アマゾンやアルファベット、米有名企業が株式分割。投資家が注意すべき点は?

米国市場で上場する主要企業の間で株式分割が目立ちます。アマゾンやグーグル親会社のアルファベットなど、ナスダック100指数を構成する有名企業計4社が2022年の6月から7月中旬までに実施する予定です。

今回は、投資家にとっての株式分割のメリットや、アマゾンとアルファベットがダウ平均に採用される可能性があることについて説明します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年6月23日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 株式分割のメリットと注意点
  2. 米有名企業の株式分割事例
    2-1.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
    2-2.デクスコム(DXCM)
    2-3.フォーティネット(FTNT)
    2-4.アルファベット(GOOGL)
  3. 分割でダウ平均への採用に道
  4. まとめ

1 株式分割のメリットと注意点

上場企業がなぜ株式分割を行うのかというと、市場での自社株の流通量を増やして流動性を高めるとともに、1株当たりの価格を下げて小口投資家にも買いやすくして株価を上昇させることが主な狙いです。

経営陣は自社業績の成長が続き、株価がさらに上昇することを見越して分割を行うと考えられているため、投資家にとって基本的にはポジティブな動きです。

分割によって時価総額が増減することはありません。また、グロース銘柄では無配の企業が多いため配当にも結び付きません。このほか、業績の成長を伴わない期待先行の株価上昇をもたらし、投機的な取引が増える恐れもあります。こうした動きには注意が必要です。

2 米有名企業の株式分割事例

ここからは、6月から7月中旬にかけて株式分割を実施済み、または予定している4社を紹介します。いずれもナスダック100指数に採用されている大手企業です。

2-1 アマゾン・ドット・コム(AMZN)

まず、アマゾンです。1999年9月以来の株式分割に際し、実施前最後の取引となった6月3日の終値は2,447.00ドルでした。その後に株価は20分の1となり、分割初日の同6日は124.79ドルで引けました。分割前の株価との調整ベースで約2%上昇しています。

ここで驚くべきデータがあります。この日の出来高は約1億3527万株と前営業日の約28倍に膨らみました。これは今年4月29日の出来高(約1億3627万株)とほぼ同数です。4~6月期の業績見通しが市場予想を下回ったことで失望売りを招き、前日比14%安に沈んだ日でした。分割で株価が低くなったことなどを受け、大量の買いが入ったことがうかがえます。

2-2 デクスコム(DXCM)

6月13日に分割後最初の取引が行われたのが、糖尿病患者向けに血糖値測定機などを製造するデクスコムです。同社は1対4の分割を行いました。13日の取引では、分割前の調整ベースで前営業日約7%安の68.06ドルで引けています。

2-3 フォーティネット(FTNT)

ネットセキュリティー大手のフォーティネットは6月23日の通常取引から、1対5に株式が分割されました。この日は米10年債の利回りが低下したこともあり、半導体を除くハイテク銘柄が買われました。フォーティネットの株価は分割前の調整ベースで、前日2%高の56.80ドルで取引を終えています。

2-4 アルファベット(GOOGL)

アマゾンと並んで分割後の株価動向が注目されているのが、グーグル親会社のアルファベットです。7月18日から、アマゾンと同様に1株を20株に分割した取引が始まる予定です。株式分割は2014年4月以来、2回目となります。6月23日の終値は2,244.84ドルでした。

3 分割でダウ平均への採用に道

アマゾンとアルファベットの株式分割が注目されているのは、ほかにも理由があります。ダウ平均の構成銘柄に採用される可能性が出てきたからです。ダウ平均に採用されている企業は米国で、ブルーチップ(Bluechip)と呼ばれています。

米国の大手企業30社の株価に基づいて算出されるダウ平均は、各社の株を足して30で割った上で、さらに除数で割って算出されています。時価総額の大きさに応じた加重平均ではないため、分割前の2社のように1株が4ケタの企業を採用するのは困難な仕組みになっています。分割で株価が3ケタ台になることにより、時価総額で世界上位5社に入るアマゾンとアルファベットが採用の有力な候補になったと言えます。

ダウ平均構成銘柄の変更は、最近では2020年8月に行われました。エクソンモービルやファイザーなど3社が外れるとともに、セールスフォースなど3社が加わりました。

まとめ

今回紹介した4社のほかに、株式分割を検討中の有力企業があります。電気自動車メーカーのテスラです。8月上旬に開催予定の株主総会で承認を得た上で、1対3に分割する方針です(実施時期は未定)。テスラは2020年8月に1対5の分割を行ったばかりです。テスラの株主総会の通知書によれば、前回の分割後の20年8月から今年6月6日までに株価が43.5%上昇したといいます。

ただし、テスラ株が躍進した時期から米国株式市場の環境は大きく変わりました、物価上昇と急速な利上げが進むなか、ハイテク・グロース株への逆風がやむ兆しは見えてきません。株式分割した企業の株が分割以前よりも買いやすくなるとはいえ、各銘柄のチャートの動きや出来高の多寡などに注意して売り買いのタイミングを判断する必要があります。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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