中国株の時価総額ランキングTOP10企業は?株価推移や購入できる証券会社も【2020年10月版】

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ITやAI分野で急成長する中国企業への投資が注目されています。いまだコロナ不況に苦しむ国々がある中、経済活動をいち早く再開した中国では株価も徐々に回復し、投資家の間で好調な中国株に期待を寄せる動きが活発化しています。

そこでこの記事では、中国株投資の銘柄選定に役立つ中国株の時価総額ランキングを紹介します。各企業の概要や株価の推移のほか、中国株式市場の動向や投資の注意点についても詳しく解説します。中国株式市場の特徴、中国株への投資の注意点を知りたい方は参考にしてみてください。

目次

  1. 中国の株式市場の動向
  2. 注目の中国株の時価総額ランキングTOP10
    2-1.阿里巴巴集団
    2-2.騰訊控股
    2-3.美団点評
    2-4.平安保険
    2-5.中国工商銀行
    2-6.中国建設銀行
    2-7.中国移動
    2-8.友邦保険
    2-9.京東
    2-10.招商銀行
  3. 中国株投資の注意点
    3-1.会計基準等の違い
    3-2.中国当局の影響力
    3-3.日米欧との対立
  4. 中国株に投資する方法
  5. まとめ

1 中国の株式市場の動向

2020年の中国株式市場では、米中貿易摩擦に加え新型コロナの感染拡大による影響により、主要株価指数である2月時点の上海株式指数は2,800を割り込みました(基準日となる1990年12月19日の時価総額を100として算出)。

感染対策のため都市封鎖が実施され中国の経済活動が大きく制限されたことが原因ですが、政府の封じ込め政策で新型コロナの拡大は徐々に縮小し、生産活動などの再開とともに消費も上向きはじめ、4月~6月にかけて株価も次第に改善しています。

生産活動の回復により7月1日には3,000を突破し、10月15日時点で3,300を上回る動きを見せています。世界各国での経済活動の再開や景気の刺激策などが中国の製造業に好影響をもたらすという期待感も上昇に貢献しています。

加えて中国政府が株価のさらなる上昇を容認するという方針が伝わり、個人投資家等の投資意欲が高められた点も要因の1つに挙げられています。

8月~9月の指数は3,400台から3,200台へ下落したものの、9月の製造業・非製造業のPMIが上昇しているなどマクロ経済の回復が持続しており、10月の株式市場も比較的良好な結果が期待されています。

2 注目の中国株の時価総額ランキングTOP10

中国株を時価総額でランキングした上位10銘柄(2020年10月9日時点の香港証券取引所の銘柄)は次の通りです。

※なお、本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

順位 企業名
1 阿里巴巴集団(アリババグループ)
2 騰訊控股(テンセント・ホールディングス)
3 美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)
4 平安保険(ピンアンインシュアランス・カンパニー・オブ・チャイナ)
5 中国工商銀行(インダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク・オブ・チャイナ)
6 中国建設銀行(チャイナ・コンストラクション・バンク)
7 中国移動(チャイナ・モバイル)
8 友邦保険(AIAグループ)
9 京東(ジンドン)
10 招商銀行(チャイナ・マーチャンツ・バンク)

2-1 阿里巴巴集団

アリババ・グループ・ホールディングは、1999年に設立された世界最大級のEコマース企業です。「淘宝網」等を通じた小売、卸売、物流サービスおよび消費者サービスを、世界中の商品やサービス、コンテンツをオンラインチャネルのほか、実店舗や宅配などのリアルチャネルを通じて提供しているのが特徴です。

時価総額 約6,195,000百万HKD(香港ドル)
中心事業 インターネット小売
従業員数 約12万人
売上高 509,711百万CNY(2020/03)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
195.5 202.8 275.6

2-2 騰訊控股

テンセント・ホールディングスは、1998年に深センで創業した付加価値サービス(VAS)および広告サービスを提供する中国最大手のネット企業です。VAS事業としては、おもにオンラインゲーム、コミュニティ付加価値サービス、モバイルプラットフォームに関するアプリケーションなどを提供しており、オンライン広告事業なども展開しています。

時価総額 約5,170,000百万HKD
中心事業 インターネット・コンテンツ情報
従業員数 7.07万人
売上高 377,289百万CNY(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
333.0 419.0 505.5

2-3 美団点評

メイトゥアン・ディエンピンは2010年に創業した電子商取引プラットフォーム企業です。レストラン予約、ホテル・旅行サービス、配車サービス、映画チケットの予約販売など、総合的な生活総合支援サービスを提供しているほか、フードデリバリーなども手掛ける注目の企業です。

時価総額 約1,588,000百万HKD
中心事業 インターネット小売
従業員数 5.4万人
売上高 97,528.53百万CNY(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
104.7 150.0 241.8

2-4 平安保険

ピンアンインシュアランス・カンパニー・オブ・チャイナは保険のほか銀行や投資など4つの業務分野を有する総合金融グループです。また、フィンテックに注力した成功企業としても名を上げている企業です。

時価総額 約1,477,000百万HKD
中心事業 保険(生保・医療)
従業員数 37.2万人
売上高 1,062,885百万CNY(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
89.55 77.4 79.5

2-5 中国工商銀行

インダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク・オブ・チャイナは1984年に設立された中国最大の商業銀行です。法人向けでは、預金、融資と保証、資金為替、貿易決済業務などを、個人向けでは、個人向けローン、預金、デビットカード、海外送金、不動産担保ローンなどを提供しています。時価総額などの世界最大級の銀行とも言え、国内外に多数の支店を有しています。

時価総額 約1,429,000百万HKD
中心事業 銀行(複数地域)
従業員数 43.4万人
売上高 852,644百万CNY(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
5.56 5.1 4.02

2-6 中国建設銀行

チャイナ・コンストラクション・バンクは1954年に設立された商業銀行です。社会インフラへの融資を得意とする総合金融機関で、2009年の時価総額ランキングで世界第2位、世界のトップ20行に選ばれています。

時価総額 約1,255,000百万HKD
中心事業 銀行(複数地域)
従業員数 34.2万人
売上高 705,380百万CNY(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
6.23 6.29 5.02

2-7 中国移動

チャイナ・モバイルは1997年に設立された世界最大級の通信サービスプロバイダーです。主力のモバイル事業、有線ブロードバンド事業のほか、IoT(モノのインターネット)事業では、IoT SIM、IoTプラットフォーム、スマートネットワーク、スマート監視サービスなどを提供しています。

時価総額 中国移動
中心事業 通信サービス
従業員数 45.6万人
売上高 745,917百万CNY(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
59.35 55.5 49.45

2-8 友邦保険

友邦保険(AIAグループ)は1919年に創業した生命保険会社です。100年以上の歴史を有し、香港、中国本土、タイ、マレーシアなど18地域で個人および法人向けの生保、年金、医療・傷害保険などを提供しています。

時価総額 約963,000百万HKD
中心事業 保険(生保)
従業員数 2.3万人
売上高 47,242百万USD(2019/12)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
78.9 66.1 76.15

2-9 京東商城

中国ネット通販2位の京東(JDドットコム)を運営する企業です。家電製品や書籍、一般製品を販売しているほか、第三者の売り手が自社製品をウェブサイト上の顧客へ販売できるマーケットプレイスなども提供しています。50以上の都市に約210の倉庫、中国全土で5千以上の配達所を構え、迅速な配達サービスを図っています。

時価総額 約957,000百万HKD
中心事業 インターネット小売
従業員数 24万人
売上高 576,888.48(百万CNY)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
231.8 240.40 293.8

2-10 招商銀行

チャイナ・マーチャンツ・バンクは1987年に設立された中国の商業銀行です。リテール金融業務に強く、国際クレジットカード業務に強みがあり、2019年末の総資産は国内7位、営業拠点は1823カ所を有し、国外にも支店を構えています。

時価総額 約937,000百万HKD
中心事業 銀行(単一地域)
従業員数 8.8万人
売上高 267,980(百万CNY)
株価推移(HKD) 2019/12/02 2020/6/1 2020/9/30
37.3 37.3 36.55

3 中国株投資の注意点

中国株式市場は、主に「香港市場」と「中国本土市場」に分かれます。香港株式市場は、アジアを代表する市場の1つで、新興企業向けの「GEM市場」と「メインボード」に分けられています。メインボードの株式は、中国資本の香港企業であるレッドチップ銘柄、中国企業のH株(中国本土に登記してある香港証券取引所の上場企業)、その他で構成されています。

一方、中国本土市場には「上海株式市場」と「深セン株式市場」があり、各々A株市場とB株市場に分かれています。これらの市場で外国人投資家が取引できるのは上海B株市場と深センB株市場のみとなります。

なお、各取引所で取り扱い銘柄や取引ルール、取引時間帯、取引通貨などが異なる場合があるので注意が必要です。

3-1 会計基準等の違い

中国の上場取引所では会計基準や情報開示の内容が異なるケースがあります。会計基準について、香港上場企業の決算は基本的に香港会計基準または国際会計基準で発表されるものの、中国本土に登記してある香港証券取引所の上場企業(H株企業)に関しては中国会計基準での発表も可能となっています。

中国会計基準については、伝統的な旧会計準則を採用している企業もあり、国際会計基準に比べて不正会計の可能性などもあるため、決算書を用いた分析では慎重な投資判断が求められます。

3-2 中国当局の影響力

一党独裁の中国では他国以上に政府の政策が経済活動に直接的に結び付き、その結果が株式市場にも反映されることがあります。特に国策と関連性の高い産業ほど、事業で影響を受け、企業業績も左右される可能性があります。

例えば、中国政府の第14次五カ年計画では、半導体、新型インフラ建設、社会のデジタル化、内需拡大などが今後の主要目標になっており、外需依存からの脱却が図られています。引き続き、半導体やITテクノロジー等を中心とした企業に対する中国政府の支援政策が期待されています。

3-3 日米欧との対立

米中貿易戦争に加え、ウイグル自治区の人権問題、香港国家安全維持法問題、新型コロナウイルス拡大問題のほか、南シナ海や台湾・尖閣などの安全保障上の問題が日米欧などと中国の間で生じています。これらの国際問題が悪化すると、中国の経済活動に大きなダメージとなる可能性もあるので、中国の外交や経済動向は注視する必要があります。

また、コロナ以降、中国経済の回復が継続しているものの、米中対立の激化による影響が依然として懸念されます。新型コロナに感染したトランプ米大統領が、11月の米大統領選を前に経済制裁強化に乗り出す恐れもあります。

他方、中国政府による積極財政、金融支援、インフラ建設などの政策が期待され、ハイテク産業振興や社会のデジタル化推進も見込まれています。加えて中国株は先進国株よりも企業価値などで相対的に割安な水準にあり、ハイテク、ソフトウェア、消費関連などの分野で有望な投資先もあります。

中国株式市場は今後も成長が期待されますが、その行方は米中対立等の影響次第とも言える状況です。

中国株に投資する方法

日本から中国株を売買する方法は、主に中国株対応の証券会社を利用する、投資信託・ETFを利用する、といった方法が挙げられます。

中国株を売買できる証券会社は限られていますが、ネット証券最大手で香港市場の約700銘柄を取り扱うSBI証券、同じく香港市場から2,300銘柄というほとんどの上場銘柄をカバーするマネックス証券、香港市場銘柄に加え本土の上海取引所銘柄も売買できる楽天証券が多く利用されています。

投資信託・ETFについては、中国株式をメインに投資するファンドのほか、アジア株式や新興国株式を取り扱うファンドなどでも中国株を組み入れているものが多くあります。銘柄は基本的に上記のような大手企業に限られるものの、日本株に比べ情報収集が難しい中国株を自身で選定しなくても良いというメリットは大きいでしょう。

まとめ

時価総額で世界上位に食い込む中国企業が誕生するなど、今後の中国株式市場は経済成長や株価の割安感などにより発展が期待されている市場です。一方、中国市場には国策の影響力の大きさや米中対立の悪化等の懸念材料もあり、企業の経営状況だけでなくカントリーリスクの動向にも注意を向けることが大切です。

成長力が大きいぶん、中国株は日本株以上にハイリスク・ハイリターンになりやすい点を踏まえて慎重に検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チームは、株式投資に関する知識が豊富なメンバーが株式投資の基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」