米国株投資の世界で「賢人」、「神様」と尊称される人物がいます。ウォーレン・バフェット(Warren Buffet)氏です。91歳の同氏が持株会社を通じて保有する企業の株は「バフェット銘柄」と呼ばれ、世界中の投資家から注目されています。
今回はバフェット氏と同氏が率いる持株会社の中核ポートフォリオなどを紹介します。株式投資を行う上で参考とされることが多い情報ですので、把握してみると良いでしょう。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年3月8日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
1.バフェット氏の経歴
バフェット氏は1930年8月、米中西部ネブラスカ州オマハに生まれました。証券業に携わっていた父親の影響か、わずか11歳で株式投資を始めたといいます。名門コロンビア大学のビジネススクールを卒業後、ウオール街の小さな投資会社で金融業界におけるキャリアを開始。自ら設立した投資会社で成功を収めた後、1965年に地元オマハの紡績会社だったバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の実質的な経営権を取得しました。
現在のバークシャーは複数の子会社を傘下に置く持株会社です(ティッカーはBRK.b)。保険や再保険、公益事業、エネルギー、貨物鉄道事業など、子会社の事業は多岐にわたります。
バークシャーが投資家から常に注目を浴びている要素は、投資会社としてどのような企業の株を保有して利益を得ているのか、また将来を見据えてどんな企業の株を買っているのかなどにあります。
同社の運用資産は時価総額換算で2,000億ドルを超えていて、巨大なファンドとしての側面も持っています。同社の投資判断をけん引するバフェット氏の投資手法は「バリュー投資」と総称されています。算出した1株あたりの株主価値に比べ、実際の株価が大きく下回っている状態を利用して大きな値上がり益を得ようというものです。
2.ポートフォリオの中核はアップル
米国に拠点を置き、運用資産が1億ドルを超える機関投資家は米証券取引委員会(SEC)に対し、期間中に売買した上場企業の株式数を3カ月ごとに報告することが義務付けられています。
「Form-13F」とよばれる報告書の最新版(2022年2月14日付)によれば、バークシャーは米国市場に上場する企業のうち約40社の株を保有しています(2021年12月末時点)。
個別企業で上位を占めるのがアップル(AAPL)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、コカ・コーラ(KO)、クラフト・ハインツ(KHC)の5社です。なかでもアップルは全体の約半分に達しています。
5社のうち年初から2022年2月25日時点で株価がプラスを維持しているのは、アメックス、コーラ、クラフト・ハインツの3社です(バークシャー自体は年初から6%上昇)。アップルは9%余り下がっていますが、2021年にバークシャーに7億8500万ドルの配当をもたらしました。バフェット氏はアップルへの投資を「バークシャーが擁する4つの巨人の1つ」と評価しています。
3.日本の5大商社にも投資
最新の報告書でメディアなどの関心を集めたのは、ゲームソフト大手のアクティビジョン・ブリザードに投資をしていたことでした。バークシャーは2021年10~12月に、アクティビジョン株を約1,460万株(金額換算で約9億7500万ドル)取得していました。実はアクティビジョンは2022年1月、マイクロソフトに約687億ドルで身売りすることを決めています。
この発表を受け、社内セクハラ問題に絡むガバナンス不全で落ち込んでいたアクティビジョン株は一日で約26%上昇しました。バークシャーはすでに売却して利益を確定している可能性もありますが、購入するタイミングの良さにバリュー投資家としてのセンスを伺わせました(バフェット氏自身は「アクティビジョン株取得にかかわっていない」と説明。参照:日本経済新聞「バフェット氏、ゲーム会社株取得「買収の事前情報なし」」)。
バークシャーはまた、日本の上場企業にも投資をしています。2020年8月、5大商社(伊藤忠、住友商事、丸紅、三井物産、三菱商事)の発行済み株式をいずれも5%ほど取得したことを明らかにしました。5社の株価は当時、コロナショック後で低迷していましたが、経済回復が進んだことで執筆時点ではかなりの含み益が発生していると見られます。
まとめ
上場企業であるバークシャーは年に1回、株主総会を開催しています。オマハで開かれる会合は、バフェット氏に直接質問をしたり、「神様」の投資哲学を聞いたりするために多くの人々が集まる一大イベントです。今年は4月29日~5月1日に実施されます。
日本からはメディアの報道を通してとなりますが、高進する米国のインフレや米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ、米国経済の先行きなど投資家として気になる諸問題に関し、経験に基づいたバフェット氏の深い見識に触れることができるかもしれません。
米国株投資のみならず、日本株への投資においても、バフェット氏およびバークシャーの投資銘柄選定の仕方や購入した銘柄の情報は参考になるでしょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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