ビットコインの課題の克服を目指す「NEM」
NEMはビットコインの弱点を解決することを目的として誕生した「ビットコイン2.0」に分類されるプロジェクトで、ビットコインの課題となる取引速度・手数料の改善を実現しながら、モザイク生成やマルチシグをはじめとするさまざまな機能を追加した仮想通貨です。NEM公式やコミュニティが主体となってイベントを行う仮想通貨プロジェクトとしては珍しい活動も特徴的です。2020年にはNEMをアップデート(Catapultアップデート)した新たなブロックチェーン「Symbol(シンボル)」がローンチ予定となっています。
NEMの概要
基本情報 | 仮想通貨名 | NEM(XEM) |
ティッカーシンボル | XEM | |
発行開始年月 | 2015年3月31日 | |
主な利用用途 | 送金 / 決済 / 投資 / 事業 | |
発行状況 | 発行主体 | プログラムによる自動発行 |
発行方法 | 全て発行済み。分散型台帳データ管理に必要となる計算および価値記録を行う記録者への対価として発行 | |
上限発行量 | 8,999,999,999XEM | |
発行可能数の変更 | 不可 | |
発行予定・発行条件 | − | |
価値移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | Proof of Importance(プルーフ・オブ・インポータンス) |
投資のリスク | 価値移転ネットワークの脆弱性 | 高い重要度を持つ記録者が多数結託した場合に、台帳とデータが改ざんされる可能性がある。 |
保有情報暗号化技術の脆弱性 | 第三者に秘密鍵を知られた場合には、利用者になりすまして送付指示を行うことができる。 | |
発行者の破たんによる価値喪失の可能性 | なし | |
価値移転記録者の破たんによる価値喪失 | − | |
移転の記録が遅延する可能性 | – | |
プログラムの不具合によるリスクなど | 現時点ではプログラムが適正に機能し、未検出のプログラムの脆弱性やプログラム更新などで生じた脆弱性を利用しデータが改ざんされ、価値移転の記録が異常な状態に陥る可能性がある。 | |
過去発生したプログラムの不具合の発生状況 | 現時点ではプログラムが適正に修正がなされ、台帳を不正に書き換えられたりした不具合は発生していない。 | |
価格に影響を与えた事件の履歴 | 2018年1月、コインチェックがハッキング被害に遭い5億2,300万XEMが流出、これに伴いXEM価格が急落した。 |
※2020年2月時点の情報となります。
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NEMの5つの特徴
- ビットコインの弱点を克服した「ビットコイン2.0」
- PoWとPoSの課題を解決するPoI(Proof of Importance)を採用
- モザイク生成やマルチシグなど事業用途に適した独自機能を内蔵
- コミュニティーの活動が活発に行われている
- COMSAを運営するテックビューロHDが手がけるmijinに利用
ビットコインの弱点を克服した「ビットコイン2.0」
NEMはビットコインで使用されているブロックチェーン技術を応用して、通貨以外の機能も持たせたブロックチェーン・仮想通貨です。同じくビットコイン2.0のプロジェクトであるイーサリアムと同様、DApss構築が可能なことやビットコインよりも早い送金スピード、安い手数料が特徴です。
PoWとPoSの課題を解決するPoI(Proof of Importance)を採用
PoWは大規模なマイニングシステムを構築できる一部のノードに富が偏在するという問題を抱えています。PoSはPoWの問題を解決するために通貨保有量に応じてマイニングの成功率が上がるよう設計されましたが、PoW同様に一部の人間に富が偏在する可能性があります。そこで、NEM独自のアルゴリズムであるPoIではNEMコミュニティへの貢献度(NEM保有量や取引量)に応じて「重要度」が設定され、重要度の高いユーザーが報酬を得ることができるという特徴をもっています。
モザイク生成やマルチシグなど事業用途に適した独自機能を内蔵
NEMは「New Economy Movement(新たな経済活動)」の頭文字を取ったもので、その名の通り世の中の経済を支える企業などの事業活動に適したブロックチェーンとして、様々な独自機能をもって開発されています。例えばプログラミング不要でオリジナルの仮想通貨(モザイク)を開発できる仕組みや、指定アカウントの許可がなければ送金を行うことができない仕組みを提供するマルチシグ、一つのトランザクションごとに改ざんできないメッセージを記載できる機能などを有しており、企業による活発な利用が期待されています。
コミュニティーの活動が活発に行われている
NEMはコミュニティー活動が活発なことでも知られる仮想通貨プロジェクトです。仮想通貨投資家のためにオープンされたXEMでの支払いが可能な実店舗「nem bar」や、XEM支払いが可能なフリーマーケット「nemket」の開催、NEM公式による投資家同士の親睦を深めることを目的とした「NEM meetup JAPAN」の開催など、コミュニティ全体で仮想通貨を実社会で使うための活動を進めていることが特徴です。
COMSAを運営するテックビューロHDが手がけるmijinに利用
NEMではさまざまな言語で開発が可能なSDKやAPIが提供されており、既存のプログラムとの連携が容易なため既存のインフラを0から再構築する必要がないことが特徴です。こうしたシステム連携のしやすさから、ICOプラットフォームCOMSAを運営するテックビューロホールディングスが手がけるプライベートブロックチェーンmijinにもNEMの技術が利用されていることで有名です。
NEMの購入方法
NEMが購入できるおすすめの仮想通貨取引所は以下をご覧ください。
マネックスグループ傘下の企業が運営「コインチェック」
コインチェックは、マネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社が運営する暗号資産取引所です。Coincheckは多数の暗号資産を取り扱っており、NEM(XEM)やモナコイン、EnjinやIOSTなど他取引所では取り扱いが少ないアルトコインを購入することができます。また、販売所での取引やチャット、貸仮想通貨サービスなどをスマホアプリで利用できることも特徴です。
コインチェックが提供する貸暗号資産サービスは、暗号資産の貸出で利益を得る事が可能なため、アルトコインを長期で保有する投資家であれば必見の取引所のひとつです。コインチェックは新しい通貨を日本初で上場させることが多く、通貨数は日本でトップの数を誇っています。
GMOインターネットのグループ会社が運営する「GMOコイン」
「GMOコイン」は、東証一部上場のGMOインターネット株式会社のグループ会社であるGMOコイン株式会社が運営する仮想通貨取引所です。GMOインターネットはグループ会社にGMOクリック証券などの金融サービスの提供実績をもっており、GMOコインにおいても金融ノウハウを活かした運営が行われていることが特徴です。また、GMOコインでは取引所形式、販売所形式、証拠金取引のそれぞれでビットコイン、イーサリアム、XRPなど複数の仮想通貨を取引可能なことが特徴です。
仮想通貨の一覧
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