岡三オンラインは取引ツールの使いやすさなどが特徴の証券会社です。現物株や投資信託をはじめ様々な金融商品を取引でき、中でも取引所CFDの「くりっく株365」ではCFD取引に特化した高機能な情報分析ツールを利用できる点が特長です。
そこで、この記事では岡三オンラインのCFD取引「くりっく株365」について主要ネット証券と比較しながらその特徴をご紹介します。メリット・デメリットや評判、始め方なども併せてご説明するので、CFD取引に興味のある方はご参考ください。
※本記事は2021年4月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用を判断ください
目次
- 岡三オンライン「くりっく株365」の特徴
1-1.取扱銘柄
1-2.情報分析ツール
1-3.ロスカットレート
1-4.取引手数料 - 岡三オンライン「くりっく株365」のメリット
2-1.高いレバレッジ効果を期待できる
2-2.配当相当額を受け取れる
2-3.為替リスクが抑えられる
2-4.相場の下落局面でも利益を狙える
2-5.取引可能時間が長い - 岡三オンライン「くりっく株365」のデメリット
3-1.レバレッジによってリスクも高くなる
3-2.配当相当額と利息相当額はコストにもなる
3-3.証拠金以上の損失が出る可能性
3-4.取引できる銘柄が少ない - 岡三オンライン「くりっく株365」の評判
- 岡三オンライン「くりっく株365」を始める手順
5-1.証券総合取引口座を持っている場合
5-2.証券総合取引口座を持っていない場合 - まとめ
1 岡三オンライン「くりっく株365」の特徴
CFD取引とは、株などの現物を保有せずに取引結果の差額だけを決済するデリバティブ取引の一種です。証拠金を預けることで、国内外の株価や株価指数、ETF(上場投資信託)に連動して値動きする銘柄を売買し、取引開始時と終了時の価格差によって決済が行われるため差金決済取引とも呼ばれています。また、預け入れた証拠金よりも大きな金額を運用できるため、レバレッジを効かせた運用が可能です。
CFD取引の種類は、おもに「店頭CFD」と「取引所CFD」に分類され、岡三オンラインで取引できる「くりっく株365」は取引所CFDです。取引所CFDとは、取引所を介して行われるCFD取引のことで、「くりっく株365」は東京金融取引所に上場しています。
取引所CFDでは、証券会社などを通じて取引所で取引されている銘柄を売買することが可能です。投資家が証券会社などに預ける証拠金は、東京金融取引所に預託されるため、万が一、証券会社などが破綻した場合でも預けた証拠金は原則保全される仕組みとなっています。
一方、店頭CFDは、投資家がCFD取引を扱う証券会社などと取引する相対取引です。そのため、店頭CFDを扱う証券会社などによって取扱銘柄は大きく異なります。また、店頭CFDは取引所CFDのような証拠金保全の仕組みがないのも特徴です。
1-1 取扱銘柄
岡三オンラインでは、「くりっく株365」で取引されている株価指数に連動した4銘柄を取引することができます。具体的には、「日経225」「NYダウ(米国)」「DAX(ドイツ)」「FTSE100(イギリス)」という先進4か国の主要株価指数に連動した銘柄の取引が可能です。
1-2 情報分析ツール
岡三オンライン「くりっく株365」の特徴は、これらの銘柄を高機能な情報分析ツールなどを利用しながら取引できる点です。「岡三オンライン株365(WEB版・スマートフォン版)」「ネットトレーダー株365」「RSS 365CFD」「e-profit株365」などのツールを取引に利用することができます。
これらのツールを利用することで主要株価指数の確認だけでなく、過去の価格や出来高、金融経済ニュースなどの情報を得やすくなります。
1-3 ロスカットレート
岡三オンラインの「くりっく株365」は、ロスカット基準値やアラート基準値を自分で設定できる点も特徴の一つとなっています。ロスカット基準値とは、預けている証拠金が取引に必要な証拠金を一定割合下回った場合、それ以上損失を拡大させないために設定される強制決済の数値です。
岡三オンラインでは、ロスカット基準値を50〜100%の間の10%刻みで設定できるため、なるべく損失を拡大させたくない場合に高めに設定するなど、取引スタイルに合わせた調整が可能となっています。
また、ロスカット基準値が近くなると登録しているメールアドレスにその旨を知らせるアラート機能があります。このアラート機能が発動する基準値もロスカット基準値に合わせて自分で調整することが可能です。
1-4 取引手数料
「くりっく株365」は取り扱っている証券会社によって取引手数料が異なり、各銘柄は、基本的に「株価指数×100円」を1枚という単位で取引します。以下表は1枚あたりの売買にかかる手数料(税込)です。
証券会社 | 日経225 | NYダウ | DAX | FTSE100 |
---|---|---|---|---|
岡三オンライン | 156円 | 30円 | 156円 | 156円 |
auカブコム証券 | 156円 | 16円 | 156円 | 156円 |
SBI証券 | 156円 | 30円 | 156円 | 156円 |
岩井コスモ証券 | 220円 | 22円 | 220円 | 220円 |
※「NYダウ」のみ「株価指数×10円」
岡三オンラインは「NYダウ」がauカブコム証券や岩井コスモ証券よりもやや高く設定されています。しかし、その他の銘柄は主要ネット証券各社の中でも最安値の水準です。「NYダウ」を多く取引する場合には取引コストが高くなりますが、その他の銘柄については手数料を抑えた取引が可能となっています。
2 岡三オンライン「くりっく株365」のメリット
ここからは岡三オンライン「くりっく株365」のメリットについて確認してみましょう。
2-1 高いレバレッジ効果を期待できる
岡三オンラインの「くりっく株365」はハイリターンを目指せる点が大きなメリットです。例えば、日経平均株価を原資産とするCFD銘柄「日経225リセット付証拠金取引」の必要証拠金は83,460円です(2021年4月13日時点)。取引時の日経平均株価が29,000円とすると、レバレッジは「29,000円×100(取引倍率)」÷83,460円=約34.7倍となります。
一方、信用取引のレバレッジは約3倍、先物取引(日経225ミニ)のレバレッジは証券会社によって異なりますが15〜20倍程度です。このように岡三オンラインのくりっく株365は、他の証拠金取引と比べても高いレバレッジ効果を期待することができます。
2-2 配当相当額を受け取れる
配当相当額を受け取れる点も岡三オンライン「くりっく株365」のメリットの一つです。株などの資産を直接保有することはありませんが、「買い」で取引をしている場合、現物株と同じように配当金に当たる配当相当額を受け取ることができます。
2020年の配当相当額(1枚あたり)
日経225 | 41,885円 |
NYダウ | 61,397円 |
DAX | 無し(配当込みの価格のため) |
FTSE100 | 23,265円 |
「DAX」のみ配当込みの価格で取引されるため配当相当額は発生しませんが、その他の銘柄は1年あたり2~6万円ほどの実績です。
2-3 為替リスクがが抑えられる
本来、海外の金融商品に投資する場合は現地通貨への両替が必要になるため、為替リスクが発生します。しかし、「くりっく株365」の各銘柄は為替リスクも考慮された上で取引価格が決まるため、個別に為替リスクをおさえて取引することが可能です。
2-4 相場の下落局面でも利益を狙える
岡三オンライン「くりっく株365」は「売り」から取引できる点もメリットの一つです。相場が下落すると予想した場合、売り注文を入れておき、予想通り値下がりした時点で買い戻すことで、売買益を得ることができます。
現物の株取引では相場が下落すれば含み損を抱えることになりますが、くりっく株365で売り建てておけばリスクヘッジに繋がります。
2-5 取引可能時間が長い
現物株などと比べて取引可能時間が長い点もメリットの一つです。「日経225」と「NYダウ」は平日の午前8時30分〜翌朝午前6時まで、「DAX」は夕方16時〜翌朝午前6時、「FTSE100」は夕方17時〜翌朝午前6時まで取引することができます(サマータイムの期間は午前5時まで)。
日本が祝日(1月1日を除く)の場合でも取引できるため、大きく値動きする各種指標の発表やイベントなどを逃さずに取引することが可能です。
3 岡三オンライン「くりっく株365」のデメリット
岡三オンライン「くりっく株365」にはデメリットもあるので、しっかりと確認しておきましょう。
3-1 レバレッジによってリスクも高くなる
岡三オンラインの「くりっく株365」は、レバレッジによってリスクが高くなる点がデメリットの一つです。レバレッジをかけた取引によって手持ち資金よりも大きな金額の取引が可能なため、リターンは大きくなりますが損失も大きくなる点に注意が必要です。
3-2 配当相当額と利息相当額はコストにもなる
売り建てしている場合、配当相当額の支払いが必要な点はデメリットの一つです。買い建ての場合は配当相当額を受け取ることができますが、売建玉を保有している場合は反対に支払いが必要になります。
一方、金利にあたる金利相当額は売り建ての場合に受け取れますが、買い建ての場合は支払いが必要になります。
3-3 証拠金以上の損失が出る可能性
岡三オンラインの「くりっく株365」では、利用者が定めたロスカット基準値でそれ以上損失が拡大しないように損切りとなりますが、市場が大きく変動しているときは取引が成立せずにロスカット基準値を大幅に割り込む水準で強制決済となることがあります。
この場合、預けている証拠金以上の損失が発生する可能性もあり、証拠金を超える損失部分については別途支払い(=追証)が必要になります。
3-4 取引できる銘柄が少ない
岡三オンラインの「くりっく株365」は株価指数に連動した4銘柄のみの取扱となるため、商品先物を対象とした取引を行う場合は慎重な検討が必要です。
なお、東京金融取引所からは金と原油のETFに連動した銘柄も上場予定と発表されているものの、2021年4月13日時点で具体的な日程は未定です。
4 岡三オンライン「くりっく株365」の評判
岡三オンラインの「くりっく株365」について、利用者から寄せられている口コミは以下の通りです。
- 「岡三オンラインの取引ツールは使いやすい」
- 「現物株よりもレバレッジ倍率が大きく資金効率も良い」
- 「配当相当額でインカムゲインも狙うことができる」
- 「ロスカット基準値を高めに設定したら想定外のタイミングでロスカットされた」
- 「配当狙いだったが、指数が値下がりして損失が出た」
※いずれも個人の感想です。サービスに関してご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください。
岡三オンライン「くりっく株365」の利用者からは取引ツールを評価する感想や意見が多く挙がっています。また、レバレッジによって大きなリターンを目指せる点や配当相当額で長期的な運用が可能な点も評判となっています。
一方、株価指数の値下がりなどで損失が発生したなどの口コミがある通り、ハイリスク・ハイリターンな取引であると認識しておく必要があります。
5 岡三オンライン「くりっく株365」を始める手順
岡三オンラインの「くりっく株365」を始めるには「証券総合取引口座」と「取引所CFD口座」を開設する必要があります。なお、証券総合取引口座が未開設の場合でも2つ同時に申し込むことができます。
5-1 証券総合取引口座を持っている場合
すでに証券総合取引口座を持っている場合、ログイン画面から申し込むことができます。口座情報の登録情報照会画面から「くりっく株365」の申込みを選択し、表示される質問に回答の上、交付書類を確認してから同意すると申込みは完了です。審査に通過すると最短で翌営業日から取引ができます。
5-2 証券総合取引口座を持っていない場合
証券総合取引口座を持っていない場合、「くりっく株365」の口座と併せて申し込むことができます。申し込み時に「取引所CFD口座」をチェックして申し込むことで同時開設が可能です。
証券口座の開設にはマイナンバーの確認書類と本人確認書類が必要になります。マイナンバーカードを持っていない場合、住民票の写しなどのマイナンバー確認書類と運転免許証などの身分証明書が必要です。
住所氏名などの証券口座開設に必要な情報の入力などが終わった後、証券口座を持っている場合と同様に表示される質問に回答の上、交付書面などの確認を行うと申込みが完了します。証券口座の開設完了のお知らせは簡易書留で登録住所に届くため、最短2営業日で取引可能となります。
まとめ
岡三オンラインの「くりっく株365」は、日経平均株価などの国内外主要株価指数を対象とした差金決済型の証拠金取引です。少額資金から大きなリターンを狙える上、最安水準の手数料で高機能な取引ツールを利用することができます。
一方、CFD取引は証拠金以上の損失が発生する可能性もあります。証拠金不足となれば不足額の支払いが必要で、期限内に支払いがない場合、保有している建玉の全てが強制決済されるため、注意が必要です。
岡三オンラインの「くりっく株365」を始める際は仕組みやリスクをよく把握した上で、利用者の声も参考にしながら口座開設の検討を行うことが大切です。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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