FCバルセロナがNFT・メタバース領域に参入?そのねらいや背景について解説

今回は、FCバルセロナのNFT・メタバース展開について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. FCバルセロナとは?
    1-1.FCバルセロナの概要
    1-2.クラブの運営方式と財政難
    1-3.ブロックチェーン推進議員連盟
  2. FCバルセロナのNFT・メタバース領域参入
    2-1.NFT・メタバースとは?
    2-2.FCバルセロナのNFT・メタバース領域参入
    2-3.これまでのブロックチェーン関連の動向
  3. まとめ

近年世界中の有名スポーツチームがNFT(非代替性トークン)やメタバース分野への参入を発表しており、仮想通貨(暗号資産)業界はさらなる盛り上がりを見せています。

中でも、世界的な名門サッカーチームであるスペインのFCバルセロナは、NFTの発売やメタバース(仮想空間)及び独自の仮想通貨の開発を計画中だと発表しました。

そこで今回は、FCバルセロナのNFT・メタバース領域への参入について、解説します。

目次

  1. FCバルセロナとは?
    1-1.FCバルセロナの概要
    1-2.クラブの運営方式と財政難
  2. FCバルセロナのNFT・メタバース領域参入
    2-1.NFT・メタバースとは?
    2-2.これまでのブロックチェーン関連の動向
  3. まとめ

①FCバルセロナとは?

まず初めに、FCバルセロナについて、その基本的な事項を解説します。

1-1. FCバルセロナの概要

FC Barce
FCバルセロナは、スペインのバルセロナに本拠地を置くサッカークラブで、1899年に創立された100年以上の歴史を誇る名門クラブです。

ヨーロッパサッカーの最高峰として知られるスペイン1部「リーガ・エスパニョーラ」の名門であるFCバルセロナは、過去24度のリーグ制覇を果たしており、これはライバルクラブのレアル・マドリードに次ぐ2位の記録となっています。

また、スペイン国王杯も28度制しており、史上最多の優勝回数を誇っています。

FCバルセロナのモットーは「クラブ以上の存在」であること。スポーツを楽しむだけでなく、地元カタルーニャのために積極的に貢献することをクラブの使命としています。

1-2. クラブの運営方式と財政難

FCバルセロナはクラブの運営に関して、「ソシオ」と呼ばれるクラブ会員から得た年会費(約3万円)を運営費に充てています。現在、会員数は世界中で18万人を突破しており、日本でも04年6月より会員の募集が行われています。

また、FCバルセロナの下部組織である「カンテラ」は非常に発達しており、現チームの選手も含め幾多の名選手を輩出してきました。

このカンテラ出身選手は特にサポーターから大きな声援を受けることが多くなっています。

14年1月には、世界最大の会計事務所「デロイト」によって発表された「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」において、2012及び13シーズンのクラブ収入は4億8260万ユーロに上ると発表され、レアル・マドリードに次ぐ世界第2位となりました。

また、イギリスメディアが12年に公表した調査によると、FCバルセロナに所属する選手の平均年俸は約868万ドル(約10億円)とされています。ニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・レイカーズなどアメリカのスポーツチームを含めても、世界で最も平均年俸が高いクラブとなっています。

その一方で、FCバルセロナは巨額の債務を抱えており、21年1月25日に発表された年次報告書によると、その額は約1478億円にも上ることが明らかになっています。

また、デイリー・メールによると、リヴァプールからブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョを獲得する際の移籍金1億4200万ポンド(約230億円)のうち、まだ約2500万ポンドの支払いが残っていることを含め、19クラブに対して総額約1億1200万ポンド(約159億円)の借金があるということです。

今回のNFTの発売も、このようなクラブの財政難を改善するプロジェクトの一環として発表されていると考えられます。

②FCバルセロナのNFT・メタバース領域参入

次に、FCバルセロナのNFT・メタバース領域への参入の内容について解説します。

2-1. NFT・メタバースとは?

メタバースとはインターネット上に広がる仮想空間の総称です。ユーザーはメタバース内で自分を投影したアバターを操作して、他のユーザーと交流したり、敵と戦ったり、アイテムを集めたりするといった生活を楽しめます。

また、そこにブロックチェーン技術を応用することで、さらに高度で安全なメタバースを実現することが可能となりました。

ブロックチェーン上で行われる取引は多数のコンピューターに共有することで、改ざん不可能な状態で安全に保持することができます。NFTは、ブロックチェーン技術を活用することで、アートやゲーム内アイテムといった資産に作者や所有者の情報を紐づけることができるデジタル資産のことを指します。

NFT技術により、ユーザーはゲーム内のアイテムやSNSのアイコン、絵画、音楽など様々なものをトークン化して資産とすることができます。また、NFTマーケットプレイスで売買するなど、多岐にわたる経済活動が可能となりました。

これらの技術を利用することで、メタバース内のアイテムを「NFT」とし、資産価値を生み出すことが可能になります。

2-2. FCバルセロナのNFT・メタバース領域参入

FCバルセロナのJoan Laporta(ジョアン・ラポルタ)会長は22年2月28日、通信業界における著名なイベント「モバイルワールドコングレス(MWC)」にゲスト出席し、NFTの発売やメタバースの開発を計画していることを明らかにしました。

Laporta会長は、近年NFTやメタバースなどのブロックチェーン製品やサービスが大きな注目を集めていることを挙げ、ブロックチェーン関連技術を評価しました。

さらにFCバルセロナは独自通貨の発行も考えているとされています。

FCバルセロナはすでにSocios.comでファントークン「BAR」を発行していますが、これとは異なったユーティリティトークンを発行するとみられます。

FCバルセロナは、長引く新型コロナウイルスの影響による観客動員数の減少や、前述した借金により、経営状況が悪化している現状があります。21年には、世界トッププレイヤーと評されるリオネル・メッシ選手が、経済的な理由などによりクラブの離脱をすることとなりました。

今回発表されたNFTの発売はクラブの財政を助けるプロジェクトの一環とされ、約3億人に上る世界中のファンと体験を共有するための施策とされています。

また、FCバルセロナは、メタバースや仮想通貨の開発について自身で行うとの考えを示しています。

2-3. これまでのブロックチェーン関連の動向

FCバルセロナのこれまでのブロックチェーン関連の動向としては、20年6月にファントークン「BAR」が販売され、2時間経過しないうちに完売したことで話題になりました。

BARは48時間限定で、60万トークンを1単位当たり2ユーロ(約240円)で販売され、2分以内で77.7万ドル(約8300万円)、2時間以内で130万ドル(約1.4億円)を売り上げて終了しました。購入者は106カ国に存在し、日本の多くのファンも購入したということです。

バルセロナは昨年11月5日に、イーサリアムを使用して購入できるNFTを作成するためにOwnix​​との契約を発表しました。NFTは122年の歴史の中で撮影された写真や動画をベースにしたものと伝えられていました。しかし、直後にOwnixの社員が詐欺の疑いで逮捕されたため契約を破棄した経緯があります。

このように、FCバルセロナでは仮想通貨業界への継続的なアプローチを行っており、今回その動きを本格化させるとみられています。

③まとめ

現在、世界中のスポーツチームが資金調達とファンの関心を高める方法として、NFTやメタバースを検討しています。FCバルセロナは世界的な名門クラブであり、チームの価値も非常に高いため、NFTやメタバースへの参入によって、仮想通貨業界に影響をもたらすと考えられます。

今後、徐々に情報が解禁されるとみられるため、引き続き注目していきたいと思います。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12