高配当の日本株10選、各銘柄の利回り・業績と注意点【2022年3月】

株式投資では利回りに注目して高配当銘柄を選ぶ投資手法もあります。しかし、配当利回りの高さはひとつの物差しに過ぎず、場合によっては減配や無配のリスクもあるため、業績や株価動向などを含めて丁寧に判断することが大切です。

この記事では、高配当銘柄の特徴や利回り・業績について詳しくご紹介します。高配当銘柄の注意点なども併せて解説するので、高配当の日本株に関心のある方、高配当銘柄のリスクを知りたい方はご参考ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※また、本記事は2022年3月1日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 高配当銘柄の特徴
  2. 高配当の日本株10選
    2-1.日本郵船
    2-2.商船三井
    2-3.明和産業
    2-4.ベリテ
    2-5.JFEホールディングス
    2-6.LAホールディングス
    2-7.ノーリツ鋼機
    2-8.日本製鉄
    2-9.JT
    2-10.淺沼組
  3. 高配当銘柄の注意点
    3-1.業績や株価の動向
    3-2.臨時的な記念配当
  4. まとめ

1 高配当銘柄の特徴

高配当銘柄とは、株価に対して配当利回りの高い銘柄を指します。配当利回りとは、株価に対して1年間でどれだけ配当金を受け取れるかを表す数値で、1株あたりの年間配当額÷1株の購入金額×100で求めることができます。

例えば、株価1,000円で年間20円の配当金が出る場合、その株式を購入したときの配当利回りは20円÷1,000円×100=2%です。なお、配当利回りの高い銘柄を高配当銘柄と言いますが、実は高配当銘柄の明確な定義はありません。

東証1部に上場している有配会社の平均利回りが2.02%(2022年2月時点、参照:日本取引所グループ「株価平均・株式平均利回り」)なので、この記事では平均利回り3%〜4%以上を高配当銘柄として扱っています。

高配当銘柄は株式を保有していることによって発生する利益(インカムゲイン)を多く得られるのが大きな特徴です。配当によるインカムゲインで保有期間中の一定利益が見込めるため、短期的な売買損益のみに左右されることなく投資判断を下すことができます。

また、高配当銘柄は各企業の業績等の事情だけでなく、そのときの経済状況などの時代背景に応じて業種単位で配当利回りが高くなります。

例えば、2022年2月28日時点で上場している高利回り銘柄ランキングでは、海運業の企業が多くランクインしています。これは、最近物流の低迷から業績の回復が顕著になったことが理由で、各社が決算予想の上方修正とともに配当見通しを引き上げたことが主な理由です。

その他の業種でも、最近の低金利政策によって収益悪化が懸念されている銀行業などの金融機関株も株価の低迷によって相対的に高利回りの銘柄が多くなっています。

2 高配当の日本株10選

ここからは、東証などの主要な市場に上場している高配当の日本株10銘柄を配当利回り(調査時点の予想値)や業績などに着目しながら確認してみましょう。なお、株価等の情報は2022年2月28日の終値を基に算出しています。

2-1 日本郵船

社名 日本郵船㈱
業種 海運業
証券コード 9101
上場市場 東証プライム
株価 10,670円
1株あたり配当(通期予想) 1,200円
配当利回り 11.25%
当期純利益(前年度) 139,228百万円

日本郵船は海運業で国内首位の企業です。リーマンショック以降、株価の低迷が続いていましたが、2021年に入ってからは定期船事業などの業績が予想を上回るレベルで推移しており、株価の回復が急激に進んでいます。

2022年2月3日に発表された2022年3月期の業績予想では、前回発表の予想から売上高200,000百万円増、当期純利益220,000百万円増に上方修正され、年間配当金の予想も800円から1,200円へと大幅に引き上げられました。

会社の通期予想に基づく配当利回りは11.25%と高水準で、上場企業の中ではトップクラスです。

2-2 商船三井

社名 ㈱商船三井
業種 海運業
証券コード 9104
上場市場 東証プライム
株価 9,340円
1株あたり配当(通期予想) 1,050円
配当利回り 11.24%
当期純利益(前年度) 90,052百万円

商船三井も海運業の企業で、売上高や時価総額では日本郵船に次ぐ規模の会社です。日本郵船と同様にリーマンショック以降は長らく株価の低迷が続いていましたが、2021年からは堅調な業績とともに株価も回復基調となっています。

直近の決算となる2022年3月期の決算についても2022年1月31日に業績予想の上方修正が発表され、前回発表から売上高が40,000百万円増、当期純利益は150,000百万円増となりました。

年間配当予想も800円から1,050円に引き上げられ、予想配当利回りは11.24%と高配当銘柄です。

2-3 明和産業

社名 明和産業㈱
業種 卸売業
証券コード 8103
上場市場 東証プライム
株価 1,151円
1株あたり配当(通期予想) 118円
配当利回り 10.25%
当期純利益(前年度) 1,198百万円

明和産業は樹脂・難燃剤や炭素製品、石油製品などの化学品を扱う中堅商社です。2022年1月31日に発表された第3四半期の決算概要では、2022年3月期は前期比で売上高14,065百万円増、当期純利益748百万円増の増収増益見込みとなっています。

ここ2年ほどの決算は減収減益でしたが、上記発表では大幅な増収増益予想です。昨年度通期で15円だった配当金についても、今期は通期予想で118円に大幅アップとなっています。

2-4 ベリテ

社名 ㈱ベリテ
業種 小売業
証券コード 9904
上場市場 東証2部
株価 481円
1株あたり配当(通期予想) 40円
配当利回り 8.32%
当期純利益(前年度) 583百万円

ベリテはダイヤやネックレスなどの宝飾品や時計などを取り扱う大手の小売業です。売上高は過去3年で僅かに減少していますが、前期の当期純利益は583百万と増益になりました。

2022年2月10日に発表された第3四半期決算では2022年3月期の当期純利益は418百万円と減益予想になっていますが、配当金は前期の31.12円を上回る40円予想となっており、配当利回りは8.32%と高い水準です。

2-5 JFEホールディングス

社名 JFEホールディングス㈱
業種 鉄鋼
証券コード 5411
上場市場 東証プライム
株価 1,720円
1株あたり配当(通期予想) 140円
配当利回り 8.14%
当期純利益(前年度) ▲21,868百万円

鉄鋼大手のJFEスチールを中核とした持ち株会社です。2020年3月期から2期連続で減収減益の最終赤字となっていましたが、2022年2月8日に発表された第3四半期決算では売上高が大幅に回復し、2022年3月期の最終利益も270,000百万円を見込んでいます。

配当も前年の通期10円から2022年3月期予想は140円と大幅な増配が発表されており、配当利回りも高水準です。

2-6 LAホールディングス

社名 ㈱LAホールディングス
業種 不動産業
証券コード 2986
上場市場 東証スタンダード
株価 2,029円
1株あたり配当(通期予想) 140円
配当利回り 6.90%
当期純利益(前年度) 1,959百万円

LAホールディングスは新築不動産販売や再生不動産販売、賃貸、仲介などの不動産業を営む企業です。2020年7月1日にジャスダックに上場したばかりの企業で、ジャスダック市場の中でも成長可能性が高いとされるグロース市場に上場しています。

グロース市場とは、業績が赤字でも将来の成長可能性のある企業が上場できる市場です。このほか、東証スタンダードには一定の上場基準を満たした事業規模の企業が上場するスタンダード市場があります。

2021年12月期の決算は増収増益となっており、配当も2020年12月期の43円から132円へと大幅な増配です。2022年12月期も140円の予想となっており、配当利回りは6.90%と高い水準になっています。

2-7 ノーリツ鋼機

社名 ノーリツ鋼機㈱
業種 精密機器
証券コード 7744
上場市場 東証プライム
株価 2,093円
1株あたり配当(通期予想) 152円
配当利回り 7.26%
当期純利益(前年度) 5,299百万円

ノーリツ鋼機はペン先事業では世界のトップシェアを誇り、金属部材の製造・販売や音響機器、ヘルスケアなどの多角的な事業を展開する精密機器メーカーです。

2020年に3月決算から12月決算に変更となったため単純比較は難しいのですが、売上高はここ数年増加傾向を示しており、最終利益も含めて堅調な業績となっています。

2020年12月期に年間20円だった配当は2021年12月期に特別配当も含めて198円となり大幅な増配です。

2022年12月期は減収となる見込みですが、子会社の株式譲渡によって最終利益が大幅に増加する見込みのため、配当予想も40円から152円(普通配当42円、特別配当110円)へと大きく引き上げられ、配当利回りは高い水準となっています。

2-8 日本製鉄

社名 日本製鉄㈱
業種 鉄鋼
証券コード 5401
上場市場 東証プライム
株価 2,150円
1株あたり配当(通期予想) 140円
配当利回り 6.51%
当期純利益(前年度) ▲32,432百万円

日本製鉄は粗鋼生産量で国内トップの大手鉄鋼業の企業です。2020年3月期は大幅な減収減益で最終利益は▲431,513百万円まで落ち込んでいましたが、2022年3月期予想では売上高も順調に回復し、最終利益は500,000百万円を見込んでいます。

配当金も昨年の10円から過去最高水準の140円へと引き上げられており、業績の回復と共に配当利回りの高い銘柄となっています。

2-9 JT

社名 日本たばこ産業㈱
業種 食料品
証券コード 2914
上場市場 東証プライム
株価 2,120円
1株あたり配当(通期予想) 150円
配当利回り 7.08%
当期純利益(前年度) 338,490百万円

JTの会社名でおなじみの日本たばこ産業㈱は、たばこ事業以外にも食品や医薬品に関する事業なども展開している企業です。

景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄ということもあり、ここ数年の売上高や当期純利益には大きな増減がありません。配当金は2020年12月期が154円、2021年12月期は140円、2022年12月期予想が150円となっており、概ね高利回りの銘柄となっています。

2-10 淺沼組

社名 ㈱淺沼組
業種 建設業
証券コード 1852
上場市場 東証プライム
株価 5,390円
1株あたり配当(通期予想) 363円
配当利回り 6.73%
当期純利益(前年度) 4,138百万円

淺沼組は関西地盤の中堅ゼネコンで、学校や官公庁など公共施設の建設等に実績のある企業です。ここ数年、売上高は大きな増減なく推移しており、最終利益も4,000百万円超をキープしています。

浅沼組は、2019年3月期から株主還元として配当性向50%以上を継続する方針を定め、大幅な増配を続けている企業です。2021年11月18日の発表では、配当性向70%以上を目指す方針へと変更し、2022年3月期も363円と前年実績257円を大きく上回る増配予想となっています。

配当利回りも6.73%と高い水準で、増配を発表して以降は株価も右肩上がりの上昇を続けています。

3 高配当銘柄の注意点

高配当銘柄を購入する際に注意したいポイントは以下の通りです。

3-1 業績や株価の動向

高配当銘柄は株式を保有していることによって一定のインカムゲインを得ることができます。一方、株式取引では売却差益によるキャピタルゲインという要因もあるため、株式を保有する企業の業績や株価の動向にも注意することが大切です。

例えば、1株あたり年間20円の配当が出る株式を購入した場合、株価が変動しなければ毎年20円の利益です。しかし、保有している株式が30円値下がりした場合、配当と合わせても1株あたり10円の損失となります。

このように、配当利回りの高い銘柄を購入しても株価の変動によってトータルで損失が出る可能性もあるので、配当利回りだけでなく株価の変動の大きな要因となる業績なども丁寧に調べた上で、投資の判断を行う必要があります。

また、配当利回りが高い場合、過去と比べて相対的に株価が下がっている可能性もあるため、株価の動向についても事前に調べることが大切です。

3-2 臨時的な記念配当

上場企業の中には、「〇周年」などの節目に記念配当を上乗せして配当を実施することがあります。

例えば、東証プライム上場の資生堂は、2022年2月9日に2022年12月期の配当予想について、普通配当50円に記念配当50円を上乗せすると発表しました。この場合、通常実施されている配当50円に記念配当が上乗せされて配当総額は100円となるため、投資家にとってはメリットがあります。

しかし、記念配当は普通配当とは区別して特別な事情のあるときにだけ実施されるため、一時的な増配である点に注意しなければなりません。

記念配当により配当利回りが大きく上昇することもありますが、あくまで一時的なものなので、通常の高配当銘柄と勘違いして購入すると、翌年以降、配当利回りが大きく落ち込む可能性もあります。

また、記念配当などが発表されると株価は配当を織り込んだ価格に値上がりする傾向があるため、権利落ち日(配当をもらえる権利確定日の1営業日前)以降、株価下落の可能性も高まるため注意が必要です。

まとめ

最近は東証の市場再編に関連し、株価を上げるため株主還元の強化を目的として配当性向を見直す動きなども活発化しています。配当などで一定の利益が得られる高配当銘柄は大きなインカムゲインを期待できます。

しかし、株価の変動によって損失が発生するケースなどもあるので、業績や株価動向などにも注意しながら投資対象を選定する必要があります。また、高配当銘柄を探すときは普通配当と一時的な増配である記念配当などの内訳も確認しておくことが大切です。

これらの情報は各社でIR情報として発表されるので、事前に確認してから購入の判断を行うようにしましょう。

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