野村證券のIPO投資の評判は?案件数、主幹事実績などを他社比較

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野村證券はIPO投資をする多くの投資家から支持を得ている証券会社です。国内IPOシェアも発行額ベースでも首位となっており、「IPO投資に強い証券会社」として知られています。

そこで、この記事では野村證券のIPOについて、他社と案件数などを比較し、その特徴を詳しくご紹介します。また、野村證券でIPO投資をするメリット・デメリット、野村證券のIPO投資の評判やIPO投資を始める手順なども解説するので、IPO投資に興味のある方は参考にしてみてください。

目次

  1. 野村證券のIPOの特徴
    1-1.豊富な主幹事実績
    1-2.全ての投資家にチャンスのある配分方法
  2. 野村證券でIPO投資をするメリット
    2-1.資金の拘束がない
    2-2.当選を辞退してもペナルティがない
  3. 野村證券でIPO投資をするデメリット
  4. 野村證券のIPO投資の評判
  5. 野村證券でIPO投資を始める手順
    5-1.IPO銘柄を選択
    5-2.IPO抽選に参加
    5-3.抽選結果を確認
    5-4.購入代金を口座へ入金
    5-5.購入申込
  6. まとめ

1 野村證券のIPOの特徴

野村證券は時価総額などで国内最大規模の証券会社です。国内株式だけでなく、外国株式、投資信託、債券、FXなどの多彩な金融商品を取り扱っており、多くの法人や個人の顧客を対象に幅広い金融サービスを提供しています。

まずは、野村證券のIPOの特徴から詳しく確認してみましょう。

1-1 豊富な主幹事実績

野村證券は、金融情報サービス大手のブルームバーグ・エル・ピーが金融機関の引受実績をランキング付けした「2019年度 日本資本市場リーグテーブル」において日本株式IPO部門(発行額ベース)で1位となっています。

これを可能にしているのが野村證券の強みでもある豊富な主幹事実績です。野村證券は、下記の通り、2020年のIPO市場においても豊富な主幹事実績で存在感を示しています。

主要証券会社のIPO案件数および主幹事実績数(2020年)

項目 野村證券 SMBC日興証券 SBI証券 マネックス証券
案件数 41件 51件 85件 50件
主幹事実績数 22件 16件 15件 0件

案件数だけを見ると野村證券は41件となっており、業界トップの案件数であるSBI証券(85件)や、同じネット専業証券会社のマネックス証券(50件)と比べても少し物足りない印象を受けます。また、野村證券と同じ店舗型証券会社と比較しても、SMBC日興証券(51件)と比べて突出した印象は受けない数字です。

しかし、野村證券が注目されているのは主幹事実績の多さです。2020年は41件のIPO案件のうち半分以上となる22件で主幹事を務めています。SMBC日興証券16件、大和証券15件、SBI証券15件と比べても頭一つ抜けています。

未上場企業が新規で株式を上場する場合、まずは上場の手助けをしてくれる主幹事(主幹事証券会社)を選定してから上場申請の手続きを行います。主幹事とは、上場準備の段階から様々なアドバイスなどを行い、上場申請の手助けだけでなく証券取引所への推薦人なども務める上場の達成には欠かすことのできない中心的な存在です。

その後、上場申請が承認されると主幹事や幹事(幹事証券会社)が公開される新株などを引き受けて顧客にIPO株として販売します。ここでポイントとなるのが主幹事と幹事の株式を引き受ける割合で、上場手続きで中心的な役割を果たす主幹事は幹事よりもはるかに多くの株式を引き受けます。

主幹事が公開される株式の90~95%ほどを一社で引き受けることもあるため、主幹事の実績が多いということはそれだけ多くのIPO株を売り出せるということにつながります。

野村證券のIPO取扱案件数は、他の証券会社と比較して特段多いわけではありませんが、主幹事を務める割合が多いため、顧客に割り当てることのできるIPO株も多く引き受けているのが特徴です。

そのため、野村證券は投資家から見ても多くのIPO株を割り当てられる証券会社となっていることから、IPO投資での大きな存在として注目されています。

1-2 全ての投資家にチャンスのある配分方法

野村證券では新規上場企業から引き受けたIPO株を以下の2つの方法で個人投資家に配分しています。

オンラインでの完全平等抽選

オンラインでIPOの抽選に申し込んだ全ての個人投資家にひとり一口の応募権利を付与して抽選を行う方法です。全ての投資家が資金力などに左右されず抽選を受けられる方法となっているので、資金力のない個人投資家にも平等にチャンスがあります。

店頭配分

店舗に口座を持っている個人投資家に営業担当者などの裁量でIPO株を配分する方法です。IPO投資は上場後の初値で売却すると利益を得やすいため、証券会社の営業マンは上顧客との関係維持や他の取引で損失の発生した顧客への補填などを目的としてIPO株を配分します。

また、個人投資家に配分される株式総数のうち、完全平等抽選で割り振られる割合は10%以上と公表されています。

このように、野村證券は主幹事を務めるIPO案件でより多くの株式を配分することができるため、多くの個人投資家にもIPO投資のチャンスがあります。

2 野村證券でIPO投資をするメリット

野村證券のIPO投資は、主幹事実績の豊富さや誰でもチャンスのある抽選方法が特徴ですが、これ以外にも次のようなメリットがあります。

2-1 資金の拘束がない

通常、IPO抽選に参加する際は申し込んだ株式を購入できる資金を口座に準備しておく必要があります。

しかし、野村證券では抽選に申し込む段階では資金が不要で、当選した後の購入手続きまでに準備すれば当選したIPO株の購入が可能です。IPOに申し込む際に口座資金が拘束されないため、限られた予算でも多くのIPOの抽選に申し込むことができるので、投資家にとって大きなメリットです。

2-2 当選を辞退してもペナルティがない

通常、当選のお知らせから購入手続きまでの期間はどこの証券会社も概ね3~4日ほどと短く、購入締切期限までに口座資金の準備と購入手続きの両方を完了する必要があります。しかし、当選結果の確認など怠った場合、気付かないうちに当選した権利を放棄することもあるため、注意が必要です。

また、証券会社によっては、このような不慮のケースであっても今後のIPO投資に支障を来たすようなペナルティが課されることもあります。例えば、SMBC日興証券では当選後に当選辞退の操作をした場合や申込期間内に手続きを怠った場合、当選辞退として取り扱われます。

当選を辞退した場合、辞退した日から1か月間(期間内に手続きをしなかった場合は当該IPOの募集申込の最終日から1か月間)は新たなIPOの申し込みができなくなり、さらにその時点で他のIPOに申し込んでいる場合はその申し込みが全て無効になります。

このように、当選辞退によってペナルティが課される証券会社もある一方、野村證券はIPO抽選に当選した場合、参加する権利を辞退してもペナルティが発生しないのも大きな特徴です。

3 野村證券でIPO投資をするデメリット

野村證券のIPO投資では、下記の通り、売却時の取引手数料がやや高い点に注意が必要です。

証券会社各社の取引手数料(税込)

引金額 野村證券 SMBC日興証券 SBI証券 マネックス証券
10万円 152円 137円 99円 99円
30万円 330円 275円 275円 275円

※いずれも2023年1月時点

上表は、IPO案件数などを比較した証券各社の国内現物株式1取引あたりの約定手数料を取引金額10万円と30万円でそれぞれまとめたものです(様々な取引コースを設けている証券会社については、定額制以外で一番手数料が安くなるオンライン取引の一約定あたりの手数料となっています)。

購入したIPO株を10万円で売却した場合の手数料は、野村證券が比較的高く、税込152円です。また、売却代金が30万円となった場合も野村證券が330円ですが、他の証券会社は全て275円となっているなどやや割高です。

ただし、IPO株は証券会社から株式を購入する際、上記のような取引手数料が一切かからず、「申込価格×株数」のみで取引できるため、取引手数料が発生するのは株を売却するタイミングの1回だけとなります。そのため、IPO投資における取引手数料の高さは、そこまで大きな負担にはなりません。

4 野村證券のIPO投資の評判

野村證券のIPO投資を体験した投資家からは以下のような口コミを確認することができます。証券会社選びの参考に活用しましょう、

  • 「資金拘束なしでIPOに申し込めるので多くの案件に申し込むことができる」
  • 「取引手数料は少々高いが気にならない」
  • 「目当てのIPO銘柄を扱っていなかった」
  • 「何度も申し込んでいるのに一度も当たったことが無い」
  • 「他の証券会社では一度も当たったことは無かったが、野村證券で初めて当選した」

※上記はすべて個人の感想です。最新情報などについてはご自身でもよくお調べの上、ご利用をご判断ください。

野村證券で特に多く寄せられるのは、「資金拘束なしでIPOに申し込める」という意見です。申し込み時点での口座資金が不要のため、手間さえ惜しまなければ多くのIPOに申し込むことができます。抽選を受ける回数が増えると当選する確率を引き上げることにもつながるため、多くの投資家がこの点にメリットを感じています。

また、野村證券は資金調達規模が1千億円を超えるような大型IPO案件でも主幹事を多数務めた実績があります。そのため、偶然でも大型IPO案件に巡り合えると配分される株式数も相当多くなるため、1回目や2回目の少ない応募で当たる場合もあります。

一方、銘柄を指定してIPO投資をしようと考えている方にとっては希望の銘柄を扱っていない場合もあります。また、何度申し込んでも当たらないという口コミがある通り、どこの証券会社でもIPO銘柄は注目されており、基本的には高い倍率での抽選となるため、なかなか当選しないのも実情です。

これは、他の証券会社にも共通して寄せられている口コミとなるので、当選確率を少しでも上げるためには、なるべく多くのIPO案件に申し込むなどの方法が取られています。

5 野村證券でIPO投資を始める手順

野村證券でIPO投資を始める手順について簡単にご紹介します。野村證券で完全平等抽選を受けるためにはオンライン口座の開設が必要です。口座開設が済んでいない場合は、ネットや郵送、電話での手続きで口座を開設することができます。

口座を開設した後は、次の手順にしたがって手続きを進めます。

5-1 IPO銘柄を選択

オンラインサービスにログイン後、「取引」メニューから「IPO/PO銘柄一覧」画面を選択し銘柄を選択します。

5-2 IPO抽選に参加

銘柄一覧の「抽選申込受付中」の銘柄は抽選を申し込むことができます。ここで、目論見書なども確認することができるので、公募価格決定の日や仮条件などをしっかり確認しておくことが重要です。

5-3 抽選結果を確認

公募・売出価格決定日の18:00~21:00までに抽選結果がオンラインサービス画面で公表されるので、オンラインサービスにログインし、抽選結果を確認する作業が必要です。

5-4 購入代金を口座へ入金

当選した場合、購入申込の前にあらかじめ購入代金の準備が必要です。オンラインサービスからの入金やATM、銀号振込などで口座に購入代金を準備します。

5-5 購入申込

銘柄ごとに指定された購入申込期間内に購入の手続きが必要です。この期間内に手続きを行わないと購入権利を放棄したものとみなされるので注意します。

以上が野村證券でIPO投資を始める具体的な手順です。難しい操作などは基本的に不要のため、募集中のIPO銘柄に何件も応募することができます。

まとめ

この記事では野村證券のIPO投資における特徴やメリット・デメリットなどをご紹介しました。野村證券は多くのIPO案件で主幹事を務めている上、資金拘束なしでIPOに申し込める点がメリットである一方、取引手数料が割高などのデメリットもあります。

IPOの当選確率アップなどを目指している方は、各証券会社の抽選方式や手続き方法などをしっかりと確認した上で、IPO投資に強い証券会社を検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チームは、株式投資に関する知識が豊富なメンバーが株式投資の基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」