産業システム大手の独シーメンス(ティッカーシンボル:SIE)が2月10日に日発表した2021年10~12月期(22年度第1四半期)決算は、売上高と利益ともに市場予想を上回った(*1、2)。すべての事業および地域で受注が拡大しており、なかでも工場の自動化システムの需要が非常に高かった。
売上高は前年同期比17%増の164億9,700万ユーロ(約1兆9,000億円、1ドル=115円換算)と、市場予想の159億5,000万ユーロを上回った。すべての事業で売上高が拡大するなか、集積回路やプリント回路基板の製造に利用する自動化ソフトに対し、米国企業からの需要が非常に高かったという。
純利益は同19%増の16億4,300万ユーロだった。インダストリアル部門(デジタルインダストリーズ・スマートインフラストラクチャー・モビリティ・シーメンスヘルスケア)の利益は同12%増の24億6,000万ユーロと、市場予想の22億7,000万ユーロを上回った。
受注高は同52%増の242億ユーロと市場予想を大幅に上回った。すべての事業および地域で受注が拡大しており、なかでも工場の自動化機器やソフトウエアを手がける主力の「デジタルインダストリーズ」事業の受注は73%急増した。企業が機器の購入を拡大しているほか、新型コロナウイルスの感染が縮小したのちに需要が増加しているという。受注残高は930億ユーロと、過去最高水準に達している (*3)。
ローランド・ブッシュ最高経営責任者(CEO)は「すべての事業で価値を大幅に高める好調な業績を達成したことは、われわれがデジタル化とサステナビリティ(持続可能性)を推進する業界リーダーであることをはっきりと示すものだ」と述べた(*1)。
ポストコロナの景気回復局面においては、半導体を始めとする部品不足や物流の混乱により、自動車や精密機器などの耐久消費・生産財の生産に大きな影響を及ぼしてきている。そのようななか、同社は重要な市場の多くで成長機会が増えているほか、電子部品や原材料、物流に関連したサプライチェーンリスクの高まりに伴う大きな混乱は避けられているという。
22年もデジタル化やサステナビリティに関連したソリューションへの需要が高まると予想されることから、同社の更なる業績拡大が期待される。
【参照記事】*1 シーメンス「Very successful start to fiscal 2022
」
【参照記事】*2 シーメンス「Consensus Estimates – Pre Q1 FY22 as of January 17, 2022」
【参照記事】*3 cnbc「Siemens reports big surge in orders as profit beats forecast」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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