クラウドクレジットが融資先の情報開示を開始。その内容は?

金融庁からの指導を受け、融資先の匿名化の解除を行うソーシャルレンディングサイトが増えています。Fundsクラウドバンクでは、すでに融資先の情報開示を開始しており、他のソーシャルレンディング会社もそれに追随することが予想されます。

海外の案件を専門に扱うクラウドクレジットでも、このたび融資先の企業の匿名化を解除しました。融資先の情報がどの程度具体的に公開されているのか、見ていきましょう。

クラウドクレジット

サイト名 クラウドクレジット
URL https://crowdcredit.jp/
運営会社名 クラウドクレジット株式会社
本社所在地 東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 茅場町一丁目平和ビル802
設立 2013年
代表取締役 杉山 智行
資本金等 20億8,454万6千円(2018年11月30日時点)
売上高 非開示
社員数 38名(2018年2月調査時点)
上場有無 非上場
サービス開始年月 2014年6月
参考利回り 5.7%~12.4%
投資金額 1万円から
投資実行額・応募総額 220億7,109万円(2019年9月時点)
運用期間の目安 最短7ヶ月~最長66ヶ月

※2019年9月時点の情報となります。最新情報に関しては上記サイトを御覧ください。

目次

  1. クラウドクレジットでは原則として融資先の企業名と財務状況を開示
  2. 2019年8月末の融資先開示状況と今後の予定
  3. 実際の情報開示内容を確認
  4. まとめ

1.クラウドクレジットでは原則として融資先の企業名と財務状況を開示

クラウドクレジットは自社のサイトで投資家に向け、以下のように情報を公開すると発表しています。

当社の貸付先匿名化解除後における情報公開の方針

1.当社の貸付先匿名化解除後は既存および新規の貸付先について原則として、投資家の皆様の投資判断の材料としていただくため、実名・財務情報を含む基本情報を公開してまいります。例外的に貸付先を匿名とする場合、その旨およびその理由について明記いたします。

2.上記の情報公開については、当社ホームページ上のファンド一覧内のファンドごとの各ページおよび法定書面(契約締結前交付書面等)をもって行います。

今後の流れ

当社は現在、当該方針に基づき、

●クラウドクレジット取引約款および匿名組合契約書等の法定書面の条件変更ならびにそれに関連する手続き
●既存貸付先企業からの情報公開に関する同意の取得およびそれに関連する手続き等の対応を行っており、これらが完了次第、順次既存および新規の貸付先の情報を公開いたします。

情報公開が可能となったファンドにつきましては、順次ご案内をいたします。
また、今後、貸付先企業をゲストとして迎えたセミナーの開催を予定しております。

匿名化解除の方針として、原則的に融資先の企業の名前、財務情報を含む基本情報を公開していくとしています。未公開を望む融資先の場合は未公開とする理由を伝えていくとあるように、公開することこそがクラウドクレジットの基本方針となっています。

投資家としては融資先の企業名が分かれば、企業のホームページを見て財務状況などをチェックすることができます。融資先の安全度を判断する材料が豊富に提供されると言えます。また、同時に契約締結前交付書面も公開されるため、融資の内容について確認できます。

そしてもう一点、融資先の企業を招いたセミナーも開催されることになります。クラウドクレジットが実際に契約を結んでいる会社について、ソーシャルレンディングの案件を構成するときの方針について確認できます。

クラウドクレジットでは、社長や社員がブログを公開しています。その他にも融資先の状況、特に情報の公開を定期的かつ積極的に行っています。匿名化の解除に関する方針についても、一部の案件に限って匿名化を解除するのではなく、基本的にはすべての案件で解除する方針を打出すなど、投資家に対してできるだけ融資先の情報を公開しようとしています。

2.2019年8月末の融資先開示状況と今後の予定

実際に情報はどの程度公開されているのでしょうか。2019年8月末の状況を見てみます。

  1. 「シンガポール広告代理店ベンチャー企業支援ファンド」シリーズ
  2. 「中東地域ソーラー事業者支援ファンド」シリーズ
  3. 「欧州フィンテック事業者支援ファンド」シリーズ
  4. 「マイクロローン事業者ファンド」シリーズ
  5. 「ブルガリア中小企業向けローンファンド」シリーズ
  6. 「東欧金融事業者支援ファンド」シリーズ
  7. 「モンゴル金融事業者支援ファンド」シリーズ
  8. 「インドネシア小水力発電支援ファンド」シリーズ
  9. 「モンゴル中小企業支援プロジェクト」シリーズ
  10. 「キルギスマイクロファイナンス事業者支援ファンド」シリーズ
  11. 「東南アジア未電化支援プロジェクト」シリーズ
  12. 「東アフリカ金融事業者支援ファンド」シリーズ
  13. 「コロンビアリース事業者支援ファンド」シリーズ
  14. 「ユーラシア個人向け小口融資事業者支援ファンド」シリーズ
  15. 「リトアニアオンライン金融事業者支援ファンド」シリーズ

7月末に一部案件で匿名化解除した案件が有り、8月末にも大量の案件で、融資先の情報が公開されています。

さらにクラウドクレジットでは、以下の案件の融資先についても情報を公開するとしています。

  1. 【ロシアルーブル建て】欧州フィンテック事業者支援ファンド12号通貨:ロシアルーブル期間:25ヵ月
  2. ブルガリア中小企業向けローンファンド11号通貨:ユーロ期間:25ヵ月
  3. リトアニアオンライン金融事業者支援ファンド8号通貨:ユーロ期間:21ヵ月
  4. コロンビアリース事業者支援ファンド5号通貨:コロンビアペソ期間:25ヵ月
  5. モンゴル金融事業者支援ファンド7号通貨:モンゴルトゥグルグ期間:16ヵ月
  6. メキシコ省エネ事業支援ファンド18号通貨:米ドル期間:25ヵ月
  7. 中東地域ソーラー事業者支援ファンド6号通貨:米ドル期間:13ヵ月
  8. 【モンゴルトゥグルグ建て】モンゴル中小企業支援プロジェクト18号通貨:モンゴルトゥグルグ期間:19ヵ月
  9. 【ケニアシリング建て】アフリカ未電化地域支援ファンド7号通貨:ケニアシリング期間:25ヵ月
  10. 【円建て】東欧金融事業者支援ファンド7号通貨:日本円期間:13ヵ月
  11. 【円建て】東欧金融事業者支援ファンド8号通貨:日本円期間:19ヵ月
  12. 東欧金融事業者支援ファンド101号通貨:ユーロ期間:19ヵ月
  13. ユーラシア金融事業者支援ファンド39号通貨:ロシアルーブル期間:13ヵ月
  14. ユーラシア個人向け小口融資事業者支援ファンド26号通貨:ユーロ期間:31ヵ月
  15. 【円建て】マイクロローン事業者ファンド21号通貨:日本円期間:19ヵ月
  16. 【円建て】マイクロローン事業者ファンド22号通貨:日本円期間:25ヵ月
  17. 【米ドル建て】マイクロローン事業者ファンド41号通貨:米ドル期間:13ヵ月
  18. 【米ドル建て】マイクロローン事業者ファンド42号通貨:米ドル期間:19ヵ月
  19. キルギスマイクロファイナンス事業者支援ファンド3号通貨:キルギスソム期間:25ヵ月
  20. 【タンザニアシリング建て】東アフリカ金融事業者支援ファンド7号通貨:タンザニアシリング期間:25ヵ月

方針としてクラウドクレジットが国を問わずに様々な融資先の匿名化を解除していること、また、匿名化の解除に本気で取り組んでいることが伝わってきます。

3.実際の情報開示の内容を確認

クラウドクレジットは情報をどの程度公開しているのでしょうか。実際の案件ごとに調べてみたいと思います。チェックするのは「【ロシアルーブル建て】欧州フィンテック事業者支援ファンド12号」の案件です。

融資先の企業は「Kviku Holding Ltd」というキプロスにあるフィンテック事業者です。企業のホームページから企業名・所在地・事業内容・WEBサイトなどが確認でき、また、手掛けている事業や融資を受けた目的、財務状況や会社のメンバーなども記載されています。

本ファンドの実質的な貸付先の財務情報等、直近のKPI達成度合い、と言った情報も掲載されています。他のソーシャルレンディング会社のサイトと比較しても、豊富な情報が提供されていると言えます。

公式サイトは英語のサイトになりますが、英語が得意であればより多くの情報を引出せます。海外の企業の場合、必ずしも日本語のサイトを用意しているとは限りません。外国語が苦手な方にとって、投資の際は日本の企業よりもハードルの高さを感じるかもしれません。英語のサイトの用意がない場合はなおさらです。

まとめ

これまでブログなどを通じて情報の開示に積極的に取組んでいたクラウドクレジットだけに、融資先の企業名の公開を待望していた人は多かったことと思います。融資先の企業を写真付きで公開し、海外の企業といえども投資家が情報を入手する場を提供しています。

ただし、日本の企業に比べて外国の企業はどうしても情報が集めにくく、しかも、ウェブサイトも外国語で作成しています。そのため、情報を細かくチェックすることに骨が折れるかもしれません。

疑問点があった場合は、クラウドクレジットに直接問合わせてみるのも良いでしょう。提供されている情報自体は大変豊富なので、投資判断に適した情報を教えてもらえる期待が持てます。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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