2020年6月にサービスを開始し、第1号案件「地元カンパニー」では300人以上から約5,000万円を集めて話題となった株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」。プロの目を通して厳選されたベンチャー企業に最短即日から投資可能で、全案件で株主間契約を結ぶことも大きな特徴です。また、運営会社であるイークラウド株式会社は、2020年8月20日にエンジェル税制の認定事業者としても認定されています。
今回、HEDGE GUIDEではイークラウド株式会社代表取締役の波多江直彦さんに、イークラウドで実現できる世界観や魅力について伺いました。株式投資型クラウドファンディングやイークラウドの利用を検討されている方は、ぜひご参考になさって下さい。
話し手:イークラウド株式会社 代表取締役 波多江 直彦氏
- 2006年慶應義塾大学法学部卒業後、サイバーエージェントに入社。広告代理部門、スマホメディア、オークション事業立ち上げ、子会社役員等を経て、サイバーエージェント・ベンチャーズで投資事業に従事。その後XTech Venturesにてパートナーとして、VR・SaaS・モビリティ・HRTech・シェアリングエコノミー・サブスクリプションサービス等への投資実行を担当。2018年7月にイークラウド株式会社を創業、代表取締役に就任。
目次
- プロによる厳選したベンチャー企業で効果的な投資を実現
Q1.株式投資型クラウドファンディングを始めるに至った経緯や想いは?
Q2.既存サービスと比較したイークラウドならではの強みは?
Q3.審査基準の具体例や案件掲載可否の判断軸はどのようなものでしょうか?
Q4.全案件で株主間契約を結ぶのはなぜでしょうか? - イークラウドはリスクテイクに積極的な投資経験者に選ばれている
Q5.現在のユーザー属性とその理由を教えてください。
Q6.投資案件の募集情報で投資家の方に特に見て欲しい情報は?
Q7.審査基準の具体例や案件掲載可否の判断軸はどのようなものでしょうか?
Q8.全案件で株主間契約を結ぶのはなぜでしょうか? - 今後は多彩なベンチャー企業のラインナップを目指す
Q9.第1号案件の募集の手応えは?
Q10.今後扱いたい案件や領域は?
Q11.ウィズコロナ・アフターコロナでベンチャーに投資する意義は?
Q12.投資初心者に向けての一言 - 編集後記
1.プロによる厳選したベンチャー企業で効果的な投資を実現
株式投資型クラウドファンディングを始めるに至った経緯や想いを教えてください。
今年はコロナの影響があったものの、過去数年で国内のベンチャー企業への投資額は順調に増加しています。しかしながら、アメリカにおけるベンチャー企業へ流れているリスクマネーの金額と比べると、その規模はおよそ40分の1程度の規模に留まっています。
私自身もベンチャーキャピタリストとして、スタートアップの支援を行ってきましたが、今後、海外の水準までリスクマネー(短期売買を中心とした投資資金)の流入を増やし、日本から多くのユニコーン企業を輩出していくためには、これまでの方法に加え、新しい方法でスタートアップへリスクマネーを供給していかなければならないと考えました。そこで注目したのが株式投資型クラウドファンディングでした。
既存の株式投資型クラウドファンディングと比較したイークラウドならではの強みは?
「プロが厳選したベンチャー企業に投資できる」というポイントです。特にビジネスデューデリジェンスのフェーズでは、案件ごとに市場調査や現場ヒアリング調査などで一次情報を泥臭く収集して、事業計画やビジネスモデルの妥当性を会計面や法務面以外からも深堀りしていきます。
また、ベンチャー企業の資本政策が破綻しかけていないか、考えうるエグジットイベントで投資家にリスクに見合った利益をもたらす可能性がありそうか、投資家・起業家両方の目線で、元ベンチャーキャピタリストが議論しながら資本政策をチェックするようにしています。こういったことにこだわりながら今後も厳選した案件を紹介していきたいと考えています。
審査基準の具体例や案件掲載可否の判断軸はどのようなものでしょうか?
審査においては、ビジネス面・財務面・法務面といった幅広い項目で、投資家の方へ開示するリスク事項を徹底的に洗い出し、改善ができないかを検討します。短期間では回避できないリスクや、継続的に残るリスクについては投資家に丁寧に開示をしています。
一般的な審査基準の他にイークラウド特有の考え方として、営業担当がビジネスを徹底的に理解し、起業家から経営参画して欲しいと言われるレベルで会社に対して向き合っていることです。起業家とそのような関係性が構築できることで、会社やビジネスに対しての理解が深まり、個人投資家にも自信を持って本質的な情報を開示できるようになると思っています。
また、営業担当は「自分が経営者としてこの会社をエグジットまでやりきれるか」といった独自の哲学で、プロフェッショナルであることを追求しています。
全案件で株主間契約を結ぶのはなぜでしょうか?
株式投資型クラウドファンディングの事業を始めるにあたっては、多くのベンチャーキャピタリストに相談を行い、懸念事項のヒアリングを行いました。その中で多くのキャピタリストから不安材料として挙がったのが「エグジット時の支障になる可能性」でした。その対策のうちの一つが株主間契約です。
例えば、M&Aなどの場合は100%買収を希望する買い手が多いですが、一人でも株主が拒否した場合、M&Aが破談となることがあります。起業家の資金調達を支援するはずの株式投資型クラウドファンディングが障害になってしまう可能性すらあります。
そこでイークラウドでは、株主になる過程で株主間契約を締結し、そういった状況にスピーディーに対応できるようにしています。
2.イークラウドはリスクテイクに積極的な投資経験者に選ばれている
現在のユーザー属性とその理由を教えてください。
ユーザー属性としては、リスクに対しても積極的に投資をする傾向にある投資家に多く登録頂いています。上場株式などの伝統的な投資から、最近の仮想通貨まで幅広い投資経験をお持ちの方々に登録頂いておりますが、1号案件が地方の会社を取り扱ったこともあり、全国から情報感度が高い方々の登録が増えました。
職業としては、会社経営者の方、サラリーマンの方に加え、地方の資産家や地方公務員などの方にもご登録を頂いております。
投資案件の募集情報で投資家の方に特に見て欲しい情報は?
まずは案件ページにて、事業の概要や経営者やチームを見ていただきたいと思います。その中で気になる点があれば、企業のリスクや審査内容の情報で重点的に確認していくことをお勧めいたします。
また、募集情報以外でも経営チームの記事やSNSなど、日頃から考えていることや発信していることを見て、人としての魅力や特徴、考え方の変化や一貫性などを立体的に捉えていくのも面白いかもしれません。
3.今後は多彩なベンチャー企業のラインナップを目指す
第1号案件が募集完了しましたね。
おかげさまで上限募集金額の5,000万に到達し、順調な船出というところではありますが、1号案件もイークラウドもまだまだこれからです。1号案件では、様々なメディア様に取り上げていただくことができました。業界の盛り上がりや注目度の高さを感じでいます。また、1号案件を進めていく中で、投資家様からもお問い合わせやSNSなどを通じて様々なご指摘をいただき、プラットフォームとして数多くの改善点を見つけられたことも収穫だと思っています。
今後扱いたい案件や領域は?
プラットフォームとしては、特定の領域に絞り込まず、多様なベンチャー企業をラインナップしたいと考えています。投資家の方からは、AIやDX、ヘルスケアなどの領域に対する強い関心などの声も寄せていただいて頂いておりますのでご期待に沿える発掘ができるようにしていきたいと思っています。
ウィズコロナ・アフターコロナでベンチャーに投資する意義は?
投資の世界では、金利差や価格差などの歪みを利用したアービトラージのような取引があると思います。スタートアップの世界も同じで、その時々における世の中の歪みを如何に味方につけられるかという点が重要になってきます。
コロナにより世の中の一部の変化が加速したことで、機動力の高いスタートアップが捉えられるビジネスチャンスが増えてくると考えています。我々自身も世の中の変化を敏感に察知し、そういったスタートアップへの投資機会を投資家の方々へ提供していきたいと考えています。
最後に投資初心者に向けて一言お願いします。
イークラウドは、「投資家に魅力的な投資の機会を創造し、挑戦者に新たな資金調達手段を提供する」というミッションを掲げています。魅力的な投資の機会をご提供し続けるためには、イークラウドに登録してくださっている投資家の数も大きな武器になります。この記事を読んでいただいた方には、魅力的な投資機会をご期待いただき、この機会に投資家登録をご検討いただけると幸いです!
編集後記
今回の取材で特に印象に残ったのは、「起業家から経営参画して欲しいと言われるレベルで会社に対して向き合っている」という点です。募集会社やビジネスのことを徹底的に理解することで、会社の成長性やリスクなどにも気づくことができ、投資家が本当に求めている情報の開示や募集後の適切な支援にもつなげることが可能になります。
個人投資家にとって心強い「プロの目線」でベンチャー企業を厳選しつつも、株主間契約などベンチャー企業やVCにとっての心理ハードルを下げる仕組みも整えているイークラウド。このバランスの良さが投資経験者に選ばれている要因なのかもしれません。
イークラウドが厳選した、時代の潮目に現れる機動力の高いベンチャー企業に、これからも注目です。
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