長谷工コーポレーションのESG・サステナビリティの取り組みや将来性は?株価推移、配当情報も

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長谷工コーポレーションは、長期的な視点で環境や社会の課題解決に貢献することを目指し、ESG・サステナビリティの取り組みを行っている企業です。省エネルギー設計や再生可能エネルギーの活用、環境に配慮した建築物の設計・施工を行っているほか、地域のニーズや文化に合わせた建物の建築、地元の雇用創出への貢献など、地域社会の発展に繋がる活動も行っています。

この記事では、長谷工コーポレーションのESG・サステナビリティの取り組み内容、将来性、株価推移、配当情報について詳しくご紹介するので、関心のある方は参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2023年7月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 長谷工コーポレーションの特徴
  2. 長谷工コーポレーションのESG・サステナビリティの取り組み内容
    2-1 住んでいたい空間
    2-2 働いていたい場所
    2-3 大切にしたい風景
    2-4 信頼される組織風土
  3. 長谷工コーポレーションの株価推移
  4. 長谷工コーポレーションの配当情報
  5. まとめ

1 長谷工コーポレーションの特徴

長谷工コーポレーションは、東京都港区に本社を置く国内のゼネコン企業であり、建築事業・不動産事業を主軸として事業活動を行っています。建築事業では、分譲マンション建設における用地情報の収集、企画立案・近隣との交渉・許認可取得・設計、施工までトータルでサービスを提供しているほか、賃貸マンション・学生やシニア向けのマンション・ホテル・オフィスビルなどの建物の建設も行っています。

不動産事業においては、マンション・戸建の分譲・新築マンション受託販売・収益不動産開発・土地有効活用のコンサルティングなどの事業を主に行っています。また、マンションの管理受託・賃貸マンションの管理代行などの管理事業や大規模修繕・内装リフォーム・建物改修・建て替えなどのマンション再生事業まで手がけています。

このほか、長谷工コーポレーションでは、建築・不動産以外に海外での住宅建設や商業・リゾートの開発、介護サービス、企業活動サポート、調査研究などの事業も行っています。

2 長谷工コーポレーションのESG・サステナビリティの取り組み内容

長谷工コーポレーションでは、CSR(企業の社会的責任)活動に対して4テーマ(「住んでいたい空間」「働いていたい場所」「大切にしたい風景」「信頼される組織風土」)を掲げながら、都市と人間の最適な生活環境の創造、および持続可能な社会の実現に取り組んでいます。以下、詳しい取り組み内容を確認していきましょう。

※出典:長谷工コーポレーション「サステナビリティ

2-1 住んでいたい空間

長谷工コーポレーションでは、「客の信頼に応える品質を提供する」ことを目指し、品質の向上と改善に取り組んでいます。顧客や社会が求めている品質を備えた製品やサービスを継続的に届ける仕組みに関する世界共通の規格として「ISO9001」の認証制度があり、長谷工コーポレーションはこれを1997年に取得し、顧客満足度の向上に努めています。

その上で、品質方針を策定し、各事業部門において定めた品質目標値の達成を目指し、品質管理活動を行っています。また、企業の品質管理活動につき、外部審査機関からのチェックも受け、その結果をもとに日々改善を図っています。

また、地震・豪雨・台風などの自然災害の影響で、人々の住居に甚大な被害をもたらすことが問題となっている中、長谷工コーポレーションでは、防災・減災に配慮した災害に強いマンションづくりにも取り組んでいます。

例えば、グループ企業である長谷工管理ホールディングスは、マンション屋上から取り入れて貯蓄した雨水を有効に活用できる「スマート‧ウォーター‧タンク」を開発しています。スマートウォータータンクは、建物や施設に設置された水タンクにセンサーやネットワークを組み込んだシステムであり、センサーが水タンク内の水位や水質を監視し、リアルタイムでデータを収集するので、水の使用量や消費傾向を把握することができます。

また、災害に強いマンションづくりを実現するため、立地特性に合わせた仕様設備を採用しているのも、長谷工コーポレーションの設計・施工の特徴です。例えば、台風による強風や豪雨の被害が多い沖縄でマンションを建てる場合、強い雨が降っても室内に雨が入り込まないような水密性の高い建物の開口部が求められます。

その点、長谷工が開発した「ブランシエラ那覇曙プレミスト」の開口部は、住居向けのサッシの特徴を維持しつつ、水密性の高い窓が使用されているため、台風による強風や豪雨にも対応できる仕様となっています。

2-2 働いていたい場所

長谷工コーポレーションでは、社員全員が自身の能力や技術をしっかり発揮できるような環境づくりの構築に努めています。例えば、ゼネコンの業界団体である日本建築業連合会では、「週休二日実現行動計画」を定め、建築作業所を4週8閉所の実現を目指す方針を取っています。長谷工コーポレーションもこの方針に従い、2020年より4週8閉所の実現に向け、年間104日の指定閉所日を設けています。

2020年には、事業の中でイノベーションが生まれることを目指し、本社ビルと平野町ビルに社員の多目的スペースが設けられています。この場所では就業中の会議だけではなく、休憩や社員同士の交流イベントなど様々な目的で使用できるようになっています。

また、労働と子育ての両立を目指した取り組みにも積極的です。社員が労働と子育ての両立を図ることができるよう、長谷工コーポレーションではさまざまなサポート制度を設け、その利用を促進しています。

例えば、子どもが3歳になるまでの育児休業について、小学校3年まで育児時短勤務を認めています。育児休業中の前後、復職時においては、育児休業の制度や復職後の働き方について、人事担当者と相談ができたり、育児休業中に社内情報を共有できたりする環境も整っています。その他、2019年4月には、子育てや配偶者の出産立会いのための休暇制度も設けられました。さらに男性の育児休業も積極的に推進し、年間取得率20%を目標に取り組んでいます。

子育て関連制度取得状況(育児休業取得率)

2019年度 2020年度 2021年度 利回り
男性 4.5% 6.8% 20.9%
女性 100% 100% 100%

※参照:長谷工コーポレーション「多様な人々の活躍

このほか、長谷工コーポレーションは、2014年より、「一般事業主行動計画」を策定し、女性社員が活躍できる環境づくりに努めています。2020年4月1日~2023年3月31日までの3年間において、採用者の女性比率30%以上、退職者を3%以内にするなど、グループ全社で女性が活躍できる環境づくりを進めています。

2-3 大切にしたい風景

長谷工コーポレーションは、自然や環境に配慮しながら住まいづくりの事業を行っています。具体的には、循環型社会の実現に向け、自社で廃棄物削減に努めるとともに、日本建築業連合会の建設副産物部会に参加し、他企業と共同で廃棄物削減や資源の有効利用に取り組んでいます。

建築廃棄物削減の取り組みは、廃棄物の種類ごとの分別、リサイクルの活用促進、段ボール梱包材の削減を図るなどの方法で行われているほか、建設現場で作業を行う職人への廃棄物の分別確認パトロールや新入社員への現場における分別作業の重要性に関する研修を実施しています。また、オフィス活動における廃棄物削減の取り組みによって、2021年のコピー使用量は1,017万枚となり、2017年の1,841万枚から大幅に減少しています。

さらに、長谷工コーポレーションは土壌汚染の予防にも積極的です。マンション建設などのために用地を取得する際、その土地の過去の利用履歴を調べた上で、土壌が汚染されている可能性のある場合、専門家に調査を依頼する形で対応しています。かりに調査の結果、土壌汚染が確認された場合、法律の規定に基づいて、汚染物質を取り除いたり、封じ込めたりするなどの処置を行っています。

このほか、マンションの建設やリフォームの作業を行う際、工事による振動や騒音が出ることにより、少なからず周辺環境に影響が出ます。そのようなことから、長谷工コーポレーションは低振動・低騒音の建設用機械や車両を使用したり、防音シートの設置をしたりし、周辺環境に配慮しながらマンション建設やリフォームの作業を実施しています。

2-4 信頼される組織風土

長谷工コーポレーションは、会社の機関として監査役制度を採用しています。取締役会は、経営の意思決定と他の取締役の職務執行の監督を行う役割を担います。経営の監視は、客観的で中立な経営監視を行うため、過半数の社外監査役を含む監査役会によって実施されます。

2016年6月以降、長谷工コーポレーションは経験豊富な社外取締役の選任に力を入れており、適切な意見や助言を受けながら取締役会の議論を活性化し、経営の監視機能の向上を目指しています。また、社外取締役のうち1名は女性を選任するなど、取締役会の性別多様性の確保にも努めています。

また、コンプライアンス体制の強化として、リスク管理部にコンプライアンス室を設置しており、グループ全体のコンプライアンス活動を統括し、法令や会社の規程・方針に適合するかどうかを確認・評価し、必要な改善策を実施しています。監査の頻度はリスクに応じて決定されており、主要な部門やグループ会社については、最低でも3年に1度実施されています。

3 長谷工コーポレーションの株価推移

令和5年5月19日時点より前の直近1年間の株価は、1,420円台~1,680円台の間を横ばいに推移しています。2022年9月20日~2023年1月13日までの間は株価も下落傾向でしたが、2023年1月16日以降は上昇トレンドに変わっています。

長谷工コーポレーションは、2023年5月11日に2023年3月期の連結決算の発表を行いました。2023年3月期は不動産取扱量や利益の増加、建築受注用地の取扱量の増加などの影響で、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は、前年期より増収、増益となっています。2023年7月に入ってからは1,680円台~1800円台を推移し、株価推移は好調であると見れるでしょう。

一方、2024年3月期の業績予測は、売上高こそ前年同期より増収の見込みですが、営業利益と経常利益は減益の見込みとなっているため、株価下落となる可能性もあり、今後も注視していきたいポイントです。

4 長谷工コーポレーションの配当情報

長谷工コーポレーションは株主還元を目的として、毎年2回配当を行っています。2018年3月期~2023年3月期までの1株当たりの配当金額および配当性向は、以下の通りです。

中間配当額 期末配当額 年間合計配当額 配当性向
2018年3月期 10円 40円 50円 20.7%
2019年3月期 10円 70円 80円 27.2%
2020年3月期 20円 50円 70円 34.8%
2021年3月期 35円 35円 70円 41.5%
2022年3月期 35円 45円 80円 40.3%
2023年3月期 40円 40円 80円 37.0%

2018年3月期~2019年3月期にかけて、1株当たりの年間合計配当額が30円増加しています。2019年3月期~2023年3月期までの年間合計配当額は、70円~80円の間を推移しています。企業の当期純利益に対する配当金額の割合を示す配当性向は、2018年3月期~2021年3月期にかけて2倍以上増加しています。

なお、長谷工コーポレーションが策定した2021年3月期~2025年3月期までの中期経営計画により、「1株当たりの年間合計配当額の下限を70円(2022年3月期より80円)」「5期合計の親会社株主に帰属する当期純利益に対して、40%程度を配当」とする株主還元方針が示されているため、2024年3月期以降の1株当たりの年間合計配当金額は80円以上、配当性向は40%前後になると見込まれます。

まとめ

長谷工コーポレーションは、都市と人にとって最適な生活環境の創造、皆が働きやすい職場環境、持続的な環境社会などの実現を目指してESG・サステナビリティの取り組みを行っている企業です。環境への配慮や社会的な課題への対応は、顧客や投資家からの関心も高いため、将来的な企業価値の向上も期待できます。

直近の業績についても、建築・不動産事業の業績が増収、増益傾向となっているほか、2023年の株価推移も上昇傾向にあります。その上、40%程度の配当性向で配当を行っているため、株主の利益還元の面でも期待できます。

長谷工コーポレーションのESG取り組み内容や投資に関心のある方は、この記事を参考にご自身でもお調べになった上で検討してみてください。

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