ソーシャルレンディングで大損しないために。失敗を回避する手法5選

ソーシャルレンディングも投資である以上、常に元本を損失する恐れがあります。実際に2018年には複数のソーシャルレンディング会社で大規模な返済遅延が発生しました。最終的な損失は確定していないものの、時間が経ってもなかなか投資元本を回収できないという状況も生じています。

安定して投資を続けていくには、高い確率で元本の損失が起こる案件であったとしても、再起不能に陥るような事態だけは避けなければいけません。投資において大きな失敗を回避する基本的な考え方として、分散投資などの手法を前もって知っておく必要があります。

そこでここでは、ソーシャルレンディングにおける多額の損失を避けるための基本的な方法をお伝えしていきます。

目次

  1. 投資する案件を分散する
  2. 投資する事業を分散する
  3. 投資の運用期間を分散する
  4. 投資する国を分散する
  5. 投資する会社を分散する
  6. 不動産投資型クラウドファンディングも利用する
  7. まとめ

1.投資する案件を分散する

致命的な損失を避けるには、まずは複数の案件に投資することが重要です。例えば20本の案件に分散投資を行い、それぞれの利回りが7%だったとします。

仮に1本の案件で元本の半分しか返ってこないような事態が発生したとしても、割合に換算して損失案件数1件÷投資案件数全体20件=5%で、そのうちの半分ですから、全体に対する損失の割合は2.5%になります。

仮に2.5%の損失が発生しても、平均利回りは7%ですから、最終的な利回りはプラスに転じます。このように投資する案件の数を増やすことでリスクの分散が可能になります。

2.投資する事業を分散する

次に心がけたいのは投資する事業(の分野)を分散することです。例えば、ソーシャルレンディング会社の多くが不動産関係の案件を取り扱っています。

不動産関係の案件は不動産を担保に設定するケースがほとんどです。返済遅延や貸倒れが起きたとき、担保とする不動産を売却して資金を回収するとしています。同ジャンルは資金回収の見込みが高い案件として投資家に人気があります。

だからといって不動産関係の案件ばかりに投資してしまうと、不動産業界の景況が悪くなったときに全ての案件がダメージを受ける恐れがあるのです。例えばリーマンショックの時、東京都内の不動産公示地価は2008年から2009年の1年間で10%以上も下落しました。

不動産は売買するタイミングにより、相場から大きく乖離した価格でしか売却できないこともあります。不動産事業者が一斉に不況に陥って返済が遅延したため、仕方なく担保に設定した不動産の案件を売却したが半値でしか売れなかった、などのケースもあり得るのです。特に資金返済のための売却では足元を見られる可能性もあります。

そのような事態に陥ったときに投資している案件のすべてが不動産関係だったとすると、十分に資金が戻らない可能性が高くなります。

最近ではクラウドバンクなど、融資先の事業を詳細に公開しているソーシャルレンディングサイトも増えています。不動産関係の案件だけではなく、例えばFundsのように上場企業の運転資金や信頼性の高い会社などの投資案件を利用することで、投資先の事業や分野を分散していきましょう。

3.投資の運用期間を分散する

ソーシャルレンディング案件を選ぶときのポイントの一つが、案件の運用期間です。24ヶ月案件のような長期の運用期間と、3ヶ月といった短期案件の両方を組み合わせることでリスクを分散していきましょう。

途中償還なしの長期の案件で運用期間が2年間の場合、分配金の受取りが少なくとも24回続くので投資効率は良くなります(毎月分配の場合)。しかし2年もの長期にわたってしまうと、その間に投資先の会社の経営が悪化する可能性がありますし、リーマンショックのように大規模な経済不況が発生しないとも限りません。

長期の運用案件につきまとうリスクを避けるため、短期の運用案件を是非とも併用したいところです。一方で、短期の運用案件では資金を遊ばせる期間が長くなる可能性があり、収益性は悪くなりがちです。

短期の運用案件、中期の運用案件、そして、長期の運用案件をうまく組み合わせていくことで運用期間の分散を計ります。投資タイミングも少しずつずらしていきましょう。

4.投資する国を分散する

例えばSBIソーシャルレンディングやクラウドバンクのような大手ソーシャルレンディングサイトでは、国内の会社に対して融資を行っています。他にも現在運用中のソーシャルレンディングサイトを見ても、案件のほとんどが国内の会社に対する融資です。

もしバブル経済の崩壊のように日本全体を巻き込む不況が起きた場合、投資先の会社のすべてが影響を受ける可能性があります。

そこで考えたいのは融資する国を分散することです。海外の案件を専門に取り扱っているクラウドクレジットでは、ロシアや西欧諸国のような先進国や大国、カンボジア、ペルー、ジョージアなどの発展途上国を含む20カ国以上の投資案件を扱っています。国全体のリスクを避けるには、投資の対象として国を分散することを今後は考えていく必要があると言えます。

また、最近では徐々に海外の会社に投資できる案件も増えています。オーナーズブックはアメリカの不動産会社と提携しており、今後は海外の不動産案件が期待されます。さらに、7月から運営を開始したばかりのソーシャルレンディング会社COOLでは、外国人の社長がアジアを中心に事業を展開する会社を中心に融資を行うとしています。好景気に沸くアジア各国の企業に投資できれば、これもリスク分散につながると言えます。

5.投資する会社を分散する

投資する国を分散することと共通点がありますが、投資する会社の分散も重要です。2018年に大規模な返済遅延を発生させ、投資家に満足に資金を返済できていないソーシャルレンディングサイトが複数現れました。仮にその中の1社に集中して投資していた場合、投資金が長期間拘束されてその間一銭も収益が発生しなくなります。

しかし、5社に資金を分けて投資していれば、最悪のケースでも損失の割合は20%で済みます。10社に分散していれば、その中の1社で大規模な返済遅延が発生してもダメージは10%で済みます。複数のソーシャルレンディング会社を利用することで、資金が長期間拘束されるリスクや元本が戻ってこないリスクを減らせるのです。

ただし、投資先の会社の質も重要です。むやみやたらに複数の会社に投資すれば良いわけではなく、返済遅延を起こす可能性が低いソーシャルレンディング会社、もしくは、返済遅延を起こしてもすぐに資金を返済した実績のあるソーシャルレンディング会社を中心に選びましょう。

6.不動産投資型クラウドファンディングも利用する

ソーシャルレンディングでは一度資金を投下すれば、そのあとは毎月分配金が支払われる(毎月分配でないサービスもあります)ので、自分で作業を行う必要がほぼありません。そのため、ほぼ不労所得に近い状態で収入を得ることができます。

その反面で、融資先の会社名が分からないなどのリスクは否めません。そこで利用したいのは「CREAL」のような不動産投資型クラウドファンディングです。不動産投資型クラウドファンディングも、同様にほぼ作業は要しません。ソーシャルレンディングと同じように、投資金に応じて定期的に分配金を受取ることが可能です。

それでいて投資の対象である不動産の住所や運営元、投資先の会社などの情報は明らかにされています。致命的なリスクを避けるために、自らが投資対象の情報を詳しく調べて投資の妥当性を判断できるのが大きなメリットです。利回りの数値が妥当なのか、不動産の担保としての価値が妥当なものなのか、不動産の所在地や建物の種類を見ることで判断できます。

貸倒れになる可能性はもちろんゼロではありませんが、ソーシャルレンディングに比べて担保の所在が明らかな点は大きな利点です。ソーシャルレンディングだけでなく、不動産投資型クラウドファンディングも同時に利用してリスクの分散を行いましょう。

まとめ

ソーシャルレンディングに限った話ではありませんが、投資でリスクを避けるには何よりも分散投資が重要です。資金を投下する量とタイミング、そして、投資対象の種類の分散などを心がけましょう。

そして、投資対象も信頼できる会社なのか、事業が実在しているのか、自分で判断してから選ぶ必要があります。最近はソーシャルレンディングでも、不動産投資型クラウドファンディングと同程度に情報の開示が進んでいます。まずは投資案件を十分に吟味のうえ、案件が妥当であるかどうかを判断できるよう、いろいろな角度から研究するようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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