株式投資、証券会社の選び方は?比較すべきポイント4つ

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株式投資の普及に伴って証券会社の数も増加傾向にあるため、「どこの証券会社を選べばいいのか分からない」と感じている方もいるのではないでしょうか。各証券会社の取り扱う商品の種類や取引手数料などはそれぞれ異なるので、自分の投資スタイルや目的に合った証券口座を選ぶことが大切です。

この記事では、証券会社の選び方や比較したいポイントについて、詳しく説明していきます。株式投資を始めたい方やサービスの違いについて知りたい方は参考にしてみてください。

※本記事は、2022年5月17日の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 株式投資とは
  2. 株式投資で証券会社を選ぶ4つのポイント
    2-1.取引コストの安さ
    2-2.取扱銘柄の種類
    2-3.取引ツール
    2-4.投資判断に役立つ各コンテンツ
  3. 株式投資の始め方
  4. まとめ

1 株式投資とは

株式投資とは、企業が発行する株式を買付け、「キャピタルゲイン」及び「インカムゲイン」によって収益を得る資産運用の一つです。

キャピタルゲインとは、保有している株式を売却することによって得られる値上がり益です。例えば、10万円で購入した株式が15万円になった時に売却すれば、売買差益である5万円(手数料等を除く)がキャピタルゲインとなります。一方、売却することによって損失が出ることを「キャピタルロス」と言います。

次に、インカムゲインとは、主に株式を保有することによって得られる配当金を指します。配当金は、権利確定日から2〜3か月後に受け取ることができるので、株式の保有を続けることで継続的な配当収入を期待できます。

また「株主優待」を受けられるケースもあります。株主優待とは、株主に向けて自社商品や優待券を贈る制度であり、投資家の中には株主優待を目的に株主になる人もいます。株主優待は、全ての上場企業が行っているわけではないものの、国内上場企業の約40%が優待制度を導入しています。

株式投資は一見難しそうなイメージがあるものの、最近はスマホで感覚的に操作できるアプリや、投資上級者とも繋がれるSNSサービスなども普及しているため、初心者の方でも始めやすくなっているのが特徴です。

また、「単元未満株」を扱う証券会社もあるので、少額からの投資も可能です。単元未満株とは、証券取引所で定められている最低売買単位に満たない株数で取引できる株式を指します。

通常は100株単位の取引が基本となるのに対し、単元未満株では1株から購入可能です。そのため、1株5,000円の企業なら50万円程度の手元資金が必要になるところ、単元未満株では5,000円から取引を始められます。

2 株式投資で証券会社を選ぶ4つのポイント

各証券会社で特徴やサービスの強みは異なります。豊富な取扱銘柄数や安価な手数料体系を強みにしている証券会社もあれば、取引ツールの分析機能を強みにしている証券会社もあるなど多種多様です。以下では、証券会社を選ぶ際に比較したいポイントをご紹介していきます。

2-1 取引コストの安さ

証券会社選びで重要なのが取引にかかるコストです。株式投資の取引コストとは、「売買手数料」や「口座管理費」等を指します。取引コストが高いほど投資収益を圧迫し、利益も目減りしますが、ほとんどのネット証券では口座管理費が発生しないため、実質的な取引コストは売買手数料のみとなっています(信用取引に掛かる貸株料等を除く)。

なお、売買手数料は一律ではなく、各証券会社が独自に決めることができます。そのため、売買手数料の料率は証券会社によって大きく異なるので、なるべく売買手数料の安いサービスを選ぶことが大切といえます。

大手ネット証券の売買手数料(税込)の比較は以下の通りです。

証券会社 売買手数料(1約定制)
約定5万円 約定10万円 約定30万円 約定50万円 約定100万円
SBI証券 55円 99円 275円 275円 535円
楽天証券 55円 99円 275円 275円 535円
auカブコム証券 55円 99円 275円 275円 535円
マネックス証券 55円 99円 275円 275円 535円
GMOクリック証券 50円 90円 260円 260円 460円

上表の中では、GMOクリック証券の売買手数料が最も低くなっています。多くの場合、売買手数料は約定金額によって区切られているので、約定金額が高額になるほど、売買手数料も変化する仕組みです。

一方、担当者が付く店頭証券会社では、売買手数料がさらに高くなるうえ、口座管理費が発生するケースもあります。そのため、取引コストの負担をなるべく抑えたい方や投資初心者の方は、店頭証券会社よりもネット証券のほうが向いています。

2-2 取扱銘柄数の種類

取扱銘柄数も証券会社選びで重要な要素です。どの証券会社でも同じ銘柄を取り扱っているわけではなく、証券会社によっては投資できない銘柄もあります。

例えば、最近は外国株を取扱う証券会社が増えてきているものの、国内株しか取り扱っていない大手証券会社もあります。また、外国株は取り扱っているものの、先進主要国のみとなっている証券会社もあります。

そのため、外国株投資を始めたい方は、あらかじめ投資したい取扱国及び取扱銘柄を確認しておく必要があります。

大手ネット証券の取扱銘柄数の比較は以下の通りです。

項目 SBI証券 楽天証券 auカブコム証券 マネックス証券 GMOクリック証券
国内株式 約2,800銘柄 約3,900銘柄 約3,900銘柄 約1,900銘柄 約200銘柄
米国株式 約5,000銘柄 約4,600銘柄 無し 約5,000銘柄 無し
中国株式 約1,300銘柄 無し 無し 約2,600銘柄 無し
韓国株式 約70銘柄 無し 無し 無し 無し
ロシア株式 約29銘柄 無し 無し 無し 無し
アセアン株式 約520銘柄 無し 無し 無し 無し

上表の中で、投資対象国及び銘柄数が最も多いのはSBI証券で、米国株の取り扱いが多いのは、SBI証券とマネックス証券です。

投資できる銘柄が多いほど選択肢や収益機会は広がります。また、複数の銘柄及び投資対象国に分散投資すれば、ポートフォリオの値下がりリスクを抑えることも可能になります。

一方、投資初心者の方にとっては取扱銘柄数が多いとかえって選びにくく、一部の有名銘柄に絞られた証券会社のほうが適している場合もあるので、慎重に検討することが大切です。

2-3 取引ツール

ネット証券の多くは従来型の店頭証券会社とは異なり、高機能な取引ツールを提供しています。取引ツールはチャート分析や発注を同じ画面で行えるのが特徴で、取引効率が向上します。また、証券会社が独自に開発しているケースも多いので、機能性がそれぞれ異なります。

取引ツールを比較する上で注目したいポイントは、「使いやすさ」と「機能性」です。以下では、主要各社の取引ツールの特徴をご紹介します。

SBI証券

SBI証券で提供している取引ツールは「HYPER SBI」です。HYPER SBIは、注文等の操作が簡単に行えて、シンプルな取引操作が可能になっています。また、最大1,000銘柄の銘柄登録ができるほか、個別銘柄の20年分のチャートを表示することができます。

楽天証券

楽天証券で提供している取引ツールは「マーケットスピードⅡ」です。マーケットスピードⅡは、チャート分析や発注機能のみならず、アルゴ注文機能が搭載されています。アルゴ注文は、あらかじめトレード条件を楽天証券のシステムにインプットさせれば、条件達成に応じて自動で注文執行を行うのが特徴です。

また、一つの注文を少しずつ小分けに発注する「アイスバーグ注文」や、設定した価格の気配が表示されたときに瞬時発注する「スナイパー注文」など、5つの注文機能が搭載されているため、戦略的かつ機械的な売買が可能になります。

auカブコム証券

auカブコム証券で提供している取引ツールは「kabuステーション」です。kabuステーションは、チャート分析、予想値上がり率や予想売買高、高安乖離率などを確認することができる「リアルタイム株価予想」を活用することができます。

マネックス証券

マネックス証券で提供している取引ツールは「マネックストレーダー」です。マネックストレーダーは、一つの画面にチャート、板、マーケットニュースが集約されているほか、ワンクリック発注も可能になっています。

GMOクリック証券

GMOクリック証券で提供している取引ツールは「スーパーはっちゅう君」です。スーパーはっちゅう君は、豊富なチャート分析機能が搭載されており、個別銘柄の比較チャートを最大5つまで表示できます。また、ワンクリック発注も行えるので、スピーディーな取引が可能です。

また、スマホアプリの取引ツールも重要なポイントです。スマホアプリがあれば外出時でも手軽に取引できるので投資機会を逃しません。なお、上記の証券会社は、全てスマホアプリの取引ツールを提供しています。

2-4 投資判断に役立つ各コンテンツ

各証券会社は、無料の投資情報コンテンツを提供していることもあるため、証券会社選びの重要な判断要素になります。コンテンツの内容は証券会社により異なりますが、大半の証券会社では経済指標やマーケットニュースの観覧機能が搭載されています。

また、企業の業績及び財務情報が見られる「会社四季報」や、大手メディアの記事などが無料で見られる証券会社もあります。大手ネット証券では、SBI証券や楽天証券、マネックス証券、GMOクリック証券で会社四季報を無料で見ることができます。そのほかにも、アナリストレポートを観覧できる証券会社もあり、プロ視点の分析情報を参考にできます。

なお、大手ネット証券の中でも情報コンテンツが特に充実している証券会社は、マネックス証券です。マネックス証券では「銘柄スカウター」という米国及び中国の上場企業の情報ツールを提供しています。銘柄スカウターでは、過去10期以上の企業業績の推移をグラフで表示できるので、個別銘柄の分析に優れた情報コンテンツとなっています。

3 株式投資の始め方

株式投資を始めるためには、総合口座の開設が必要です。自分のニーズに合った証券会社を選び、証券会社の特徴や比較ポイントを踏まえた上で、開設手続きを進めることが大切です。

特にネット証券の場合、オンライン上で開設手続きを完結できるため手軽です。証券会社のトップページから口座開設手続きに進み、名前や住所等の個人情報の入力や本人確認書類の提出を行います。本人確認書類では、運転免許証や個人番号カード等の顔つき身分証、健康保険証などを用意しておきましょう。

口座開設の審査は約5営業日以内にメールで送られてきます。口座開設が完了したら、証券会社のホームページにログインし、投資資金の入金を行います。入金方法は、通常の銀行振込のほか、振込手数料無料の提携銀行からの入金などもあります。

入金が完了した後は、取引画面で銘柄コードを打ち込み、銘柄の詳細画面から実際に買付けを行うことができます。

まとめ

証券会社を取引コストで選ぶ場合は、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券、GMOクリック証券などが候補になるほか、取扱銘柄数で選ぶならSBI証券、取引ツールで選ぶなら楽天証券のマーケットスピードⅡ、情報コンテンツで選ぶならマネックス証券なども向いています。

このように、証券会社の特徴は大きく異なるので、サービス内容や各ポイントをしっかりと把握した上で、自分のニーズに合った取引口座を検討しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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