額資金で投資を始めてみたい初心者にも向いています。

売買手数料 ・1日100万円までの場合、手数料0円
・25歳以下の場合、手数料0円
特徴 ・高性能分析ツールが使える
・単元未満株取引ができる

2-4 松井証券

松井証券は1918年に創設された老舗の証券会社です。日本で初めてオンライン証券業に参入した会社でもあり、「ネットストック」「ボックスレート」「無制限信用取引」など様々な制度の生みの親としても知られています。

松井証券で1日定額制のプランを選ぶと、1日の売買代金合計が50万円以下の場合、売買手数料0円で取引することができます。また、手数料競争に本格参入している他のネット証券同様、25歳以下の現物株手数料は0円で取引可能です。

さらに、松井証券の高性能取引ツールの「ネットストック・ハイスピード」や、銘柄情報ツールの「株価ボード」、松井証券独自のアプリでスマホからも分析や注文ができます。

なお、松井証券は1日定額制のプランのみなので、少額取引を中心とする方に向く証券会社です。

売買手数料 ・1日50万円までの場合、手数料0円
・25歳以下の場合、手数料0円
特徴 ・日本初のネット証券
・豊富な取引・分析ツールが使える

3 証券会社を選ぶ際のポイント

証券会社を選ぶ際のポイントは大きく分けて2つあります。1つ目は「手数料の安さ」で、自分の投資スタイルや資金に合わせた手数料プランがあるかどうかを確認することが大切です。

例えば、1日の売買代金合計が少額の場合、1日定額制の安い手数料を提供している証券会社を選ぶと取引コストを抑えることができます。一方、売買代金が大きい金額の場合、各手数料プランに上限が設けられているか、または自分の売買代金に対する手数料が、割高な手数料プランになっていないかどうかを確認するのがポイントです。

2点目は「使いやすさ」です。使いやすさの条件は、分析ツールや注文がシンプルで手軽かどうか等がポイントになります。投資では証券会社と長い付き合いになることもあるので、機能面やアフターサービスが利用者にとって良心的かどうかも確認しましょう。

まとめ

株式投資にかかる1回あたりの手数料は少額ですが、積み重なると大きな金額になります。取引コストを抑えることは取引数が増加するほど、長期的な投資になるほど重要になるので、自分に合った証券会社や手数料プランを選択する必要があります。中でもSBI証券、楽天証券、岡三オンライン、松井証券はいずれも注文までの流れがシンプルで、比較的扱いやすいのが特徴です。

株式投資にかかる手数料を安く抑えたい方は、各証券会社の手数料体系をしっかりと把握した上で検討することが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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