信用取引の始め方は?証券会社選びや銘柄選びなど手順に沿って解説

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信用取引は手元資金の約3.3倍までの取引が行えるため、資金効率の高い取引として市場参加者に広く利用されています。しかし、銘柄選びや売買のタイミングを間違えると、思わぬ損失に繋がる可能性もあるため、仕組みやリスク、選ぶ際のポイントについても理解しておくことが大切です。

この記事では、信用取引の始め方について、信用取引の特徴や証券会社・銘柄の選び方、注意点について詳しく解説します。信用取引に関心のある方、信用取引を行える証券会社を知りたい方は参考にしてみてください。

※本記事は2022年6月7日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 信用取引とは
    1-1.信用取引の種類
    1-2.信用取引の特徴
  2. 信用取引の銘柄の選び方
    2-1.値上がり率ランキング
    2-2.出来高を確認する
    2-3.チャートの位置と方向性を確認する
    2-4.証金残と信用残を確認する
    2-5.売買コストを確認する
  3. 信用取引を行う証券会社の選び方
    3-1.サービス内容
    3-2.売買手数料
    3-3.信用金利
  4. 信用取引の注意点
    4-1.追証
    4-2.逆日歩
    4-3.信用返済期日
  5. まとめ

1 信用取引とは

信用取引とは、証券会社から資金や株券を借りることで、手元資金の約3.3倍までの取引が行える制度です。例えば、信用取引の保証金として現金100万円を入金した場合、約330万円までのポジション(建玉=決済前の株があること)を建てられます。

証券口座に預け入れた現金や現物株式を担保にすることで資金以上の取引を行えることから、現物取引と比べて高い資金効率が特徴です。

1-1 信用取引の種類

信用取引は返済期日に応じて、主に3種類の取引方法があります。

  • 一日信用取引
  • 制度信用取引
  • 一般信用取引

一日信用取引とは、返済期日が当日中と決められた信用取引です。その日の取引時間の間にポジションを解消する必要がある一方、信用取引の種類の中で取引にかかるコストが最も低いため、デイトレードに向いています。

制度信用取引は、原則としてポジションを取ってから6ヶ月目の当日前営業日までに返済期日を迎える信用取引です。一日信用取引より返済期日は長いものの、一般信用取引と比べると返済期日が短くなります。しかし、一般信用取引と比べて、金利や貸株料などの取引コストを抑えられるという特徴があります。

一般信用取引は、原則3年で返済期日を迎える信用取引です。信用取引の中で最も長くポジションを保有できることに加えて、ほとんど全ての上場株式を買い建てられる特徴があります。

このように、信用取引を行う目的に応じて取引方法を使い分けることが可能です。

1-2 信用取引の特徴

信用取引の強みは、買建と売建という両方のポジションを建てられることにあります。買建は証券会社から資金を借りることで、手元資金以上にポジションを新たに建てられます。

一方、売建は証券会社から株券を借りることで、売りから取引できる建て方(=空売り)です。株価の下落局面でリターンを得られることから、株価が上がらないと利益が得られない現物取引と比べて、収益を獲得できるチャンスを増やせます。

例えば、株価が下落しそうな銘柄を株価1,000円で100株売り建て、実際に下落した後、株価900円で100株買い戻せば、100円×100株=10,000円の利益を得ることができます。

また、保有している現物株の株価下落を回避しながら株主優待を受け取りたい時、その株を新たに売り建てることで、損失を回避しながら株主優待を受け取れる「つなぎ売り」も可能です。このように、信用取引を上手く活用できれば、株価の下落を回避するリスクヘッジとして役立たせることができます。

2 信用取引の銘柄の選び方

信用取引は証券会社に信用取引専用の口座を開設することで取引できます。信用取引の口座開設では、金融資産額や投資経験等に関して審査が行われるなど、一定の条件をクリアする必要があります。

審査を通過し、信用取引専用の口座が開設できたら、銘柄を選択して取引を始めます。具体的な銘柄の選び方と、信用取引を利用するための証券会社の選び方は、以下の通りです。

2-1 値上がり率ランキングを確認する

信用取引は長期的に保有するほど取引コストがかかる仕組みなので、選ぶ銘柄は基本的に短期間で利益を狙える銘柄となります。例えば、信用取引を行う時間軸に応じて、値上がり率ランキングを確認します。上位に表示されている銘柄ほど値幅が大きく、収益機会があるので、信用取引を行う銘柄を選ぶ際のポイントになります。

2-2 出来高を確認する

出来高の数量を確認することも大切です。出来高は売買が成立した株数を表すため、数量が多いほど、取引が活発に行われていることを示します。また、数量が多いほど流動性が高いため、大きな資金を入れやすくなります。ランキングで上位表示されている銘柄のうち、出来高の数量が多い銘柄を併せてピックアップしてみましょう。

2-3 チャートの位置と方向性を確認する

上位表示されている銘柄の中から出来高が多い銘柄をピックアップできたら、チャートの位置と方向性を確認します。買建を検討している場合、チャートが右肩上がりで上昇トレンドを描いている銘柄であるかをチェックします。

反対に売建を検討している場合、チャートが右肩下がりで下降トレンドを描いているかを確認します。予定する建玉に対して、チャートの方向性が合っている銘柄を絞り込みましょう。

2-4 信用取引残高の確認

チャートの位置と方向性を確認することで、銘柄の絞り込みが終わったら信用取引残高を確認します。信用取引残高は、証券取引所が発表するものと日本証券金融会社が日々公表するものの2種類あります。

信用取引残高を確認することで、現在における信用取引の需給バランスと、潜在的な売り買いの圧力を確認できます。基本的に信用買い残が多ければ将来の売り圧力が強まり、信用売り残が多ければ、将来の買い圧力が高まることを示します。

2-5 売買コストの確認

最後に売買コストを確認します。信用取引の売買コストには、売買手数料や貸株金利などのコストもありますが、銘柄を選ぶときに確認したい売買コストは、売建のポジションを保有する時にかかる逆日歩です。

逆日歩は、信用売り残高が信用買い残高を上回る際にかかるコストであり、株式の売り方が買い方に支払う金利となります。1日ごとに1株あたり何円という計算になるため、逆日歩が発生している時には建玉を保有しているだけで、コストがかかります。逆日歩の発生している銘柄はなるべく避けて、銘柄選びを行いましょう。

3 信用取引を行う証券会社の選び方

信用取引を行う証券会社は、主に信用取引にかかるコストの安さとサービス内容から選ぶのがポイントです。

3-1 サービス内容

証券会社によっては、一日信用取引や新興市場の銘柄を空売りできない場合もあるので、証券会社を選ぶ際、取り扱っている信用取引の内容をしっかり確認する必要があります。制度信用取引や一般信用取引のみの利用なら多くの証券会社が対応していますが、デイトレードや時価総額の低い新興市場の銘柄を取引したい時は、特に事前確認が必要です。

3-2 売買手数料の有無

信用取引にかかる売買手数料は、証券各社によって手数料体系が異なります。売買手数料は、基本的に1日または1回あたりの約定代金に応じて支払われます。信用取引にかかる大手ネット証券の売買手数料は、次の通りです。

証券会社 1注文の約定代金500万円 1日の約定代金合計500万円
SBI証券 385円 2,200円
楽天証券 385円 5,500円
マネックス証券 385円 5,500円
松井証券 5,500円 5,500円
岡三オンライン 1,320円 2,090円

証券会社の中には売買手数料を無料としているところもあるため、手元資金の金額に応じて手数料体系が安い証券会社を選ぶのもポイントです。

3-3 信用金利

売買手数料を確認したら、信用金利の高さも確認します。信用買いを行う場合、証券会社から現金を借りることになるため、金利が発生します。信用金利はポジションを取るたびにかかるコストなので、金利の低い証券会社を選ぶのがポイントです。

信用金利は証券会社によって異なります。例えば、大手ネット証券の信用取引の買方金利は、制度信用と一般信用で次のように定められています。

証券会社 制度信用取引 一般信用取引
SBI証券 2.80% 2.80%
楽天証券 2.80% 2.80%
マネックス証券 2.80% 3.47%
松井証券 3.10% 4.10%
岡三オンライン 2.60% 2.80%

4 信用取引の注意点

信用取引には現物株取引と異なるリスクがあります。具体的に確認してみましょう。

4-1 追証

信用取引は手元資金の約3.3倍まで取引を行えるため、場合によっては手元資金以上に損失を被る可能性もあります。信用取引には追証(追加保証金)と呼ばれる仕組みがあり、追証は証券各社が定める委託保証金率を下回るときに発生します。追証が発生すると、新たに証券口座を入金するか建玉の返済を求められます。

委託保証金率は、信用取引を始めるときに担保として差し入れる必要がある委託保証金の割合を指します。委託保証金率は法令により約定代金の30%以上と定められており、委託保証金は最低でも30万円以上差し入れることが求められます。

追証が期限までに解消されない場合、強制的に全建玉の決済が行われた上で、支払われない損失分については遅延損害金が発生することになります。レバレッジを限界までかけると、少しの含み損で追証が発生するため、委託保証金率には常に余裕を持たせておくなどの対策が必要です。

4-2 逆日歩

信用取引を行う際、現物取引にはないコストが発生します。特に売建するときにかかる「逆日歩」は、事前に費用を予想することが難しく、信用売り残高が信用買い残高を上回ることで発生するコストです。

逆日歩は、1株あたりの逆日歩×信用売り株数×建玉の保有日数で算出できるため、例えば、逆日歩3円の銘柄を信用売りで1,000株建てた時に3日間保有すると、3円×1,000株×3日間=9,000円を支払う必要があります。

また、建玉の保有日数には営業日だけではなく、土日祝日も含まれます。1株あたりの逆日歩の金額は信用取引残高に基づいて計算されることから、日々変動します。逆日歩の最高料率は10倍までと決まっていますが、10倍に引き上げられた場合には支払うべき逆日歩は10倍になるため、多額のコストとなります。

売建時には信用取引残高を常にチェックし、逆日歩がいくらかかるのか意識することが大切です。

4-3 信用返済期日

信用取引には建玉の種類に応じて、返済期日が定められています。返済期日を過ぎた場合、証券会社によって信用取引の建玉が任意に決済されるため、含み損を抱えていれば損失が確定することになります。一般信用取引の中には返済期日が無期限となる取引区分が存在するものの、基本的に現物取引のように長期間保有できないことが多いため、注意が必要です。

まとめ

信用取引は、約3倍のレバレッジをかけられる資金効率の高い投資方法です。証券会社で信用取引口座を開設すればすぐに始められますが、手元資金以上に損失を被る可能性や、逆日歩など現物取引と異なる手数料に注意が必要です。

取引手数料は各証券会社によって異なるため、事前にサービス内容を確認した上で検討しましょう。また、銘柄選びは、出来高や流動性、チャートの方向性などがポイントになるので、これらの指標を参考にしながら検討してみてください。

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