米マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)が1月25日に発表した2021年10~12月期決算は、売上高と1株当たり利益ともに市場予想を上回った(*1)。 クラウドサービスの利用が拡大。1~3月期売上高見通しも市場予想を上回る。
売上高は前年同期比20%増の517億2800万ドル(約5兆8900億円、1ドル=114円換算)、純利益は同21%増の187億6500万ドルだった。
クラウド部門の売上高は同26%増の183億ドル。中でも法人向けクラウドサービス「Azure(アジュール)」の増収率は46%と、アナリスト予想の45.3%を上回った(*2)。 エイミーフッド最高財務責任者(CFO)は「1~3月期もアジュールの成長拡大が続く」との見通しを示した(*1)。
パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」やゲーム機「エックスボックス」などを手掛ける部門は同15%増の175億ドルだった。マイクロソフトは8日、46年の歴史で過去最大規模となる687億ドルを投じて米ゲーム最大手アクティビジョン・ブリザードを買収する計画を表明した(*3)。買収が実現すれば、エックスボックスを含む個人消費者向け事業の拡大につながると期待される。なお、ゲーム事業は売上高全体の約11%を占めている。
業務用ソフト「オフィス365」やビジネス向けSNS「リンクトイン」などを手掛ける部門は19%増の159億ドルだった。サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、職場の交流に使う「Teams(チームズ)」の月間利用者が2億7,000万人を突破したことを明らかにした(*1)。また、フォーチュン500(米国の売上高規模上位500社)に名を連ねる企業の90%以上が「Teams Phone(チームズ電話)」を利用しているという。
2022年1~3月期の売上高見通しは485億~493億ドルと、市場予想の482.3憶ドルを上回る(*2)。 金利上昇に伴いテクノロジー株が幅広く売られるなか、堅調な見通しは投資家の業績に対する懸念を払しょくする形となった。なお、マイクロソフト株は22年初より14%下落しており、2010年以降で最もパフォーマンスが振るわない月となっている。
ナデラCEOは「新型コロナ禍の制約に打ち勝つうえでデジタル技術は最も適したリソースであり、市場が拡大するデジタル分野で技術革新と投資を続けていく」との方針を示した(*1)。
【参照記事】*1 マイクロソフト「Earnings Release FY22 Q2」
【参照記事】*2 cnbc「Microsoft beats on earnings and revenue, delivers upbeat forecast for fiscal third quarter」
【参照記事】*3 マイクロソフト「Microsoft to acquire Activision Blizzard to bring the joy and community of gaming to everyone, across every device」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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