2022年は世界的なインフレ懸念の中、2月にロシアがウクライナに侵攻したことで世界のサプライチェーンが混乱し、FXでトレードを行っている投資家は難しい舵取りを常に迫られています。
そんな波乱のFX相場で、堅調なのが豪ドルです。今回は豪ドルの状況と利益確定のタイミングについて解説します。
※本記事は6月7日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 豪ドルの特徴
1-1.資源国通貨
1-2.中国が最大の貿易相手国 - ロシアの代替国として注目が集まる 資源バブルになる可能性も?
- 豪ドル円は2018年の高値90円付近を大きく超えてきている
- 豪ドル円を取引するときの注意点3つ
4-1.コモディティ価格が反転しないかチェックする
4-2.日銀の政策スタンスに変更が出ないか
4-3.RBAの利上げスタンスに変更がないか - FXを取引するおすすめ証券会社
5-1.GMOクリック証券(FXネオ)
5-2.みんなのFX - まとめ
1.豪ドルの特徴
最初に豪ドルの基本的な特徴について解説します。
1-1.資源国通貨
オーストラリアは世界でも屈指の資源国です。
資源は大きく二つに分類されます。
- ソフトコモディティと呼ばれる農作物等
- ハードコモディティと呼ばれる原油や鉄鉱石、石炭等
オーストラリアは両者の資源を保有しており、資源価格がオーストラリアの景気に影響します。
オーストラリアの金属資源の埋蔵量で見ると、鉛、ニッケル、ウラン等は世界でも最大規模を誇っています。2022年現在、ボーキサイトの生産量は世界1位、ニッケルの生産量世界2位です。鉄鉱石と金の生産量も世界3位となっています。
また農作物も豊富なことから、資源不足が懸念される2022年現在、世界の投資家から再注目されているのです。
1-2.中国が最大の貿易相手国
オーストラリアは「中国が最大の貿易相手国である」という特徴を持ちます。資源の多くを中国に輸出しており、中国の景気にオーストラリアや豪ドルが左右される傾向があります。
現在では中国依存型を脱却しようと観光業等にも力を入れているものの、依然として中国の影響は強い状態です。オーストラリア経済をリサーチする際には、中国の景気動向もセットで確認しましょう。
2.ロシアの代替国として注目が集まる 資源バブルになる可能性も?
2022年現在、オーストラリアは昨年より続いていたインフレ圧力やコモディティ価格の上昇から豪ドルには追い風が吹きました。一方で中国のロックダウンの影響から中国経済の冷え込みが強まり、豪ドルに取ってはマイナスの材料も出ていました。
しかし2022年現在はロシアがウクライナに侵攻し、ロシアからの輸入を禁止にする国々が出てきています。ロシアは世界でも屈指の資源国であり、ロシアからの輸入に頼っているコモディティも多くありました。
ロシアから輸入できないとなった場合に代替国を探さないといけません。その代替国としてオーストラリアに焦点が当たっているのです。
また供給不足な状況から原油から農作物まで価格が急騰していることにより、オーストラリアの貿易収支はバブルになる可能性があります。
中国も現在ロックダウンが解除され、緩和政策を取り始めています。中国経済もここから更に落ち込むという雰囲気ではなくなっており、オーストラリアにとっては好材料です。
コモディティ価格の上昇と中国の材料を背景に大きく上昇しているというのが、2022年6月現在のオーストラリアの状況です。
3.豪ドル円は2018年の高値90円付近を大きく超えてきている
次に豪ドル円のチャートを見ていきたいと思います。まずは長期的な水準を確認するため、豪ドル円の月足チャートから確認しましょう。
※図はTradingViewより筆者作成
リーマンショックが起きた2008年に110円程度あった豪ドル円のレートは、一時55円近くまで大幅下落しています。そして再度世界的な金融緩和から豪ドルも上昇し、105円あたりまで到達するも、2020年のコロナショックには60円付近まで急落する動きも見られていました。
その後はコモディティ高等の影響から、94円まで大きく上昇してきているという相場となっています。
※図はTradingViewより筆者作成
次に日足チャートで見ると、2018年の高値90円付近を大きく超えてきており、再度次の高値目処である100円を狙いにいくような動きとなっています。
日銀に政策金利を引き上げていく動きはなく、投資家の間でも日本円を売りながら他の通貨を購入する流れが強まっています。
低金利の日本円を売って高金利通貨を買う取引である、円のキャリートレードは一定期間継続しそうな状況です。
大きな節目である100円と、日本円の動向が豪ドル円の利益確定を見極めるポイントです。
豪ドル円は100円近辺をトライするようなチャートとなってきています。コモディティ価格の高止まりや、インフレ圧力が継続する限り豪ドルには追い風です。
下落したら豪ドル円を押し目買いでエントリーしていくトレード戦略がフィットしやすい相場と言えるでしょう。
4.豪ドル円を取引するときの注意点3つ
2022年6月現在の投資環境から豪ドル円を取引するに当たって3点注意すべきことを紹介します。
4-1.コモディティ価格が反転しないかチェック
コモディティ価格の上昇が豪ドル相場を支えているという状況です。コモディティ価格の反転は豪ドルの下落に直結することから注意しましょう。
コモディティは需給で成り立っています。ロシアが停戦を行い農作物や原油、天然ガス等通常通り輸出し始めるとコモディティ価格全体が大きく下落することになります。
現在は供給サイドが逼迫していることもコモディティ価格の上昇要因となっています。この点を意識してニュースをチェックしておきましょう。
4-2.日銀の政策スタンスに変更が出ないか
日銀の政策スタンスが利上げ方向に転じないかどうかをチェックしましょう。
現在黒田総裁の任期は来年の3月までとなっており、任期満了までは政策変更を行わないのではないかという見方が強まっています。一方で日本の物価が大きく急騰して悪い物価上昇に見舞われた場合は、政策変更の可能性も高まります。
低金利政策に動きが出ないかどうかは注視すべきです。
4-3.RBAの利上げスタンスに変更がないか
オーストラリア中央銀行の現在の利上げスタンスに変更が出ないかどうか注意しましょう。
オーストラリアはインフレ抑制を行うために利上げを行っています。この利上げスタンスが変更になった場合は豪ドルの下落材料になります。
中央銀行は急に政策変更を行うこともあるため、雇用統計やCPIといった経済指標を毎月チェックしましょう。
5.FXを取引するおすすめ証券会社
最後に豪ドルを含めてFXを取引する場合のおすすめ証券会社を紹介します。
5-1.GMOクリック証券(FXネオ)
GMOクリック証券(FXネオ)は初心者でも視覚的にわかりやすい取引画面となっているため、FX初心者にとって操作に迷いにくいメリットがあります。口座開設数は2022年5月時点で74万口座を突破しており、万人にとっても使いやすいFX会社とも言えます。
スプレッドは業界最狭水準であり、スワップポイントも高水準となっています。
5-2.みんなのFX
みんなのFXは、トレーディングツールに独自性があり、FXの2口座目としても使えるなど、すでにFX口座を持っている人にとってもメリットがあります。
ヒートマップや売買比率等をチェックできるデータも提供されており、テクニカルを活用したい方にとってもメリットがあります。スプレッドは業界最小水準であり、スワップポイントも高水準となっています。
6.まとめ
オーストラリアの情勢を中心に豪ドル円の相場動向や利益確定の目安、注意点について解説しました。
投資は自己判断ですが、2022年は豪ドルにとって追い風が期待されています。FXを利用開始する検討を進めてみてください。
中島 翔
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