野村證券の手数料は安い?他大手証券・ネット証券と比較

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野村證券は、現物取引や信用取引、投資信託、FXなど様々な金融商品を取り扱っている国内大手の証券会社です。ネット証券とは異なり、資産運用に関する充実した対面サービスを受けられるほか、店頭証券であっても手数料を安く済ませたい方のために、オンライン専用支店も用意されています。

この記事では、野村證券の取引手数料を他の大手証券やネット証券と比較しながら解説していきます。野村證券の株式取引の手数料について詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

※本記事は2021年5月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用を判断ください。

目次

  1. 野村證券の特徴
  2. 取引手数料比較
    2-1.国内株式
    2-2.外国株式
    2-3.信用取引
  3. まとめ

1 野村證券の特徴

野村證券は、国内大手の証券持株会社である野村ホールディングスの100%子会社にあたる証券会社です。野村証券は、野村グループの中核会社という立場で証券業務を担っています。

野村証券で株式投資を行う場合、店舗とオンラインの両方でサービスを受けられます。店舗では、担当者と対面で株式取引に関するさまざまな相談ができる一方、オンラインでは、投資情報の収集をしたり、保有資産をネット上でチェックしたりできる環境となっています。また、取引をオンライン上で完結させることも可能なほか、コールセンターを利用して、オペレーターから株式投資のサポートを受けられるのも特徴です。

2 現物株式の手数料比較

野村證券の取引手数料を、他大手証券やネット証券と比較しながら見ていきましょう。

2-1 国内株式

野村證券の国内株式の現物取引手数料は取引金額に応じて決まりますが、他の大手証券やネット証券も共通です。野村證券、他大手証券とネット証券計四社の国内株式現物取引の手数料は、下表の通りです(金額は1注文当たりで税込・各証券会社の取引手数料は最も安いコースとなっています)。

項目 野村證券 みずほ証券 SMBC日興証券 SBI証券 楽天証券
5万円まで 152円 約定代金×0.34650%(最低1,045円) 137円 0円 0円
10万円まで 152円 約定代金×0.34650%(最低1,045円) 137円 0円 0円
30万円まで 330円 約定代金×0.34650%(最低1,045円) 198~275円 0円 0円
50万円まで 524円 約定代金×0.34650%(最低1,045円) 440円 0円 0円
100万円まで 1,048円 約定代金×0.34650% 880円 0円 0円
200万円まで 2,095円 約定代金×0.26400%+825円 1,650円 0円 0円
300万円まで 3,143円 約定代金×0.26400%+825円 2,200円 0円 0円
500万円まで 5,238円 約定代金×0.24750%+1,320円 3,300円 0円 0円
1,000万円まで 10,476円 約定代金×0.20790%+3,300円 4,950円 0円 0円
2,000万円まで 20,952円 約定代金×0.16830%+7,260円 9,900円 0円 0円
3,000万円まで 31,429円 約定代金×0.16830%+7,260円 16,500円 0円 0円

(すべて税込表記。2023年10月13日時点)
※SBI証券:ゼロ革命の対象者のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ

野村證券を含めて店頭証券の取引手数料は、ネット証券と比較すると高くなります。例えば、取引金額が30万円の場合、野村證券の手数料は330円であるのに対し、SBI証券や楽天証券の手数料は0円です。

取引金額が200万円になると、野村證券の手数料は2,095円であるのに対し、SBI証券と楽天証券の手数料は変わらず0円であるため、取引金額が大きくなるとその差はさらに広がります。また、野村證券の場合、取引金額が5,000万円を超えると、手数料は一律78,571円になります。

2-2 外国株式

野村證券、みずほ証券、SMBC日興証券などの大手証券と、SBI証券、楽天証券などのネット証券の外国株式の現物取引手数料を比較すると、以下の通りです(金額は1注文当たりで、各証券会社の取引手数料は最も安いコースです)

大手証券(野村証券・みずほ証券・SMBC日興証券)

項目 野村證券 みずほ証券 SMBC日興証券
30万円まで 2,389円~3,142円 6,050円 約定代金×1.265%
100万円まで 4,274円~6,160円 約定代金×1.1%+2,750円 最大1万2,650円
300万円まで 8,045円~1万8,857円 約定代金×0.99%+3,850円 1万2,650~3万2,450円
500万円まで 2万2,125円 約定代金×0.88%+7,150円 3万2,450~5万2,250円
1,000万円まで 3万6,038円 約定代金×0.77%+1万2,650円 5万2,250~9万750円
3,000万円まで 7万400~13万7,447円 約定代金×0.66%+2万3,650円 9万750~21万7,250円
5,000万円まで 18万8,570円 約定代金×0.55%+5万6,650円 21万7,250~29万9,750円
1億円まで 25万1,429円 約定代金×0.44%+11万1,650円 29万9,750~42万3,500円

(すべて税込表記。2021年5月14日時点)

ネット証券(SBI証券・楽天証券)

項目 SBI証券 楽天証券
米国株式 ・約定代金×0.495%
・約定代金が2.02ドル以下の場合は取引手数料無料
・上限手数料22ドル
・約定代金×0.495%
・約定代金が2.22ドル以下の場合は取引手数料無料
・上限手数料22ドル
中国株式 ・約定代金×0.286%
・最低手数料51.7香港ドル
・上限手数料517香港ドル
・約定代金10万円まで550円
・約定代金10万円超~100万円未満、約定代金×0.55%
・約定代金100万円以上5,500円
アセアン株式(タイ株式・シンガポール株式・マレーシア株式・インドネシア株式) ・約定代金×1.1%
・最低手数料837.1タイバーツ(タイ株式)
・最低手数料30.8シンガポールドル(シンガポール株式)
・最低手数料83.6マレーシアリンギット(マレーシア株式)
・最低手数料261,800インドネシアルピア(インドネシア株式)
・売却代金が最低手数料未満の額である場合、約定代金×55%
・約定代金×1.1%
・最低手数料550円
・現地手数料・諸費用は無料

(すべて税込表記。2021年5月14日時点)

野村證券の外国株取引手数料は他の大手証券と比べて安め

野村証券の外国株式の現物取引手数料は、みずほ証券やSMBC日興証券よりも安いのが特徴です。例えば、100万円分の外国株式の現物取引をする場合、みずほ証券は1万3,750円、SMBC日興証券は1万2,650円となりますが、野村證券は6,160円と半額以下で済みます。

1,000万円の取引でも野村證券は3万6,038円なのに対し、みずほ証券は8万9,650円、SMBC日興証券9万750円となります。数千万円単位の外国株式の現物取引をする場合、野村證券を利用すると、みずほ証券やSMBC日興証券を利用したときと比較して、手数料が数万~数十万円単位で安く済みます。

ネット証券と比べると高い

ネット証券のSBI証券や楽天証券では、国別の株式ごとに取引手数料の算出方法が規定されています。また、米国株式の現物取引(SBI証券では中国株式の現物取引も)の手数料には上限が設けられていたり、約定代金が一定以下の額である場合、手数料無料になったりします。

例えば、100万円で米国株式の現物取引を行う場合、野村證券の手数料は6,160円ですが、SBI証券や楽天証券は約2,420円となります。SBI証券や楽天証券では、22ドル(1ドル110円換算で約2,420円)が米国株式の現物取引手数料の上限額なので、約定代金がこれ以上大きくなっても、手数料が約2,420円を超えることはありません。

また、野村證券の外国株取引手数料で、SBI証券や楽天証券での上限手数料より安くなるのは20万円までです。しかし、SBI証券や楽天証券で20万円分の米国株式の現物取引をした場合、手数料は990円となるため、それでも野村證券のほうが高くなります。

このように米国株式の現物取引をする場合、取引金額にかかわらず、SBI証券や楽天証券よりも野村證券のほうが手数料は高くなります。

2-3 信用取引の手数料比較

野村證券と他大手証券やネット証券の信用取引手数料は、以下の通りです。(金額は1注文当たりで税額・各証券会社の取引手数料は最も安いコース)

項目 野村證券 みずほ証券 SMBC日興証券 SBI証券 楽天証券
取引手数料 524円 無料 無料 無料 無料

(すべて税込表記。2023年10月13日時点)

大手証券の中で手数料が発生するのは野村證券のみ

野村證券で信用取引を行う場合、約定代金にかかわらず、1注文あたり524円の取引手数料が発生します。一方、みずほ証券やSMBC日興証券では、手数料無料で信用取引を行えるのが特徴です。

ネット証券と比較しても野村証券の手数料は高い

SBI証券では2023年9月30日よりゼロ革命の対象者は信用取引を含む国内株式の取引手数料が無料、また楽天証券でも2023年10月1日より開始したゼロコースでは手数料無料となっており、金額に関わらず手数料が発生しない仕組みとなっています。

借入金利や貸株料を含めると野村證券のほうが費用が安いケースも

証券会社で信用取引を行う場合、手数料のほか、借入金利や貸株料などの諸費用があります。借入金利とは、信用取引をする際、証券会社からお金を借りたときに発生する金利のことです。貸株料とは、信用取引をする際に証券会社から借りた株券の費用を言います。

野村證券のオンライン専用支店の口座で信用取引を行った場合、制度信用取引か一般信用取引かを問わず、借入金利は0.5%になります。これに対して、みずほ証券では2.98%、SMBC日興証券の場合、制度信用取引2.5%、一般信用取引3%です。

また、野村證券で信用取引を行ったときの貸株料は一律1.15%であるのに対し、SMBC日興証券の場合、一般信用取引の貸株料は1.4%となっています。

このように信用取引を行う際の総合的な費用で見ると、大手証券の中では野村證券の条件が費用が安くなるケースもあります。

まとめ

野村證券の現物取引手数料は、約定金額で異なるものの、他の大手証券と比べて同水準です。一方、外国株式の現物取引手数料は相場より安いのが特徴です。しかし、SBI証券や楽天証券などのネット証券と比較した場合、最安コースでも手数料は高くなります。

なお、野村證券の信用取引手数料は一律524円が発生するため、他の大手証券やネット証券より高いものの、信用取引では金利によって総合的なコストが高くなることもあるので、借入金利や貸株料などの諸費用を含めて計算することが大切です。

総合的に見ると、野村證券を含めて大手証券会社の取引手数料は、対面・電話・オンライン取引で異なりますが高めです。一方、ネット証券は手数料が安いなどの強みはありますが、店頭証券のような直接相談しながら商品を選ぶといった対面サービスは望めません。

取引手数料で証券会社を選ぶ際は、安さだけを重視するのではなく、各証券会社のサービス内容や諸費用を含めて検討することが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チームは、株式投資に関する知識が豊富なメンバーが株式投資の基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」