FXでレバレッジを掛けると、少ない金額で大きな利益を狙えるメリットがあります。ただし、大きな利益が狙えるからと早合点し、高レバレッジを掛けると落とし穴があるので注意が必要です。レバレッジは諸刃の剣なのです。
今回はプロトレーダーである筆者が、2022年6月現在の注目通貨ペア3つと、レバレッジの目安を解説します。
※本記事は6月7日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- レバレッジは少ない金額で大きな利益を狙える
- レバレッジの目安
2-1.長期的に運用を行う場合は2倍~3倍が目安
2-2.短期売買の場合は最大5倍まで - 注目通貨ペア3つ紹介
3-1.ドル円
3-2.ユーロドル
3-3.ポンド円 - まとめ
1.レバレッジは少ない金額で大きな利益を狙える
レバレッジとは自身が保有している金額以上のリスクを取ってポジションを保有することです。
例として100万円を元手にドル円100円を1万ドル購入(日本円で100万円)購入した場合、ドル円が1円変動すると損益は1万円(1円×1万ドル=1万円)となります。
ここで、レバレッジを10倍でトレードを行った場合、100万円を元手に10万ドルのリスク(日本円で1,000万円)を取ることが可能です。仮にドル円が1円変動した場合、損益は10万円(1円×10万ドル=10万円)となります。
元手は100万円のため、ドル円が1円で1%変動しても損益は10万円です。投資資金10%の増減すると言うことです。
これがレバレッジのメリットでもあり、リスクでもあるということをまず注意しましょう。
2.レバレッジの目安
次にレバレッジの目安について説明します。
2-1.長期的に運用はレバレッジ2倍~3倍が目安
FXでスワップポイントを狙いながら長期的に資産形成を行うためにFXを利用する場合、レバレッジは2倍から3倍を目安としましょう。
ドル円は直近10年間で10円程度が平均値幅となっています。つまり100万円で1ドル100円の時に1万ドルを運用した場合、1年間に起こりうる予想変動幅からの収益目安は±10万円です。
レバレッジ2倍の損益の目安は、±10万円×2倍=±20万円です。
-20万円の場合、資産は80万円になります。レバレッジ5倍で±50万円になれば、FX初心者にとって心理的負担が大きいでしょう。
最大生じる可能性がある評価損失を確認したうえで、レバレッジを決めましょう。
2-2.短期売買の場合は最大5倍までが目安
デイトレード等の短期売買の際のレバレッジは、手法によるところが大きいため、一概には言えません。筆者個人としては、レバレッジは5倍~10倍にしています。
10倍のレバレッジを掛けた場合は、損切りを考えながら利用しています。FX初心者は最大でも5倍までにとどめておきましょう。
短期売買の場合は、1日における通貨の変動率をチェックしてみてください。ざっくりとした理解で結構です。
2022年6月現在、相場の変動幅の目安を参考として掲載します。
- ドル円:大体1円程度
- ユーロドル:100pips程度
ドル円が最大1円変動すると仮定し、1ドル100円で100万円の投資資金で取引を行うとします。
レバレッジ5倍の場合は5lotでの取引となります。1円変動した場合の値動きは±5万円です。投資資金から考えると1日で5%の変動となります。
これはあくまでの最大の変動幅から算出した損益であり、もっと大きな値動きが生じる可能性があります。レバレッジ5倍は、値動きが大きいことが分かるでしょう。
筆者の経験からも、レバレッジは5倍までに留めたほうがよいと考えます。
多くのFX初心者は1万円以上の損益がでると、心理的な負担が生じ、落ち着いてトレードできなくなります。人間は負けたくないという気持ちが強い生き物だからです。
リアルタイムで発生する評価損益の動きを抑え、心理的な負担を減らすこともトレードのコツなのです。
3.注目通貨通貨ペア3つ紹介
3-1.ドル円
ドル円は現在米国の利上げを背景にドル高が強まっており、また一方で日本の政策金利が低位安定する見通しが強まっていることから、日本円が売られる展開となっています。下落したら押し目で拾っていくスタンスで取引することがいいでしょう。
投資資金100万円の場合、レバレッジは長期売買で最大2倍、短期売買で最大5倍が目安になります。計画的にポジションを積んでいきながら、スワップポイントも加味した利益を目指しましょう。
通貨の取引数量は年間期待するリターンの幅で考えましょう。投資資金100万円で、年間10%の利益を狙う場合、レバレッジ2倍の時5円変動すると20万円になります。
なお、期待リターン10%で計算しており、期待リターンによってレバレッジは変わります。あくまで参考としてください。
3-2.ユーロドル
ECBの利上げ観測の高まりと、アメリカの利上げペースが鈍化する可能性が指摘されていることから、ユーロドルに反発の兆しが見えています。
ユーロはマイナス金利のため、ユーロドルのロングはスワップポイントがマイナスになります。長期投資よりも短期投資にフィットしやすい通貨ペアと言えます。
ユーロドルは年間で1,000pips超の値幅が多いため、投資資金100万円の場合、レバレッジは長期投資で最大2倍が目安になります。
短期売買の場合は、1日100pips前後が平均値幅であるため、レバレッジの目安は最大5倍です。
3-3.ポンド円
現在イギリス国内の急速なインフレ懸念が高まりから、BOEの利上げペースが早くなる可能性が指摘されています。そのためポンド円も上昇せざる得ない状況です。
ただし、インフレが鈍化して利上げスタンスが後退した場合は、ポンドのロングポジションを閉じるタイミングでしょう。
ポンド円は「殺人通貨」という異名を持っている通貨ペアです。値幅が大きく、動き始めると10円程度1日で動くことがある通貨であることが理由です。
ポンド円は年間で20円程度動くことを想定しましょう。投資資金100万円の場合、長期投資ではレバレッジ1倍が目安となります。
短期的投資の場合、1日の想定変動幅が2円弱程度と想定すると、レバレッジは2倍から3倍が目安です。
ポンド円は特に急変しやすい通貨であるため、トレードする際は注意してください。
4.まとめ
今回はFX初心者に向けてレバレッジの目安を解説しました。
あくまでも筆者の考える方法であり、収益を保証するわけではありません。しかし年間値幅や期待リターンからlot数を決める考え方はトレードの参考になるでしょう。
レバレッジは諸刃の剣です。無理のない範囲でトレードしましょう。
中島 翔
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