ソーシャルレンディングの分散投資に活用できる3つの投資分野を紹介

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ソーシャルレンディング業界で様々な問題が起きている現在、投資家としては投資案件を慎重に選んで行かなくてはいけません。従来は不動産を担保とした案件が人気を集めましたが、不動産担保の価値が十分でなく大規模な元本毀損に繋がった事例もあり、不動産を担保にした案件への投資も見直される局面に来ています。

また、担保付きの案件を選ぶだけではなく、事業の成功可能性を判断したうえで案件に取り組む必要があります。投資対象を分散させるため、新規の投資分野を取り扱うソーシャルレンディング等のサービスにも視野を広げる必要があるでしょう。

そこで、この記事ではソーシャルレンディングにおける特徴的な3つの投資分野をご紹介します。分散投資でリスクを下げるためのご参考にしてください。

目次

  1. 診療報酬債権のソーシャルレンディング案件
  2. 米ドル建ての案件
  3. 沖縄の事業開発資金調達案件
  4. まとめ

1.診療報酬債権のソーシャルレンディング案件

診療報酬債権とは、病院などの医療機関に関係する社会保険診療報酬支払基金や、国民健康保険団体連合会に対して請求権を持つ売掛金のことを指します。

2019年3月現在、日本における70歳までの医療負担金は本来請求される医療費の3割となっています。例えば、1万円の診療費が発生したとしても、個人の負担分は3割の3,000円のみであり、残りの7割は国が負担する形となります。

しかし、病院側にとってみれば、1万円分の診療であるにもかかわらず、患者からは3,000円しか受け取ることができません。残り7,000円は、先に挙げた機関に請求する必要があり、しかも支払いは2ヶ月後になるのです。そのため、医療機関の場合、残りの売り上げが入ってくるまでに一定のタイムラグがあるのです。

病院は月末までに最終的な請求金額を計算し、翌月の10日までに指定の機関に書類を提出しなければいけません。しかし、その間も病院は人件費や家賃、その他の費用を支払わなければいけません。また、医療器具や薬品など、治療に必要な備品を購入するケースもあります。

このように資金繰りに失敗して倒産する病院はゼロではないのです。そのための資金調達手段として使われるのが、診療報酬債権を担保とした融資や債権の買い取りです。

さくらソーシャルレンディングでは、この診療報酬債権を担保とした案件を組成しています(参照:さくら北海道(札幌)セレクトファンド120号)。2019年3月時点では、ソーシャルレンディングにおける取り扱いがあるのは同社が唯一です。

2.米ドル建ての案件

次に注目したいのは、国外の事業者向けのソーシャルレンディング案件です。そのような案件を専門に取り扱う会社に『クラウドクレジット』があります。

クラウドクレジットでは海外への融資案件を専門に取り扱っています。案件の中には円建てではなく、海外の通貨建てのものもあります。海外の通貨建て案件は、為替相場の変動によって融資による金利収入だけではなく、相場変動による損益も発生します。

こちらの案件は、シンガポールの事業会社に対する融資案件です。この案件ではリトアニアにあるクラウドクレジットの関連会社が米ドル建てで融資を行います。

クラウドクレジットは案件ごとに様々な必要情報を公開しており、この案件に関しても数多くの情報が公開されています。融資先企業の社名こそ明かされていないものの、シンガポールオフィスのスタッフの写真や社内の様子などが公開されています。それらの情報をもとに、会社をある程度判断することも不可能ではないでしょう。

相応のリスクはあるものの、高い利回りを狙うのであればクラウドクレジットの外貨建て案件に投資してみるのも一つの方法です。

また、この案件では利益と元本の返還が2年後という点も注目すべきです。分配金が毎月入ってこないため、効率的な複利運用が難しくなったり、投資期間中の景気変動や企業の業績変動など様々なリスクに長期間さらされたりするのはデメリットと言えます。

しかし、事業者側は毎月配当金を分配する必要がないため、資金繰りに四苦八苦する可能性が減り、きちんと事業を運営できる体制をキープしやすいというメリットがあります。投資家にとっては、単純にデメリットのみではなく、返済の確実性が上がるかもしれない、という考え方をすることもできます。

3.沖縄の事業開発資金調達案件

3つ目は『ポケットファンディング』が運用している沖縄の事業開発資金案件です。ポケットファンディングは沖縄に本社を構え、案件の大半は沖縄で事業を展開する会社への融資になっています。

例えば、こちらの案件の詳細を見てみましょう。

この案件では不動産のリフォーム費用などを捻出するための融資を取り扱っています。内容自体は他の不動産経営のソーシャルレンディング案件と差はありませんが、ここで注目したいのは沖縄というエリアに関してです。

直近の沖縄の経済状況をデータで確認してみましょう。

沖縄県の人口、出生数

年次 人口 出生率
2017年 1,429,000 1.94
2016年 1,427,000 1.95

参照:平成29年 沖縄県人口動態統計(確定数)の概況

沖縄の出生率は昭和60年以降33年連続で全国1位となっており、ほとんどの都道府県で人口が減っている中、自然増で人口が増えているという点は注目すべきポイントです。

沖縄の経済規模

沖縄県が2018年7月に発表した「平成30年度 経済の見通し」では、平成30年度の県内総生産は、4兆6,135億円程度にのぼると見られ、直近3年間においては日本全体で見た1%程度の成長率を差し置き、年3%以上の勢いで経済が成長しています。

沖縄の経済発展に大きく寄与しているのは、観光客数の増加です。沖縄県の2019年1月の発表「平成30年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況」によれば、観光客数は平成30年のデータで984万人。 前年との比較で4.7%の伸びとなり、ここ数年は最高記録を毎年更新し続けています。

引用:平成29年「宿泊施設実態調査」の結果について

宿泊施設に関するデータも上記の通りで、宿泊施設も数多く建てられています。沖縄県によれば、県が目標に掲げる観光客数に照らすと「これでも受け入れ先が少ない」という見解であり、沖縄の観光業はさらなる成長を目指す段階と言えます。

人口増と観光客増という追い風を受けた沖縄への投資は、他の地域への投資とはまた違った期待を持つこともできるでしょう。

まとめ

「ソーシャルレンディング投資では分散投資が必要」とは数多くの投資家が言及してきたことでもあります。しかし、実際には投資分野が限られていることや投資上の手間の問題などもあり、分散投資が実現できていなかった方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介した投資分野などを含めて、国内だけではなく海外への投資案件を選んだり、異なる業種への融資を扱う複数の案件に投資していくなど、可能な限り分散投資に取り組んでいきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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