SBI証券の米国株サービスは、低コストながらネット証券最多クラスの取扱銘柄数や貸株サービスに対応しているなど様々な強みがあります。SBI証券で米国株を始めたいと考える方は、購入手順や注意点について詳しく知りたいのではないでしょうか。
この記事では、SBI証券で米国株を購入する方法について、ブラウザ版・アプリ版ごとに詳しく解説します。SBI証券の口座を既にお持ちの方や、ブラウザ版とアプリ版の違いを知りたい方は、参考にしてみてください。
※本記事は2022年4月20日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
目次
- SBI証券の米国株とは
1-1.取扱銘柄数がネット証券最多級
1-2.取引コストが安い
1-3.保有株を貸し出して金利を受け取れる
1-4.アプリで取引を完結できる - SBI証券で米国株を購入する手順・方法
2-1.証券総合口座を開設する
2-2.外国株式口座を開設する
2-3.投資資金を入金する
2-4.注文を発注する - SBI証券で米国株を買う時の注意点
3-1.時間外取引を行えない
3-2.株価が遅れて表示される
3-3.売却停止になることがある - まとめ
1 SBI証券の米国株とは
SBI証券で扱っている米国株には、以下のような特徴があります。
1-1 取扱銘柄数がネット証券最多級
SBI証券の米国株の取扱銘柄数は、2022年4月6日時点で5,194銘柄と、ネット証券の中で最多水準です。取扱銘柄の内訳は、大型株から中小型株、IPO株から米国ETF、中国・ブラジル・インドなどの企業のADR(米国預託証書)まで豊富なラインナップを取り揃えています。
1-2 取引コストが安い
SBI証券で米国株の取引を行う場合、取引手数料として約定代金の0.45%(最低0ドル〜最高22ドル)、為替手数料として片道25銭が通常発生します。
一方、米国株取引で住信SBIネット銀行の外貨即時決済サービスを活用することも可能です。SBI証券で米国株を購入・売却する際、決済用の口座として住信SBIネット銀行の外貨普通預金口座を利用することで、為替手数料は米ドル/円で片道4銭、外貨積立なら片道2銭になるほか、SBI証券口座への入出金手数料は無料です。
このほか、SBI証券における一部の米国ETF(上場投資信託)や、NISA・ジュニアNISA口座における米国ETFの買付手数料は無料なので、取引コストをできる限り抑えたい方に適しています。
1-3 保有株を貸し出して金利を受け取れる
SBI証券では米国株の貸株サービスにも対応しています。貸株とは、保有中の米国株をSBI証券に貸し出すことで、保有株数に応じて金利を受け取れるサービスです。貸し出せる銘柄数は1,000以上に及ぶため、保有している銘柄次第では、毎月のように貸株金利を受け取れる場合もあります。
1-4 アプリで取引を完結できる
SBI証券は2021年4月9日より米国株取引専用のスマートフォンアプリを提供しています。銘柄検索機能やチャート分析、口座管理までをアプリ1つで完結できるため、スマートフォンがあれば、時間や場所を問わず米国株取引を行えるほか、口座状況をすぐ確認することも可能です。
2 SBI証券で米国株を購入する手順・方法
SBI証券で米国株を買う手順と方法や、ブラウザ版とアプリ版の注文方法の違いは、以下の通りです。
2-1 証券総合口座の開設
SBI証券の証券総合口座を持っていない場合、最初に口座開設手続きが必要です。SBI証券のトップページにある「口座開設はこちら」から、メールアドレスを登録し、届いた認証コードを入力します。
次に、氏名や住所等の個人情報を入力していきます。各規約も確認したら、口座開設方法とし、「ネットで口座開設」または「郵送で口座開設」を選択します。以上で口座開設の申込手続きは完了です。
ユーザーネームとログインパスワードが発行されたら、マイページにログインし、本人確認書類として、マイナンバーカードまたは「通知カードおよび運転免許証」のいずれかを提出します。
本人確認書類の提出後、審査が終われば口座開設完了通知が届きます。以上で証券総合口座の開設手続きは完了となります。
2-2 外国株式口座の開設
SBI証券で米国株を取引するためには、証券総合口座とは別に、外国株式口座を開設する必要があります。マイページにログイン後、ページ上部のメニューにある「外国株式 海外ETF」から「口座開設・お取引までの流れ」を選択し、「今すぐ外国株式口座開設」の手続きを行います。
次に、外国株式取引に関する登録情報の確認を行います。同意後、電子交付書面の確認が求められるので、外国株式取引に関する説明書や為替取引に関する説明書をしっかり確認します。最後に「同意/承諾する」を選択すれば、外国株式口座の口座開設手続きは完了となります。
2-3 投資資金を入金する
外国株式口座の開設が完了したら、証券取引口座に投資資金を入金します。米国株取引の方法には、円貨決済と外貨決済の2種類あり、入金の仕方は以下の通りです。
円貨決済の場合
円貨決済では、米国株を買い付ける際、自動的に日本円が外貨へ両替されます。取引コストはかかるものの、日本円を証券総合口座に入金するだけで買付余力に反映されます。日本円の入金方法は、「即時入金」「リアルタイム入金」「銀行振込」の3種類から選ぶことができます。
即時入金は、指定の銀行口座を持っている場合に利用できる方法です。振込・振替手数料が無料になるほか、平日なら入金額が買付余力として即時に反映されます。なお、指定の銀行側でネットバンキング契約が必要になります。
また、住信SBIネット銀行の口座を持っている場合、SBIハイブリッド預金残高に預け入れることで、入出金の指示を行うことなく、買付代金に預け入れた資金を充当できます。
一方、リアルタイム入金も、指定の銀行口座を持っている場合、振込・振替手数料が無料になるほか、即時に買付余力として反映される方法です。なお、ネットバンキング契約は不要なものの、SBI証券から口座振替登録の手続きが必要になります。
外貨決済の場合
外貨決済の場合、日本円を入金してから為替取引画面にて米ドルに両替した後、外貨建て口座に入金し、米国株を買い付けます。米国株を買い付ける際は、事前に用意した米ドルで取引することになるため、スプレッドが新たに発生しません。
日本円を米ドルに両替するには、マイページにログインしてからページ上部にあるメニューのうち「外国株式海外ETF」を選択し、ページ右側のメニュー下にある「為替取引」ボタンを押します。取扱通貨が一覧表示されるので、米ドルの項目にある「買付」を選択します。この時すでに日本円を入金していれば、参考レートと買付可能数量が表示されています。
日本円または外貨にて買付数量を指定し、取引パスワードを入力します。最後に「ご注文へ」を押すと、日本円が米ドルに両替され、米国株の外貨決済で使用する米ドルを調達できます。
なお、住信SBIネット銀行を利用中の場合、日本円を外貨に両替した上で、入金することも可能です。スプレッドについてもSBI証券で為替取引を行うよりコストを抑えられます。
2-4 注文を発注する
米国株の投資資金が用意できたら注文を行います。発注方法は、ブラウザ版とアプリ版では手順や方法が異なります。どちらの方法で注文を発注するのか、あらかじめよく確認しておきましょう。
ブラウザ版の場合
マイページにログイン後、ページ上部にあるメニューから「外国株式海外ETF」をクリックします。次に、「外国株式取引サイトへ」の指示に従ってページを移動し、ページ上部の「取引」から「米国」を選択すると注文入力画面が表示されるので、取引から「買付」をクリックし、買い付けを予定している米国株のティッカーを入力します。また、株数、価格、預り区分、決済方法などもそれぞれ選択します。
入力が終わったら、最後に取引パスワードを入力します。なお、NISA口座で米国株を取引する場合、「NISA預り」を選択する必要があります。最後に注文確認画面で内容を確認後、注文ボタンをクリックすれば、発注手続きは完了です。
アプリ版の場合
米国株取引のアプリ版は、スマートフォンから専用アプリの「米国株アプリ」をダウンロードする必要があります。アプリのダウンロード後、ユーザーネームとパスワードを入力し、ログインします。
次に、ページ下部にある「検索」を選択し、買い付けを予定している米国株の銘柄名またはティッカーコードを入力します。銘柄名が表示されたら、ページ下部にある「買付」を選択すると、注文内容の画面に切り替わるので、預り区分(特定口座、一般口座、NISA口座)の選択や株数、価格および注文方法(指値、成行、逆指値)を入力します。
最後に、決済方法として外貨または円貨を選び、取引パスワードを入力すると、注文確認画面が表示され、「注文発注」ボタンをタップすれば、注文手続きの完了です。
3 SBI証券で米国株を買う時の注意点
SBI証券で米国株を購入する際は、以下のポイントに注意することも大切です。
3-1 時間外取引を行えない
SBI証券では、米国株における時間外取引の取り扱いがありません。そのため、時間外取引を行える他社の証券会社と比べて、取引チャンスが少なくなる場合もあります。
時間外取引とは、米国株式市場の立会時間の前後で開かれる市場であり、立会時間前後の時間帯をそれぞれプレマーケットまたはアフターマーケットと呼びます。
時間外取引 | 日本時間 | 日本時間(夏時間) |
---|---|---|
プレマーケット | 18:00〜23:30 | 17:00〜22:30 |
アフターマーケット | 6:00〜10:00 | 5:00〜9:00 |
米国市場に上場している多くの企業は、株式市場の開いていない立会時間外で決算を発表します。そのため、時間外で株価が大きく変動する傾向にあり、時間外取引を行えれば利益を上げるチャンスも得られます。
SBI証券で米国株を購入するときには、米国株の決算が発表された直後に取引を行うことができない点に留意しておきましょう。
3-2 株価が遅れて表示される
SBI証券の米国株取引では、株価やチャートがリアルタイムから15分遅れで表示されます(他の国の株価やチャートの遅延時間は国ごとで異なります)。リアルタイムで米国株を取引するためには、有料情報を購入しなければならず、購入価格は以下のように定められています。
利用期間 | 購入価格 |
---|---|
1ヶ月 | 500円(税込550円) |
3ヶ月 | 1,300円(税込1,430円) |
6ヶ月 | 2,500円(税込2,750円) |
他の証券会社では、無料でリアルタイム情報を入手できるサービスもあるため、SBI証券では購入しなければリアルタイム情報を利用できない点に注意が必要です。なお、有料情報を購入したとしても、NASDAQ(ナスダック)をはじめとした一部の指数は、リアルタイム配信に対応していないので、留意しましょう。
3-3 売却停止になることがある
SBI証券では、成行注文を出すタイミング(寄付前は前営業日の終値、取引時間中は買付注文時の直近価格)における基準価格に対して、一定のレートが上乗せされ、買付余力として拘束される仕組みです。
約定した金額が拘束された買付余力を超えたタイミングで、なおかつ米ドルの現金残高がない場合、外貨不足金が発生します。外貨不足金が発生すると、発生した銘柄に対して売却停止の処置が取られることになります。
売却停止の処置が取られた場合、不足金を解消したとしても、売却停止は自動的に解除されません。SBI証券の取引コースの問い合わせ先に連絡する手間がかかるので注意しましょう。
まとめ
SBI証券で米国株を買う方法は、証券総合口座と外国株式取引口座を開設した後、ブラウザ版もしくはアプリ版から注文を発注することができます。ブラウザ版とアプリ版の操作方法はやや異なりますが、両方を使いこなせれば、時間や場所を問わず米国株を購入できるようになるので、検討してみてください。
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