米テスラのCEOであるElon Musk氏が、テスラで導入する予定だったビットコイン決済の中止を5月13日に発表した。
Musk氏は自身のTwitterを通して、テスラ製品の購入時にビットコイン決済を導入することを中止する旨を明らかにしている。理由は、ビットコインのマイニングによって発生する化石燃料が増加する可能性があるためだという。
ビットコインのマイニングに使用される電力については、再生可能エネルギーなどの使用が進められているものの一部で環境に悪影響を及ぼす燃料が使用される可能性がある。Musk氏は、「ビットコインには将来性があると認識している一方で環境に大きな負荷をかけるわけにはいかない」と言及した。
テスラはビットコイン決済を中止したものの、保有するビットコインを売却する方針はないという。また、マイニングが再生可能エネルギーなどに本格的に移行できた場合には、改めてビットコイン決済の導入を検討するとしている。
テスラが2020年中に総額15億ドルをビットコインへ投資していたことは、今年の2月に明らかとなっていた。これは、当時のビットコイン保有上場企業ランキングでトップとなる金額であり、市場が大いにも盛り上がるきっかけとなっている。
今回の中止発表でも市場は大きな変動を見せる結果となり、テスラの影響を強く受けていることを物語る形となった。
米シティグループの調査によると、現在のビットコインマイニングによる電力消費は、2015年後半と比べて66倍に増加しているという。これは、ビットコインの価格が高騰するにつれてマイニング事業の参入する事業者が増加していることの表れだろう。
ビットコインのマイニングの場合、無数のマイナーによる早い者勝ち競争が行われている。1ブロックにつき1人のマイナーが勝者となるため、マイニングに成功しなかったマイナーが消費した電力は無駄なものになってしまう。
この消費電力をビットコインの価値の源泉と考える意見も多く出ているが、環境に負荷を与えていることは否めないだろう。
【関連記事】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】Elon Musk on Twitter: “Tesla & Bitcoin… “
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