単元未満株が買える証券会社は?手数料や特典の比較、投資の注意点も

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単元未満株は、数百円などの超低額から株取引を行えるため、初心者の方にも適した投資方法の一つですが、通常の単元株取引よりも売買手数料が高くなる傾向にあるため、低コストの証券会社選びがポイントになります。

そこでこの記事では、単元未満株の特徴、購入可能な証券会社、手数料、特典内容、注意点について詳しくご紹介します。少額から取引できる株式投資に関心のある方、証券会社選びで悩んでいる方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は、2023年7月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 単元未満株取引とは
    1-1.値がさ株でも取引しやすい
    1-2.少額から分散投資が可能
    1-3.リスクコントロールが可能
    1-4.1株でも配当金を受け取ることができる
  2. 単元未満株が買える証券会社を徹底比較
    2-1.マネックス証券
    2-2.SMBC日興証券
    2-3.LINE証券
    2-4.SBI証券
    2-5.SBIネオモバイル証券
    2-6.楽天証券
  3. 単元未満株の注意点
    3-1.売買手数料が単元株よりも高くなる
    3-2.株主優待をもらえる銘柄は少ない
    3-3.少額取引は利益も少ない
  4. まとめ

1 単元未満株取引とは

単元未満株取引とは、東京証券取引所の上場銘柄などを中心に1株から売買できるサービスです。通常、株取引では単元という最小の取引単位があり、単元株数(1単元=100株)での取引が基本となりますが、単元未満株は単元株数に満たない1株から取引可能なのが特徴です。

例えば、通常の株取引で単元株数の銘柄を購入する場合、1株500円だと500円×100株=50,000円の買付資金が必要ですが、単元未満株取引では1株500円の銘柄なら500円、5,000円の銘柄なら5,000円から購入できるため、初めて株式投資をする方や少額で取引したい方でも始めやすいサービスとなっています。

中には、1株数十円から取引可能な超低位株などもあるため、これから株式投資を勉強したいと考えている投資家の方なども損失リスクをそこまで気にすることなく、株取引の経験を積むことができます。

このほか、単元未満株のメリットは以下の通りです。

1-1 値がさ株でも取引しやすい

値がさ株とは株価水準の高い株式を指す用語であり、株価の高い株式を取引するためには多額の資金が必要です。

例えば、ユニクロを世界展開するファーストリテイリング(9983)が令和4年5月25日の終値で59,580円、任天堂(7974)が同57,200円ですが、これらを100株の単元株数で購入するためには600万円近い資金が必要になります。

一方、それぞれの銘柄を1株だけ購入する場合なら6万円弱となり、単元株数では手の出にくい場合でも取引しやすくなります。

1-2 少額から分散投資が可能

国内株式の投資では、複数の業種や銘柄に分けて投資する分散投資がリスク管理の基本です。しかし、複数の銘柄を購入するには多くの資金が必要になるため、まとまった資金を用意するのが難しい方にとって分散投資は容易ではありません。

しかし、単元未満株取引では、単元株数での取引と比べてかなり少ない金額でも複数の銘柄を取引できるため、分散投資をしやすいのも特徴です。

1-3 リスクコントロールが可能

株取引には、保有している株式の値下がりリスクや企業の信用リスクなどがあります。最悪のケースでは、倒産などにより株がほぼ無価値になることもあるため、個別銘柄のリスク管理はとても重要です。

一方、単元未満株の取引では、少額からの投資が可能なため、過度なリスクを負う必要がなく、無理のない範囲でリスクコントロールしながら投資することができます。

1-4 1株でも配当金を受け取ることができる

利益が出ている企業では、株主への利益の分配として配当金を出すことがあります。配当金は1株当たり○○円という金額を決めて支払われますが、単元株数に満たない1株などの単元未満株でも、株数に応じた配当金の受取りが可能です。

また、中には単元株数を保有していない株主にも株主優待を提供する企業もあります。

2 単元未満株が買える証券会社を徹底比較

単元未満株は全ての証券会社で取り扱っているサービスではありません。また、取り扱いのある証券会社でも取引できる銘柄や売買手数料はそれぞれ異なります。こちらでは、売買手数料の安い以下の5社について、各社の単元未満株の手数料や取引の特典などを確認してみましょう。

2-1 マネックス証券

サービス名 ワン株
取引可能銘柄 東京証券取引所と名古屋証券取引所に上場する全銘柄
約定金額ごとの税込手数料 約定金額 1,000円 1万円 3万円
手数料 買付無料
売却52円
買付無料
売却55円
買付無料
売却165円
手数料詳細 買付:無料
売却:約定代金の0.55%(税込)で税込52円に満たない場合は52円

ネット証券大手のマネックス証券は、ワン株のサービス名で単元未満株を取り扱っています。2021年7月5日からワン株の買付手数料を無料にするなど、ネット証券大手の中では単元未満株の取引手数料が最安水準で、売却時も税込0.55%と売買の往復でも低コストの取引が可能です。

2-2 SMBC日興証券

サービス名 キンカブ
取引可能銘柄 東京証券取引所に上場する約3,900の指定銘柄
約定金額ごとの税込手数料 約定金額 1,000円 1万円 3万円
手数料 買付無料
売却5円
買付無料
売却50円
買付無料
売却150円
手数料詳細 ・概算注文金額100万円以下
買付:無料 売却:0.5%
・概算注文金額100万円超
買付:1.0% 売却:1.0%
※手数料は株式の売買代金に上乗せするスプレッド形式。

SMBC日興証券のキンカブは、株数指定だけでなく金額指定で単元未満株を取引できるのが特徴です。1株、5株、10株といった株数指定以外に、100円、200円、300円など100円単位の金額指定でも取引できるため、投資初心者の方でも予算を決めた投資がしやすくなっています。

キンカブの手数料は、LINE証券と同様に市場価格と表示価格の差額をスプレッドとして売買代金に上乗せして支払う形になっており、概算注文金額が100万円以下の場合、買付手数料が無料、売却は0.5%です。

また、ダイレクトコースでのキンカブの取引でdポイントが付与され、売却と100万円超の買付で売買約定代金500円ごとに1ポイントもらえます。

2-3 LINE証券

サービス名 いちかぶ
取引可能銘柄 東京証券取引所のプライム市場やスタンダード市場に上場する銘柄を中心に1,000銘柄以上
約定金額ごとの税込手数料 約定金額 1,000円 1万円 3万円
手数料 2~5円 20~50円 60~150円
手数料詳細 ・取引日の日中(9:00~11:20、12:30~14:50)
銘柄に応じて取引金額の0.2~0.5%
・取引時間外(11:30~12:20、17:00~21:00)
全ての銘柄が1%
※手数料は株式の売買代金に上乗せするスプレッド形式

LINE証券はスマホで取引が完結するスマホ専用の証券会社で、単元未満株取引の「いちかぶ」を提供しています。東証に上場する銘柄を中心に1,000銘柄以上の取引が可能で、手数料は銘柄に応じて売買の都度0.2~0.5%を売買代金に上乗せする形で負担します。

2-4 SBI証券

サービス名 S株
取引可能銘柄 東京証券取引所に上場する全銘柄
約定金額ごとの税込手数料 約定金額 1,000円 1万円 3万円
手数料 買付実質無料
売却55円
買付実質無料
売却55円
買付実質無料
売却165円
手数料詳細 条件を満たすことで約定代金に関わらず取引手数料が0円

ネット証券大手のSBI証券では、SBIネオモバイル証券と同じ名称のS株というサービスで単元未満株を取引できます。2023年9月30日から国内株式取引の手数料を無料化しており、低コストで取引できるのが特徴です。

2-5 SBIネオモバイル証券

サービス名 S株
取引可能銘柄 東京証券取引所に上場する全ての銘柄
約定金額ごとの税込利用料 約定金額 1,000円 1万円 3万円
手数料 定額220円
手数料詳細 月間の約定合計額に応じた定額制
0円~50万円:220円
50万円超~300万円:1,100円
300万円超~500万円:3,300円
500万円超~1,000万円:5,500円
以下100万円ごとに1,100円加算

SBIネオモバイル証券は、ネット証券大手のSBI証券を傘下に持つSBIグループの証券会社で、スマホ操作に特化したスマホ専用サービスです。

SBIネオモバイル証券は、約定合計金額に応じた月額のサービス利用料を負担する形となっており、月間の約定合計額が50万円以下の場合、税込220円で何度でも取引可能です。ただし、取引金額が0円の場合でも220円のサービス利用料が発生する点に注意も必要です。

2-6.楽天証券

サービス名 かぶミニ™
取引可能銘柄 寄付銘柄数:1,602、リアルタイム銘柄数:492(2023年7月時点)
手数料詳細 無料

楽天証券のかぶミニ™は、リアルタイム取引と寄付取引の両方で単元未満株の取引ができる点が強みです。手数料は無料となっており、楽天カードや楽天市場のショッピングで貯めた楽天ポイントを投資に活用することも可能となっています。

3 単元未満株の注意点

単元未満株は少額で取引できるなどメリットがある反面、以下のポイントに注意することも大切です。

3-1 売買手数料が単元株よりも高くなる

約定ごとの手数料体系を導入している単元未満株取引では、通常の単元株取引より手数料が高くなる場合があります。

店舗型証券大手の野村證券(約定金額の1.1%で最低手数料税込550円)や、岡三オンライン(2万円以下の約定で最低手数料税込220円)の単元未満株手数料はやや高めの設定になっているなど、単元未満株の取引手数料は、証券会社によって大きく変わるため、コストの安い証券会社選びが重要になります。

また、投資スタイルに合わせた証券会社選びも大切です。月に1,2回程度の少額の売買をする方は1約定あたりの手数料が安いLINE証券やSMBC日興証券、取引回数が多くなる方は月50万円まで定額で取引できるSBIネオモバイル証券、単元未満株取引をきっかけに本格的に投資を始めたい方は、金融商品の取扱いが豊富なSBI証券やマネックス証券という選択も可能です。

3-2 株主優待をもらえる銘柄は少ない

上場企業の中には個人の株主などを増やす目的で株主優待を実施している企業があります。株主優待とは、株を保有している株主に自社製品や自社サービスの優待券などをプレゼントする制度であり、株主優待をもらえるのは基本的に単元株数以上を保有している株主です。

中には、上新電機(8173)のように1株でも保有している全株主を対象に、自社の2,000円以上の買い物で利用できる200円相当の株主優待券25枚(5,000円相当)を贈呈している企業があるものの、このように1株から株主優待をもらえる銘柄は多くありません。

3-3 少額取引は利益も少ない

単元未満株は少額からリスクを抑えた取引ができる反面、利益も少ないというデメリットがあります。投資資金が増えると利益も大きくなる可能性はありますが、単元未満株でまとまった資金を運用すれば、通常の単元株取引より手数料負担が重くなります。

そのため、単元未満株の取引は投資に使える資金が少ない方や、投資の経験を積みたい方などにより適した投資方法となっています。

まとめ

単元未満株は少額からでも取引できるのが特徴で、値がさ株でも購入しやすく、分散投資によるリスクコントロールも行いやすいのがメリットです。一方、単元株取引と比べて手数料が高い場合もあるため、低コストの証券会社選びが重要になります。

手数料の負担は売買の頻度など投資スタイルによっても異なります。単元未満株を取り扱う各社の手数料体系を比較しながら、投資スタイルに合った証券会社を検討してみてください。

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