米CPIは前年同月比9.1%上昇。FXで重要なポイントを解説

※ このページには広告・PRが含まれています

昨日は米CPI(アメリカ消費者物価指数)が公表され、マーケットが予想していた以上の数字が出てきたことを受けて短期金利が大きく上昇する動き。

米ドルも発表後は一時上昇したが、上昇する動きも限定的な動きとなった。ある程度織り込まれていたのか、長期金利が上昇しなかったためか定かではない。

ドルインデックス

※図はTradingViewより筆者作成

6月の消費者物価指数の数字は、①CPI(対前年同月比)+9.1%(市場予想 +8.8%)5月:+8.6%②CPI(対前月比)+1.3%(市場予想 +1.1%)5月:+1.0%③コアCPI(対前年同月比)+5.9%(市場予想 +5.7%)5月:+6.0%④コアCPI(対前月比)+0.7%(市場予想 +0.5%)5月:+0.6%となった。

CPIは40年半振りの伸び率となっており、ガソリン価格の上昇が大きく寄与した格好。その他のエネルギー価格の上昇が大きく伸びたことや、帰属家賃の上昇が大きく数字に反映されており、予想外に新車や中古車の価格が高止まりしたことも影響した数字となった。

一方でコアCPIは3月から徐々に伸び率は低下してきており、CPIの動きとコアCPIの動きに乖離が見られている。この動きの背景としてはコアCPIはエネルギー価格は反映されないことであり、アメリカのCPIが落ち着くかどうかはエネルギー価格の動きと賃貸家賃の相場動向が今後影響するだろう。

今回のCPIは6月の数字であり、現在ではコモディティ価格が落ち着いてきている動きが見られていることから、7月は今回ほどの数字は出てこないと考えている。

CPIを受けて米ドルが一時上昇したことからユーロドルは一瞬パリティである1.0000を割れる動きも見られたが、その後米ドルの上昇が止まったこともあり、再度反発する動きとなった。米国債金利も2年金利は上昇しているが10年金利は一時上昇するも、引けにかけては低下する動きとなっており、逆イールドの幅が拡大している。

米国債

※図はTradingViewより筆者作成

今回のCPIを受けて7月の先物市場から計算される利上げ織り込みは1.00%の引き上げを織り込む動きが出てきているものの、米ドルの上昇とは少し差があるような印象。

7月である程度政策金利の上昇は織り込まれたと考えており、秋にかけてドル高の動きが続くというよりは、ユーロやポンド等のロングを作りつつ、米ドルを売っていくようなトレードの方がリスクリワードとしてはいいかもしれない。

The following two tabs change content below.

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12